今回はIPO企業の中から、4月20日に東証スタンダードに上場予定の南海化学(4040)をご紹介します。
南海化学は、化学工業薬品や農薬、医薬部外品、食品添加物、塩の製造・販売を行う企業です。
想定時価総額は38.7億円で、化学(業種)のIPOとなっています。
※上場後、企業様へインタビューを実施できた際に、企業からのメッセージを掲載致します。
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IPO概要・初値予想
まず、南海化学の初値予想やIPO概要など、次の4つについて解説していきます。
同社を購入検討している方は、ご確認ください。
IPO評価・初値予想
上場時の時価総額は小さく、割安感が感じられます。
時価総額から見た吸収金額は大きいですが、売出しは自己株式の放出だけで、公募比率は95%と高い水準になっている点は初値にプラスでしょう。
一方で珍しい「化学」のIPOで、人気の出にくいスタンダード市場へ上場します。
上場予定企業が多くなっている点もネックです。
これらの点から、IPO評価: C(予想レンジ1.0倍~1.3倍)と判断しました。
※IPO評価、初値予想は過去のデータを元に編集部が予想したものであり、結果を確約、投資を推奨するものではございません。
詳しい評価項目を知りたい方はこちら(クリックで開きます)
- 発行済み株式数:想定時価総額を計算。
- オファリングレシオ:小さい方が投資家からの人気が高い。市場に出回る株式数が少なくなることを意味するため。
- 公募割合:大きい方が投資家からの人気が高い。企業に資金が多く入ることを意味するため。
- 上場市場:グロースに上場する企業は人気が高くなりやすい。
- 事業のトレンド性:成長市場に位置し、トレンド性が高い企業は人気になりやすい。
- VC保有比率:VCが多くいる企業は事業のトレンド性が高く・成長企業であることが多いが、ロックアップがない場合はIPO後の需給が悪化しやすい
- 売上高成長率・経常利益率:大きい方が人気。過去の業績が良い。
- 前後2週間のIPO数:少ない方が投資家からの人気が高くなりやすい。
- 過去1ヶ月の日経平均リターン:高い方が人気。投資家心理に影響。
初値予想の方法についはコチラ
取り扱い証券
同社のIPO株を取り扱う証券会社は、次のようになっています。
証券会社名 | 割当率 | 割当株数 |
---|---|---|
SMBC日興証券(主) | 91.36% | 658,000株 |
野村證券 | 2.60% | 18,700株 |
SBI証券 | 1.74% | 12,500株 |
楽天証券 | 0.86% | 6,200株 |
松井証券 | 0.86% | 6,200株 |
岩井コスモ証券 | 0.86% | 6,200株 |
岡三証券 | 0.86% | 6,200株 |
マネックス証券 | 0.43% | 3,100株 |
あかつき証券 | 0.43% | 3,100株 |
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日程・価格
IPOの日程は次のようになっています。
ブックビルディング期間 | 4月5日(水)~4月11日(火) |
当選発表日 | 4月12日(水) |
申込期間 | 4月13日(木)~4月18日(火) |
上場日 | 4月20日(木) |
続いて、価格は以下のようになります。
仮条件 | 1,660~1,740円 |
公開価格 | 1,740円 |
初値 | 2,533円 |
過去IPO企業の初値や騰落率についてはコチラ
大株主
株主名 | 比率 |
---|---|
南海化学従業員持株会 | 5.59% |
東亞合成株式会社 | 5.15% |
ソーダニッカ株式会社 | 4.63% |
土居 弘子 | 4.28% |
大中物産株式会社 | 4.01% |
不動恒産株式会社 | 3.88% |
根岸運送株式会社 | 3.68% |
尼崎製罐株式会社 | 3.64% |
協和商事株式会社 | 3.46% |
株式会社紀陽銀行 | 2.94% |
企業概要
次に、同社の事業内容や直近の業績推移を確認していきましょう。
事業内容
南海化学は、1906年に創業され100年超の歴史をもつ化学品メーカーです。
元々は中山製鋼所グループ(5408)の一部でしたが、10年前にMBOが実施され、今回再び株式市場に戻ってきました。
同社は、「化学品事業を通じて地球環境と豊かな社会の創生に貢献する」という企業理念のもと、5つの事業分野・8つの事業領域を展開しています。
事業セグメントは「化学品事業」と「各種塩事業」の2つに分かれているワン!
