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GENOVA[ジェノバ](9341)【IPOインタビュー・上場企業紹介・初値予想】

今回は12月23日に東証グロースに上場予定のGENOVA(9341)をご紹介します。
(同日は「アソインターナショナル」が上場予定です)

GENOVAは、メディカルプラットフォーム事業及びスマートクリニック事業といった医療機関や患者へのサービス提供を行っている企業です。

想定時価総額は267.6億円で、東証グロースに上場します。

SBI証券が主幹事を務める中型のIPO案件となっています。

企業からのメッセージ

1月10日(火)、株式会社GENOVAの武田 CFO新谷 執行役員にインタビューを実施しました。

インタビューでは上場後の戦略やIPOの目的、個人投資家へのメッセージなどを伺いました。

初値と上場後の株価推移について

準備の段階で多くの機関投資家の皆様との対話を重ね、フェアバリューに関しては良い値がついたと思っています。

また、中規模のIPOということで、急激な株価の変動は予想していませんでした。

しかし公募割れしてしまったことに関しては、個人投資家の皆様に不安を与えてしまっていることと思います。

我々としてはしっかり業績を上げて、マーケットからの信頼を得られるようIR活動に注力していく所存です。

2023年3月期は売上高前期比33%増、営業利益53%増の予想だワン!

創業の経緯

どういった経緯で創業されたんだろう?

平瀬(代表取締役)が会社設立前に渡米し、Googleなどの先進的なIT企業が台頭してきたweb2.0の勃興期に大きく刺激を受けたのがきっかけです。

帰国して、はじめはホームページ制作からスタートいたしました。

しばらくWeb制作事業をやっていたのですが、医療機関に特化するようになります。

その中で、2017年から医療メディア「Medical DOC」を中心としたメディカルプラットフォーム事業と自動受付精算機「NOMOCa」などのスマートクリニック事業を立ち上げました。

IPOまでの道のり

創業して18年たっており、上場にむけて大きく体制を変更する必要がありました。

なかでも業績などの数字はかなり構築できていたので、内部管理体制を整えるところに注力してきました。

特に倫理的なところや、約300名近い従業員の労務管理などに苦労したのを覚えています。

上場の目的

医療業界は、信用が非常に大事になってくる業界です。

ここからさらに成長を加速させていくうえで、様々な企業様とのアライアンスも進めていく必要があります。

そこで、上場している企業とそうでない企業では大きく異なってきます。

また、厳しい市況ではありますが資本市場から機動的に資金調達をしていきたいと考えていました。

当社の場合はある程度の利益を確保しており成長も続けている実績もあるため、一定のバリュエーションはいただけると思い、上場に至りました。

株主への還元

まずは、当社の売上・利益の最大化を目指して、事業投資や人的投資に資金を回していきます。

グロース市場にて成長する過程では、まずは内部留保を積み上げていきます。

安定的な利益成長が達成できてから、株主還元を行いたいと考えています。

今後の注目点

メディカル領域では、投資を積極的に行い利益が赤字になっている企業が少なくありません。

しかし、当社は売上と利益がしっかりと成長しており、そこに注目いただければ嬉しく思います。

利益率も20%以上と高い水準で推移しているよ!

