今回はIPO企業の中から、4月26日に東証グロースに上場予定のRidge-i(5572)をご紹介します。(同日は「スタジアム」が上場予定です)
Ridge-iは、AI・ディープラーニングを活用したコンサルティングやソリューションを提供する企業です。
想定時価総額は60.7億円で、情報・通信業のIPOとなっています。
※上場後、企業様へインタビューを実施できた際に、企業からのメッセージを掲載致します。
Ridge-iのIPO基本情報
ここでは上場日や、いろはに投資独自の初値予想を見てみましょう。
上場日 | 4月26日(水) |
いろはに投資独自の初値予想 | B(1.3倍~1.5倍) ※想定価格1,600円から、2,080円~2,400円 |
企業Webサイト | https://ridge-i.com/ |
取り扱い証券 | SMBC日興証券(主幹事)、SBI証券、松井証券、 楽天証券 など |
主幹事はSMBC日興証券だよ!
Ridge-iのIPO日程と価格
IPOの日程と価格は次のようになっています。
※発表次第更新しています。
想定価格 | 1,600円 |
仮条件 | 1,600円〜1,750円 |
ブックビルディング期間 | 4月11日(火)~4月17日(月) |
当選発表日 | 4月18日(火) |
公開価格 | 1,750円 |
申込期間 | 4月19日(水)~4月24日(月) |
上場日 | 4月26日(水) |
初値 | 4,445円 |
初値は公開価格の2.54倍で決まったね!
Ridge-iのIPO初値予想
今後の成長が期待されるAIやディープラーニングを取り扱っている点で注目が集まります。
また、オファリングレシオが17.1%と低く、公募比率が55.8%と高いことはプラスの要因になります。
しかし、同時期の上場予定企業が多いことはマイナス要因になります。
これらの点から、IPO評価: B(予想レンジ1.3倍~1.5倍=2,080円~2,400円)と判断しました。
※IPO評価、初値予想は過去のデータを元に編集部が予想したものであり、結果を確約、投資を推奨するものではございません。
詳しい評価項目を知りたい方はこちら(クリックで開きます)
- 発行済み株式数:想定時価総額を計算。
- オファリングレシオ:小さい方が投資家からの人気が高い。市場に出回る株式数が少なくなることを意味するため。
- 公募割合:大きい方が投資家からの人気が高い。企業に資金が多く入ることを意味するため。
- 上場市場:グロースに上場する企業は人気が高くなりやすい。
- 事業のトレンド性:成長市場に位置し、トレンド性が高い企業は人気になりやすい。
- VC保有比率:VCが多くいる企業は事業のトレンド性が高く・成長企業であることが多いが、ロックアップがない場合はIPO後の需給が悪化しやすい
- 売上高成長率・経常利益率:大きい方が人気。過去の業績が良い。
- 前後2週間のIPO数:少ない方が投資家からの人気が高くなりやすい。
- 過去1ヶ月の日経平均リターン:高い方が人気。投資家心理に影響。
初値予想方法については、「【IPO初値予想】IPOの評価方法を初心者向けにやさしく解説!過去の事例も」の記事で解説しています。
また、IPO初値・騰落率結果一覧では直近のIPOデータを掲載しています。
Ridge-iの主幹事・幹事証券
同社のIPO株を取り扱う証券会社は、次のようになっています。
証券会社名 | 割当率 | 割当株数 |
---|---|---|
SMBC日興証券 (主幹事) | 91.32% | 620,600株 |
みずほ証券 | 2.60% | 17,700株 |
SBI証券 | 2.60% | 17,700株 |
極東証券 | 0.87% | 5,900株 |
水戸証券 | 0.87% | 5,900株 |
松井証券 | 0.87% | 5,900株 |
楽天証券 | 0.87% | 5,900株 |
大株主情報
大株主の状況は以下の通りで、筆頭株主の柳原 尚史氏は同社社長です。
第2位の株式会社柳原ホールディングスと合わせると、柳原氏が55%超を保有しています。
株主名 | 比率 |
---|---|
柳原 尚史 | 36.53% |
株式会社柳原ホールディングス | 18.94% |
株式会社バルカー | 11.28% |
小松 平佳 | 10.14% |
株式会社SMBC信託銀行(特定運用金外信託 未来創生2号ファンド) | 5.88% |
グローバル・ブレイン7号投資事業有限責任組合 | 3.74% |
オリックス株式会社 | 2.94% |
杉山 一成 | 2.25% |
株式会社荏原製作所 | 2.84% |
Ridge-iの業績情報
決算期 | 2018年12月 | 2019年7月 | 2020年7月 | 2021年7月 | 2022年7月 |
---|---|---|---|---|---|
売上高 | 276 | 218 | 354 | 419 | 968 |
成長率 | ー | -21.0% | +62.4% | +18.4% | +131.0% |
経常利益 | 55 | 23 | -162 | -147 | 109 |
成長率 | ー | -58.2% | ー | ー | ー |
経常利益率 | 19.9% | 10.6% | ー | ー | 11.3% |
当期純利益 | 41 | 14 | -163 | -148 | 150 |
成長率 | ー | -65.9% | ー | ー | ー |
EPS | 16.6 | 5.2 | -52.2 | -44.6 | 43.3 |
BPS | 15.0 | -33.4 | -85.6 | -120.2 | -76.9 |
※決算期変更により2019年7月期は7か月決算。
売上高は直近3年間は右肩上がりで推移 しており、22年7月期には過去最高を更新しています。
22年7月期は円安によるコスト上昇や生産性の低迷といった課題が認知される中で、AIコンサルにおける受託開発を中心に受注が拡大したため売上高が大幅に伸びています。
AIの市場規模が拡大していることからも成長が期待できるね!
