今回はIPO企業の中から、12月26日に東証スタンダードに上場予定のアルファパーチェス(7115)をご紹介します。(同日は「ダイワ通信」が上場予定です)
株式会社アルファパーチェスは、MRO(オフィス用備品、設備メンテナンス)の調達業務や店舗・施設管理を効率化する企業です。
想定時価総額は78.8億円で、卸売業のIPOとなっています。
上場後、企業様へインタビューを実施できた際に、企業からのメッセージを掲載致します。
いろはに投資のTwitterフォロー、LINE公式アカウントを登録しておいて欲しいワン!
IPO概要・初値予想
まず、アルファパーチェスの初値予想およびIPO概要について、次の4つを解説していきます。
同社を購入検討している方は、ご確認ください。
IPO評価・初値予想
ここ数年の業績は、売上高は横ばい、経常利益は小幅な成長といった状況です。
時価総額は100億以下と小型のIPOとなっており、吸収金額も少なく、初値にはプラスの影響です。
しかし、初値が上がりづらいスタンダード市場への上場になります。
卸売業はIPOとして人気のあるテーマとは言えず、また上場日の前後に多くの企業がIPOを控えているため、買いが集まりにくいと予想しています。
これらの点から、IPO評価: D(予想レンジ1.0倍以下)と判断しました。
※IPO評価、初値予想は過去のデータを元に編集部が予想したものであり、結果を確約、投資を推奨するものではございません。
詳しい評価項目を知りたい方はこちら(クリックで開きます)
- 発行済み株式数:想定時価総額を計算。
- オファリングレシオ:小さい方が投資家からの人気が高い。市場に出回る株式数が少なくなることを意味するため。
- 公募割合:大きい方が投資家からの人気が高い。企業に資金が多く入ることを意味するため。
- 上場市場:グロースに上場する企業は人気が高くなりやすい。
- 事業のトレンド性:成長市場に位置し、トレンド性が高い企業は人気になりやすい。
- VC保有比率:VCが多くいる企業は事業のトレンド性が高く・成長企業であることが多いが、ロックアップがない場合はIPO後の需給が悪化しやすい
- 売上高成長率・経常利益率:大きい方が人気。過去の業績が良い。
- 前後2週間のIPO数:少ない方が投資家からの人気が高くなりやすい。
- 過去1ヶ月の日経平均リターン:高い方が人気。投資家心理に影響。
初値予想の方法については、「【IPO初値予想】IPOの評価方法を初心者向けにやさしく解説!過去の事例も」の記事をご覧ください。
取り扱い証券
同社のIPO株を取り扱う証券会社は、次のようになっています。
\主幹事証券で申し込もう/
日程・価格
IPOの日程は次のようになっています。
ブックビルディング期間 | 12月9日(金)~12月15日(木) |
当選発表日 | 12月16日(金) |
申込期間 | 12月19日(月)~12月22日(木) |
上場日 | 12月26日(月) |
続いて、価格は以下のようになります。
仮条件 | 850円~880円 |
公開価格 | 880円 |
初値 | 869円 |
IPO企業の初値や騰落率に関しては、「IPO初値・騰落率結果【2022年】」をご覧ください。
大株主
株主の状況は次のようになっています。
株主名 | 比率 |
---|---|
アスクル株式会社 | 75.06% |
アズワン株式会社 | 8.91% |
多田 雅之 | 3.81% |
田邉 孝夫 | 1.90% |
中川特殊鋼MROパートナーズ投資事業組合 | 1.49% |
齋藤 正弘 | 1.08% |
新日本実業株式会社 | 0.75% |
佐藤 徳久 | 0.61% |
松木 伸男 | 0.51% |
土屋 亙 | 0.49% |
企業概要
事業内容
アルファパーチェスは、「MROを中心とする包括的な商品とサービスを提供することを通じ、サプライヤー、そしてパートナーとともに、お客様の価値の創造と間接コストの削減を実現し、日本の産業の変革と再活性化に貢献する」という理念に基づいて事業を展開しています。
間接材購買とファシリティマネジメントにおいて、業務効率化を手掛けています。
具体的にどんな事業なの?