一人当たりの生産性も向上しており、このペースを維持していけると考えています。

教育の時間も年々短縮しており、非常に良い環境ができています。

メディカルプラットフォーム領域における医療メディアでは、メディア資産が非常に大きいと思っています。

PV数と利用者数は年々増えてきておりますので、ユーザーを資産に事業を展開していきます。

健康や病気に関して、当社メディアを起点に様々な利用者の皆様の課題を解決できるようプラットフォーム化を進めていきます。

スマートクリニック領域においては、当社の自動受付精算機を様々な医院やクリニックで導入いただき、多くの利用者の方々にご活用いただいています。

これからも、会計DXなどの新たな国の取組を支援していくサービスを行っていければと思います。

また新サービスを打ち出した際も、これまでの接点をもとに素早く浸透させていくことができると考えています。

投資家へのメッセージ

まだ上場して日が浅いですが、定期的な情報開示を適切に行っていこうと考えております。

当社のことを知っていただき、世のため人のためにサービス開発を行っていきます。

投資家の皆様には長い目で、暖かく応援していただければと思います。

GENOVA ミッション
出典:HP

IPO概要・初値予想

IPO概要・初値予想

まず、GENOVAの初値予想、およびIPO概要について以下の4つを解説していきます。

同社を購入検討している方は、ご確認ください。

IPO評価・初値予想

GENOVA IPO評価

プラットフォーム事業や、CRMサービスの提供を行っている事業内容が魅力的なIPOテーマだと考えられます。

また、オファリングレシオが低いため初値の上昇に期待できそうです。

一方で、公募割合が低いことが初値にマイナスの影響を与えると考えられます。

これらの点から、IPO評価: B(予想レンジ1.3倍~1.5倍)と判断しました。

※IPO評価、初値予想は過去のデータを元に編集部が予想したものであり、結果を確約、投資を推奨するものではございません。

初値予想アンケート

想定価格:1,760円

詳しい評価項目を知りたい方はこちら(クリックで開きます)
  • 発行済み株式数:想定時価総額を計算。
  • オファリングレシオ:小さい方が投資家からの人気が高い。市場に出回る株式数が少なくなることを意味するため。
  • 公募割合:大きい方が投資家からの人気が高い。企業に資金が多く入ることを意味するため。
  • 上場市場:グロースに上場する企業は人気が高くなりやすい。
  • 事業のトレンド性:成長市場に位置し、トレンド性が高い企業は人気になりやすい。
  • VC保有比率:VCが多くいる企業は事業のトレンド性が高く・成長企業であることが多いが、ロックアップがない場合はIPO後の需給が悪化しやすい
  • 売上高成長率・経常利益率:大きい方が人気。過去の業績が良い。
  • 前後2週間のIPO数:少ない方が投資家からの人気が高くなりやすい。
  • 過去1ヶ月の日経平均リターン:高い方が人気。投資家心理に影響。

初値予想の方法については、「【IPO初値予想】IPOの評価方法を初心者向けにやさしく解説!過去の事例も」の記事をご覧ください。

取り扱い証券

同社のIPO株を取り扱う証券会社は以下の通りです。

証券会社名割当率割当株数
SBI証券(主)86.98%3,047,800株
クレディ・スイス証券8.69%304,600株
野村證券1.74%60,900株
SMBC日興証券0.52%18,200株
大和証券 0.52%18,200株
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 0.52%18,200株
あかつき証券0.17%6,000株
岡三証券0.17%6,000株
東海東京証券0.17%6,000株
楽天証券0.17%6,000株
松井証券0.17%6,000株
マネックス証券0.17%6,000株
割当率は12月14日(水)発表予定

\ IPO取扱数No.1証券はこちら!/

どの証券会社が良いのか詳しく知りたい方は「IPO投資におすすめの証券会社ランキング」をご覧ください!

日程・価格

IPOの日程は以下のようになっています。

ブックビルディング期間12月7日(水)~12月13日(火)
当選発表日12月14日(水)
申込期間12月15日(木)~12月20日(火)
上場日12月23日(金)

続いて、価格は以下のようになります。

仮条件1,640円 ~ 1,800円
公開価格1,800円
初値 1,760円

IPO企業の初値や騰落率に関しては、「IPO初値・騰落率結果【2022年】」をご覧ください。

大株主

株主の状況は以下のようになっています。

株主名比率
平瀬 智樹48.21%
GENOVA 従業員持株会12.74%
株式会社平瀬商店7.79%
ドコモ・イノベーションファンド投資事業組合4.68%
タイムズイノベーションキャピタル合同会社3.74%
提橋 由幾2.41%
青山 圭秀2.34%
石田 克史2.34%
株式会社クレディセゾン1.99%
株式会社LEOC1.40%

企業概要

IPO_企業概要

事業内容

GENOVAは「ヒトと医療をつないで健康な社会を創る」をミッションに掲げ、医療機関現場におけるサービスの開発や提供を行なっている企業です。

具体的な事業内容が知りたいな。

同社は、以下の2つの事業を展開しています。

  • メディカルプラットフォーム事業
  • スマートクリニック事業

各事業の特徴と主要サービスを見ていきましょう。

メディカルプラットフォーム事業

メディカルプラットフォーム事業では、近年の高齢化に伴う持続的な健康意識の高まりを受け、正しい予防情報や健康知識を求める人々への医療情報の提供を目的としています。

Medical DOC(メディカルドック)」という自社医療メディアを主力商品とし、利用者の不安の解消を目指しています。

GENOVA Medicl DOC
同社HPより

具体的にどんなメディアなの?

医師が監修する医療情報記事の掲載や、身近な健康問題への関心を高める啓蒙コンテンツとして、著名人による闘病体験記事、未病への取組記事等を配信しています。

メディカルプラットフォーム事業の主な収益源は、こうした有料記事制作の請け負いです。

また、様々な健康情報を調べた利用者が、近くの病院を簡単に探すことができるように、地域や診療科目といった区分で容易に検索できるような機能の提供もおこなっています。

オンライン診療・相談サービスも魅力的ですね。

GENOVA オンライン診療
同社HPより

医療メディアは月間約730万PVであり、有用なサービスとなっているワン!

