今回はIPO企業の中から、4月12日に東証グロースに上場予定のトライアルホールディングス(5882)をご紹介します。(同日は「ispace」が上場予定です。)
同社は4月12日に上場予定でしたが、申出により上場延期が発表されました。(2023年4月3日発表)
「昨今の金融機関の破綻等を契機とした混乱が続く中、株式市場に関する動向等を総合的に勘案した」との理由です。
上場手続きの再開時期については、「株式市場の動向などを見極めたうえで総合的に判断する」としています。
トライアルホールディングス(以下、トライアル) は、小売、物流、金融、決済、リテールテックなど、各事業を中心とした企業グループの企画・管理・運営をする企業です。
想定時価総額は2429.8億円で、小売業(業種)のIPOとなっています。
※上場後、企業様へインタビューを実施できた際に、企業からのメッセージを掲載致します。
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IPO概要・初値予想
まず、トライアルホールディングスの初値予想やIPO概要など、次の4つについて解説していきます。
同社を購入検討している方は、ご確認ください。
IPO評価・初値予想
インフレの進行や電気料金の高騰などにより節約志向が高まっているため、ディスカウントストアを運営する同社の将来性も期待できます。
しかしながら、想定時価総額(2,429.8億円)、吸収金額(590.1億円)ともに大きく、初値の上昇は一定に抑えられる可能性があります。
また、同日に上場予定の企業があることが初値にマイナスの影響を与えると考えられます。
これらの点から、IPO評価: C(予想レンジ1.0倍~1.3倍)と判断しました。
※IPO評価、初値予想は過去のデータを元に編集部が予想したものであり、結果を確約、投資を推奨するものではございません。
詳しい評価項目を知りたい方はこちら(クリックで開きます)
- 発行済み株式数:想定時価総額を計算。
- オファリングレシオ:小さい方が投資家からの人気が高い。市場に出回る株式数が少なくなることを意味するため。
- 公募割合:大きい方が投資家からの人気が高い。企業に資金が多く入ることを意味するため。
- 上場市場:グロースに上場する企業は人気が高くなりやすい。
- 事業のトレンド性:成長市場に位置し、トレンド性が高い企業は人気になりやすい。
- VC保有比率:VCが多くいる企業は事業のトレンド性が高く・成長企業であることが多いが、ロックアップがない場合はIPO後の需給が悪化しやすい
- 売上高成長率・経常利益率:大きい方が人気。過去の業績が良い。
- 前後2週間のIPO数:少ない方が投資家からの人気が高くなりやすい。
- 過去1ヶ月の日経平均リターン:高い方が人気。投資家心理に影響。
初値予想の方法についはコチラ
取り扱い証券
同社のIPO株を取り扱う証券会社は、次のようになっています。
証券会社名 | 割当率 | 割当株数 |
---|---|---|
大和証券(主) | -% | -株 |
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 | -% | -株 |
野村證券 | -% | -株 |
みずほ証券 | -% | -株 |
SBI証券 | -% | -株 |
FFG証券 | -% | -株 |
IPOに投資におすすめの証券会社はコチラ
日程・価格
IPOの日程は次のようになっています。
ブックビルディング期間 | 3月27日(月)~3月31日(金) |
当選発表日 | 4月3日(月) |
申込期間 | 4月4日(火)~4月7日(金) |
上場日 | 4月12日(水) |
続いて、価格は以下のようになります。
仮条件 | 1,800円~2,000円 |
公開価格 | 4月3日(月)発表予定 |
初値 | 4月12日(水)発表予定 |
過去IPO企業の初値や騰落率についてはコチラ
大株主
株主名 | 比率 |
---|---|
株式会社ティー・エイチ・シー | 66.38% |
株式会社Heroic investment | 9.43% |
永田 久男 | 1.98% |
株式会社PALTAC | 1.21% |
サントリー株式会社 | 1.01% |
三井食品株式会社 | 1.01% |
ヤマエ久野株式会社 | 1.01% |
加藤産業株式会社 | 0.60% |
北尾 吉考 | 0.40% |
SBIVenturesTwo 株式会社 | 0.40% |
企業概要
次に、同社の事業内容や直近の業績推移を確認していきましょう。
事業内容
トライアルホールディングスは、「リアルとIT・AIを融合し、お客様にとってより便利で楽しい買い物環境を構築する事」をミッションとして、流通・小売でリテールDXに挑戦しています。
DX(デジタルトランスフォーメーション)とは?
デジタル技術を社会に浸透させて人々の生活をより良いものへと変革すること。
特に、ビジネスではAI、IoT、ビッグデータなどのデジタル技術を用いた、業務フローの改善や新たなビジネスモデルの創出のことを指す。
同社の事業は、以下のように2つに分類することができます。
それぞれ見ていきましょう。
流通小売事業
流通小売事業では、「あなたの生活必需品」をコンセプトとしたディスカウントショップの運営をしており、同社の中核事業となっております。
同社が展開する流通小売市場はとても大きく、2021年時点で約150兆円となっています。
当社は流通小売業界には大きなロスがあると考え、リテールAI事業から得たデータを活用し約40兆円の改善ができると考えてるワン!
EDLP(Every Day Low Price)という価格戦略を掲げ、食品を軸とする多様な商品構成が特徴です。
九州を地盤とした店舗ネットワークで、日本全国 274店舗 を展開しています。
リテールAI事業
具体的にリテールDXとは何をやっているんだろう?
「テクノロジーによって、新時代のお買い物体験を生み出し、流通の仕組みを革新する」をビジョンとして、IoTデバイスを活用した各種ソリューションやソフトウェアサービスを提供しています。
その一例として、同社はセルフレジ付きショッピングカートを開発しました。
レジ待ちをなくすメリットやタブレットがメディアになる利点を活かし、来店頻度が11.0%、平均利用率が20.1%それぞれ増加しています。
また、スマートショッピングカートやAIカメラ等のIoTデバイスから得られるデータを蓄積し、分析に基づきムダを省く改革を行っています。
時代に合わせた戦略の推進を通じて、22期連続増収を達成しました。
決算情報
続いて同社の決算情報を見てみましょう。
新型コロナウイルス感染症拡大の長期化、ロシアによるウクライナ侵攻や経済制裁と報復の応酬に伴う歴史的な高インフレ等を背景に、今後の景気見通しに関して不透明な環境が続いています。
一方、小売業界においては、コストプッシュインフレの進行や電気料金の値上げ等により、生活必需品を中心に節約志向が強まっており、ディスカウントストアの需要が増加しています。
EDLP(Every Day Low Price)の価格戦略が功を奏したね!
今後は、流通小売事業では、全国展開する予定で、市場のニーズに応じた店舗開発に取り組んでいます。
リテールAI事業では、流通小売事業と連携を図りながら実店舗で実利用され、効果を生み出すことのできるプロダクトを開発しております。
2023年6月期の業績予想は、売上高が前年比11.4%増の6,658億円で、当期純利益も前年比13.1%増の80億円と会社予想がでており、今後さらなる成長ができそうです。
経営陣
同社の役員は9名おり、その中から抜粋で役員の経歴を紹介します。
代表取締役会長 永田 久男
1975年4月 あさひ屋入社
1981年7月 株式会社 あさひ屋 (現 株式会社トライアルカンパニー)代表取締役社長就任
2012年6月 株式会社トライアルカンパニー 代表取締役会長就任
2015年9月 当社代表取締役会長就任(現)
最後に、他の企業の上場スケジュールについて知りたい方は「IPOスケジュール」もご覧下さい。
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公式サイト:https://www.sbisec.co.jp/
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