また、自社サービス開発のための積極的な投資により増加していた売上原価が減少することにより、経常利益率が今後伸びることが期待されます。
実際に、23年7月期では第2四半期の時点で、経常利益率が19.1%と22年通期に比べて7.8ポイント増加しています。
Ridge-iの事業内容
同社はカスタムAIソリューション事業の単一セグメントで、顧客企業へのAI活用に向けたコンサルティング~開発・運用までのサービスを一気通貫で提供しています。
顧客企業は大手製造業が多くなっているんだワン!
また、同社はカスタムAIソリューション事業として3つのサービスを展開しています。
それぞれのサービスについて見ていきましょう。
AI活用コンサルティング・AI開発サービス
同サービスは、AI活用のニーズを持つ企業に対して目的・課題に合わせたコンサルティングや開発を行うビジネスであり、2022年7月期の売上高の92%を占めています。
顧客が定性的・定量的に効果を体感できるまで、一気通貫でサービスを提供しているんだね!
中でも実績として特徴的なのがマルチモーダルAIの開発です。
マルチモーダルAIとは
画像・音声といった様々なデータに対応したAIを組み合わせることで、人間の作業を再現するAIソリューションシステムにする技術。
ディープラーニングに加えて、感性の定量化を「感性評価AI」によって実現することで、人間の作業を置き換えることが可能になる。
以下はマルチモーダルAIの使用実績であり、「製造現場のベテランの知見や作業を再現したい」という顧客企業の課題に対し、複数のAI技術がソリューション提供に用いられています。
AIを組み合わせることで、より良いソリューションを提供しているんだね!
AIライセンス提供サービス
同サービスでは、顧客が位置する業界の共通ニーズを狙ったAIエンジンの利用ライセンスやプロダクトの提供を行っています。
顧客へのカスタマイズ開発で培ったAI技術やノウハウをもとにしてこのサービスは作られているんだね!
人工衛星データのAI解析サービス
同サービスでは、衛生データと地上データを組み合わせたデータを作成し、AIによる解析レポートを提供しています。
同社はこのサービスにより自然災害や社会活動などの環境リスクを可視化し、ビジネスニーズやSDGs活動に貢献することを目指しています。
さらに今後は官公庁と民間へのアプローチの両輪でサービスを展開していくんだワン!
そして、同社は中長期戦略として以下の4つを掲げています。
- ストック収益の拡大に向けたアクション
- コンサルティンファームとの連携による大規模な事業共創案件の獲得
- 次世代AIの進化を見据えた研究開発
- 人工衛星データの解析AIでの国内No.1ポジションの確立とグローバル展開
このような戦略により企業が蓄積してきた知見やノウハウを活用し、AIを用いた新たな事業展開を目指しています。
今後は4つ目の宇宙関連ビジネスに特に力を入れていくみたいだね!
直近IPOの初期予想と騰落結果
直近3月にIPOした企業の初値予想と結果は以下の通りです。
企業名 | 上場日 | 初値予想 | 初値騰落結果 |
---|---|---|---|
カバー | 3/27 | S(1.7倍超) | 2.33倍 |
日本ナレッジ | 3/23 | A(1.5~1.7倍) | 2.50倍 |
ハルメクホールディングス | 3/23 | A(1.5~1.7倍) | 1.15倍 |
アイビス | 3/23 | A(1.5~1.7倍) | 2.91倍 |
SHINKO | 3/22 | D(1.0倍以下) | 1.02倍 |
シリコンバレーバンクやクレディスイス問題などで株式市場は混乱している中、直近のIPOは堅調に推移しています。
最後に、他の企業の上場スケジュールについて知りたい方は「IPOスケジュール」もご覧下さい。
IPO投資におすすめのネット証券3選
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主幹事になることが多いので、IPOの割当率が高い証券会社です。