同社グループは11の事業拠点に8つのグループ会社を有しており、中には中国と海外の連結子会社から原材料の仕入れなどを行っています。
この記事では、同社の事業を2つの事業セグメント・5つの事業分野で解説していきます。
化学品事業
化学品事業では、4つの事業分野で化学品製造・販売を行っています。
- 基礎化学品事業
塩水の電気分解により生成される苛性ソーダを中心に、塩素や水素を活用した各種製品を製造・販売しています。
有機・無機系の豊富な塩素系殺菌・消毒剤は、浄水場や子供たちが遊ぶプール水の衛生管理など、全国で広く貢献しています。
- 機能化学品事業
食品添加物やグルコサミンなどの健康食品の製造・販売を行っています。
また、培ってきた技術やノウハウを活かし、顧客のニーズに合わせたオーダーメイド対応可能な医薬・農薬・電子材料などの中間体の製造・販売も行っています。
受託製造もやっているんだね!
- アグリ事業
農薬の一種である土壌殺菌剤として使用されているクロルピクリンの製造・販売を行っています。
農作物の分野で長く使われてきた農薬の一つだワン!
- 環境リサイクル事業
石油精製業者などの廃硫酸供給業者から廃硫酸を引き取って、硫酸を精製して各種メーカーに販売しています。
実際にこの事業を行っているのは、連結子会社のエヌシー環境株式会社だよ!
各種塩事業
各種塩事業での事業分野は、ひとつだけとなっています。
- 各種塩事業
塩の製造や加工、販売に関する事業や、塩に関する製品の輸出入を行っています。
塩には、調味料の役目のほか、有害な細菌類を死滅させたり増殖を抑える働きがあり、防腐効果をもたらしてくれます。
使用用途として、凍結防止剤や土壌処理、ボイラー、飼料、皮革と幅広く使われています。
こちらも実際に事業を行っているのは、連結子会社の株式会社エヌエムソルトだよ!
決算情報
続いて同社の決算情報を見てみましょう。
売上高はとても安定的に推移しており、2023年3月期第3四半期も好調です。
理由として、農薬の駆け込み需要増加に伴って出荷が増加した上、殺菌剤の増産による販売の増加したことがあげられます。
2023年3月期においては、原材料価格や物流費の高騰へ対応するため商品価格の改定を行い、長期的に安定した収益基盤の強化を進めています。
利益を見てみると赤字に転落した年もありますが、2020年からは利益が拡大し続けているようにも見えます。
参考までに、財務諸表から計算した指標は次のようになっています。
指標 | 2022年3月期時点 |
---|---|
調整後EPS | 198.3円 |
調整後BPS | 2,397.4円 |
調整後PER | 8.4倍 |
調整後PBR | 0.7倍 |
調整後PSR | 0.2倍 |
想定発行価格での計算だとPBR1倍割れちゃってるね…
そんな同社ですが、基幹となる化学技術をベースに環境を軸としたビジネスの拡大を目指しています。
実際の取り組みとして、次のようなことを掲げています。
- 既存ビジネスの事業基盤拡大
・工場立地を活かした取引の維持・強化
・既存製品の抜本的なコスト低減技術・安定製造化技術の開発
・ニッチ市場に特化した事業の強化・新製品開発 - 環境を軸としたビジネスの深化と拡大
・廃硫酸・硫酸リサイクル領域への拡大に向けた新技術導入のための研究開発
・脱塩素セメント原料リサイクル事業の開始
・次世代電池領域でのリサイクルのための研究開発
経営陣
同社の役員は9名(うち1名女性)おり、その中から抜粋で役員の経歴を紹介します。
代表取締役社長執行役員 菅野 秀夫
1981年4月 三菱商事㈱入社
2016年6月 同社入社 取締役執行役員 企画部長
2017年4月 同社代表取締役社長執行役員(現任)
2017年4月 如皋市四友合成化工有限公司董事長(現任)
2017年4月 如皋南海水処理剤有限公司董事長(現任)
2017年4月 如皋新南海国際貿易有限公司董事長(現任)
最後に、他の企業の上場スケジュールについて知りたい方は「IPOスケジュール」もご覧下さい。
IPO投資をするなら開いておきたい証券口座
- SBI証券
公式サイト:https://www.sbisec.co.jp/
2021年のIPO取扱数No.1。IPO投資をするなら必ず持っておきたい証券会社です。 - マネックス証券
公式サイト:https://www.monex.co.jp/
IPOが完全平等抽選制なので、初めてのIPO投資でも平等に抽選に参加できます。 - SMBC日興証券
公式サイト:https://www.smbcnikko.co.jp/
主幹事になることが多いので、IPOの割当率が高い証券会社です。
※本記事は2023年4月20日時点の情報を元に作成されています。
※本記事内で紹介されている意見は個人的なものであり、記事の作成者その他紹介企業等の意見を代表するものではありません。
※本記事は情報提供を目的としており、特定の商品や手法を推奨するものではありません。投資に関する意志決定はご自身の判断にてお願い致します。