同社が展開する事業は、主に以下の3種類になります。
- MRO (Maintenance, Repair and Operation)
間接材の販売事業 - CFM (Construction and Facility Management)
商業施設の建築資材・設備の購買管理事業 - FM (Facility Management)
商業施設の維持管理支援事業
それぞれ詳しく見ていきましょう。
MRO
MRO事業は、ITを活用した間接材の販売事業です。
間接材の電子購買システムの提供や購入代行により、顧客の購買コスト削減やガバナンス強化を実現します。
オフィス用備品や設備の修理サービスなど、ロングテール(多商品・少量・少額)型商品の購買を効率化しているよ!
顧客企業グループ全体とMRO商品提供者をITシステムで結び、業界全体のDXを促進しているワン!
CFM
CFM事業では、建材・什器備品の購買管理や、仕様の変更・更新の購買履歴管理を行っています。
また、商業施設の改装・機能更新・修理を適切なタイミングで行うことで、機会損失削減にも貢献しています。
商業施設の企画・開発・建設から開店・改装・閉店まで各フェーズで発生するコストを最適化しているよ!
FM
FM事業では、商業施設の保守点検からトラブル対応まで、幅広く施設の運営管理をサポートしています。
コンビニエンスストアや賃貸アパート、専門店、レストラン、コインパーキング、ホテル等、対応する施設は非常に多岐にわたります。
また、具体的な業務内容は以下のとおりです。
実に多くの施設管理サービスを提供しているワン!
決算情報
続いて同社の決算情報を見てみましょう。
売上高や資産額はやや上昇と言えるでしょう。
同社がビジネスを展開するMRO市場は成長市場ながら、近年寡占が進んでいます。
過去株価が100倍になったMonotaROや、AMAZON BUSINESSといったサービスが存在感を強めています。
同社が上場により知名度を高め、MRO領域で成長できるかに期待です。
なお、新規発行による手取金の使途はMRO領域への投資が主となっています。
MRO領域でのシェア拡大がポイントだワン!
利益面は横ばい・微増といった傾向です。
営業利益はMRO事業が約8割、FM事業が約2割といった状況になっています。
また同社は配当を出しており、今後の配当性向は30%を目安とするようです。
IPO企業で配当を出しているのは珍しいね!
株価の算定に使われる主要指標については以下の通りです。
項目 | 数値 |
---|---|
調整後BPS(円) | 454.1 |
調整後PER(倍) | 15.9 |
調整後PBR(倍) | 1.9 |
調整後PSR(倍) | 0.2 |
卸売業の平均PERも15倍程度だから、妥当感のある株価と言えるワン!
経営陣
同社の役員は8名(うち3名女性)おり、その中から抜粋で役員の経歴を紹介します。
代表取締役社長 多田 雅之
1985年4月 日本鋼管株式会社入社
1995年7月 National Steel Corporation(現UnitedStates Steel Corporation)経営企画マネージャー(現地出向)
2002年1月 当社入社
2004年1月 当社 執行役員兼営業本部長
2006年2月 当社 執行役員兼副社長
2006年3月 当社 代表取締役 社長 兼 CEO(現任)
2012年4月 愛抜愜斯(上海)貿易有限公司 董事長
2018年3月 愛抜愜斯(上海)貿易有限公司 董事
2019年7月 愛富思(大連)科技有限公司 董事(現任)
最後に、他の企業の上場スケジュールについて知りたい方は「IPOスケジュール【2022年】」もご覧下さい。
IPO投資をするなら開いておきたい証券口座
- SBI証券
公式サイト:https://www.sbisec.co.jp/
2021年のIPO取扱数No.1。IPO投資をするなら必ず持っておきたい証券会社です。 - マネックス証券
公式サイト:https://www.monex.co.jp/
IPOが完全平等抽選制なので、初めてのIPO投資でも平等に抽選に参加できます。 - SMBC日興証券
公式サイト:https://www.smbcnikko.co.jp/
主幹事になることが多いので、IPOの割当率が高い証券会社です。
※本記事は2022年12月5日時点の情報を元に作成されています。
※本記事内で紹介されている意見は個人的なものであり、記事の作成者その他紹介企業等の意見を代表するものではありません。
※本記事は情報提供を目的としており、特定の商品や手法を推奨するものではありません。投資に関する意志決定はご自身の判断にてお願い致します。