スマートクリニック事業

スマートクリニック事業では、医療機関現場における診療行為以外の利便性向上や効率化につながるサービスの開発及び提供を目的にしています。

主要サービスとして、以下の2つをご紹介します。

  • NOMOCa(ノモカ):業務効率化サービス
  • CLINIC BOT:LINEを使ったCRMサービス

①NOMOCa(ノモカ):業務効率化サービス

スマートクリニック事業の主力サービスであるNOMOCa-Stand(ノモカスタンド)は医療機関(無床診療所)向けスマート簡易自動精算機・再来受付機です。

GENOVA NOMOCa
同社HPより

電子カルテとの連携など、レセプトコンピュータ(診療報酬を請求するために「レセプト(診療報酬明細書)」を作成するコンピューターシステム)との連携が可能な仕組みになっています。

そしてNOMOCa-Regi(ノモカレジ)は患者自らお金を投入し、窓口会計速度の向上と会計ミスの防止に役立つ、医療機関専門の自動会計釣銭機です。

医療機関に特化した設計が特徴で、少子高齢化により医療機関における働き手の確保が難しくなるなか、医療機関における受付業務の省力化、効率化を実現するためのサービスとして展開しています。

最近では、自動会計機が設置されている病院が増えてきて快適だよね!

②CLINIC BOT:LINEを使ったCRMサービス

同社グループは、LINEを使ったCRMサービスを医療機関に提供しています。

GENOVA CLINIC BOT
同社HPより

CLINIC BOTを導入することにより、医療機関は患者に対してターゲティングした情報配信が行えるようになり、患者はLINEを通じた医療機関への問い合わせが可能になります。

さらに、患者がLINE上から診療予約を行うことや、LINEを通じて診察券の機能を付加することができるようになるなど、医療機関と患者とのコミュニケーションを円滑にするサービスを提供しています。

LINEを使って病院が予約できるのはとても便利だね!

同社の事業系統図は以下の通りです。

決算情報

続いて、同社の決算情報を見ていきましょう。

売上高は2022年11月期も前年を超える期待ができそうです。

メディカルプラットフォーム事業、スマートクリニック事業の契約件数が順調に増加していることが要因となっています。

特に、当期のスマートクリニック事業の契約件数は第2四半期終了時点で347件(前期は472件)と、更なる増加が期待できそうです。

サービス提供を受けている顧客がおよそ0.5万件であるのに対し、ターゲット層(潜在顧客)を約17.1万医院と見積もっています。

同社は、今後も契約件数増加に注力していくとのことです。

医療機関の業務負荷軽減のニーズが加速しているワン!

2022年度11月期通期の純利益についても、増益が期待できそうです。

売上高の増加だけではなく、主に原価率の改善(前期比0.8ポイント減)などによる営業利益率の改善が見込まれています。

同社が開示している事業の進捗を図る重要な経営指標は以下の通りになっています。

2021年3月期2022年3月期2023年3月期 2Q
売上高(千円)3,768,6674,802,0572,916,323
営業利益(千円)799,0501,054,676695,964
売上高成長率(%)47.827.4
営業利益率(%)21.222.023.9
メディカルプラットフォーム事業の契約件数(件)1,6032,2331,338
スマートクリニック事業の契約件数(件)398472347
目論見書より

当期の売上高、契約件数の成長にも期待だワン!

株価の算定に使われる主要指標については以下の通りです。

項目数値
調整後BPS(円)158.2
調整後PER(倍)42.8
調整後PBR(倍)11.1
調整後PSR(倍)6.1
各数値は、最新の通期決算数値をもとに、想定発行価格を2,920円とし、IPOによる新規発行株式数と調達資金の手取概算額を考慮して計算しています。

経営陣

同社の役員は12名(うち女性1名)おり、その中から抜粋で役員の経歴を紹介します。

代表取締役社長 平瀬 智樹

1997年12月 株式会社テレウェイヴ入社
2000年4月 テレウェイヴリンクス取締役
2001年6月 同社常務取締役
2005年7月 当社設立、当社代表取締役社長(現任)
2013年4月 株式会社横浜フリエスポーツクラブ社外取締役
2021年8月 一般財団法人日本スウェーデン歯科学会理事(現任)

最後に、他の企業の上場スケジュールについて知りたい方は、「IPOスケジュール【2022年】」をご覧ください。

IPO投資をするなら開いておきたい証券口座

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※本記事は2022年12月2日時点の情報を元に作成されています。
※本記事内で紹介されている意見は個人的なものであり、記事の作成者その他紹介企業等の意見を代表するものではありません。
※本記事は情報提供を目的としており、特定の商品や手法を推奨するものではありません。投資に関する意志決定はご自身の判断にてお願い致します。


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