今月はどんな企業が新規上場するんだろう?
2021年4月には計12社の企業が新規上場を予定しています。
4月のIPO企業一覧
(株)オキサイド:4月5日 上場予定
(株)セルム:4月6日 上場予定
表示灯(株):4月7日 上場予定
(株)ファブリカコミュニケーションズ:4月7日 上場予定
(株)アイスコ:4月8日 上場予定
(株)紀文食品:4月13日 上場予定
サイバートラスト(株):4月15日 上場予定
ステラファーマ(株):4月22日 上場予定
(株)ネオマーケティング:4月22日 上場予定
ビジョナル(株):4月22日 上場予定
(株)ディマージシェア:4月23日 上場予定
テスホールディングス(株):4月27日 上場予定
今回はその中から厳選した3社をご紹介致します。
4月の注目IPO3選
いろはに投資では以下の3つの選定基準を総合的に勘案し、注目企業を選出しました。
- 事業内容:社会ニーズの変化に沿う事業内容か。イノベーティブな事業内容か。
- 成長性:上場後も大きな成長が期待できるか。
- 経営陣:社長を始めとした経営陣の経歴や事業にかける思いなど。
その結果、今月の注目IPO企業は以下の3社となりました。(証券コード順)
- ファブリカコミュニケーションズ(JQスタンダード:4193)
中古車販売業務支援クラウドサービス「symphony(シンフォニー)」、SMS配信プラットフォーム「メディアSMS」などのインターネットサービス事業 - ビジョナル(マザーズ:4194)
プロフェッショナル人材に特化した会員制転職プラットフォーム「ビズリーチ」、人財活用プラットフォーム「HRMOS(ハーモス)」の運営など - サイバートラスト(マザーズ:4498)
認証・セキュリティ、セキュアIoTプラットフォームなどのトラストサービス事業
「ビズリーチ」は聞いたことある!
また、各社のIPOスケジュールは以下の通りとなります。
企業名 | 申込期間 | 当落発表日 | 購入期間 | 上場予定日 |
---|---|---|---|---|
ファブリカコミュニケーションズ | 3/23-3/29 | 3/30 | 3/31-4/5 | 4/7 |
ビジョナル | 4/6-4/9 | 4/12 | 4/13-4/16 | 4/22 |
サイバートラスト | 3/31-4/5 | 4/6 | 4/7-4/12 | 4/15 |
それでは、各社の概要を見ていきましょう!
※各社HP、上場申請のための有価証券報告書(Ⅰの部)を参考に作成しています。
ファブリカコミュニケーションズ(JQスタンダード:4193)
どんなことをやっている企業なんだろう?
ファブリカコミュニケーションズは1992年9月に現社長の谷口政人氏と現副社長の近藤智司氏が自動車鈑金塗装業として創業した会社です。
「ファブリカコミュニケーションズ」という社名になったのは2005年のことで、創業から蓄積してきた自動車アフターマーケットに関するノウハウを活かした様々なITサービスを開発・提供しています。
また、自動車以外でも動画配信サービスやSMS配信事業など、インターネットを活用した新たな事業創出もしてきました。
事業内容
以下の4セグメントを展開しています。
- U-CARソリューショングループ
中古車販売業務支援クラウドサービス「symphony」を全国の自動車販売店に提供し、定期的に利用料を得るSaaSモデルのビジネスです。 - SMSソリューショングループ
子会社の株式会社メディア4uが展開していて、法人向けのSMS送信サービス(電話番号宛てのテキストメッセージ)をメイン事業としています。 - インターネットサービスグループ
- オートサービスグループ
経営戦略
自動車業界ではMaaSやCASEの進展で自動車アフターマーケット事業者にもDX化による新たなプレーヤーの出現が相次いでいます。
同社はこの変化を“好機”と捉え、人口減少の中でも増え続ける国内の自動車保有台数(約7,800万台)のユーザーが求める“車の所有”に掛かる維持費の削減と利便性の向上を兼ね備えた新たなライフデータプラットフォーム事業を展開し始めました。
IPO情報
公募株数 | 10万株 | |
売出株数 | 41万1,500株 | |
公募価格 | 6,000円 |
IPO取扱証券会社
東海東京証券(主)、SBI証券、楽天証券、マネックス証券、松井証券など
同社についてより詳しく知りたい方は、以下の分析記事をお読みください!
ビジョナル(マザーズ:4194)
ビジョナルは2020年2月3日に株式移転により、株式会社ビズリーチの完全親会社として設立されました。
株式会社ビズリーチは2007年8月に現社長の南壮一郎氏によって設立され、2009年4月に“プロフェッショナル人材と企業をつなぐ転職サイト”「BizReach(ビズリーチ)」を開始しました。
その後も、“OB/OG訪問ネットワークサービス”「ビズリーチ・キャンパス」や“人材管理クラウド”「HRMOS(ハーモス)」などHR領域のサービスを多く手掛けています。
テレビCM見たことある!
南社長はモルガン・スタンレー → 楽天球団の立ち上げ → ビズリーチ創業というキャリアだワン!
事業内容
「HR Tech」、「Incubation」の2つを報告セグメントとしています。
HR Tech
- ビズリーチ事業
→プロフェッショナル人財に特化した会員制転職プラットフォーム - HRMOS事業
→採用から入社後の活躍までの情報を一元化・可視化したサービス - その他HR・Tech事業
→『キャリトレ』や『ビズリーチ・キャンパス』等の運営
Incubation
デジタル・トランスフォーメーションを進めることができる大きな市場ポテンシャルを有する領域にて新規事業を展開
→『トラボックス』や『BizReach SUCCEED』等を提供
経営戦略
以下の3点を経営戦略として挙げています。
- 主力サービス『ビズリーチ』を含むHR Tech領域でのさらなる事業成長
- 社会的課題を捉えた新規事業の継続的な創出
- 国内外の有望な企業への投資とノウハウ提供
ビズリーチなどのプラットフォームを更に拡大していくこと、そして有望な企業への投資も積極的に推進することが分かりますね。
IPO情報
公募株数 | 212万7,700株 | |
売出株数 | 1,124万8,700株 | |
公募価格 | 5,000円 |
IPO取扱証券会社
野村証券(主)、SBI証券、楽天証券、マネックス証券など
同社についてより詳しく知りたい方は、以下の分析記事をお読みください!
サイバートラスト(マザーズ:4498)
サイバートラストは2017年10月1日付で同社(旧商号ミラクル・リナックス㈱)を存続会社とする旧サイバートラスト㈱の吸収合併及び社名変更を完了し、「サイバートラスト㈱」として業務開始しました。
ソフトバンク系のSBテクノロジー株式会社が約65%の株式を保有しており、社長の眞柄泰利氏もソフトバンク出身となっています。
日本初の商用電子認証局として 20年以上にわたり認証・セキュリティサービスを提供し、IoT をはじめとする先端分野に向けて「ヒト・モノ・コト」の正しさを証明し、サービスの信頼性を支えるサービスを推進しています。
これからはIoT関連のセキュリティは重要だよね!
事業内容
「トラストサービス事業」の1セグメントですが、その中でも以下の3つのサービス区分があります。
- 認証・セキュリティ
パブリック証明書サービス・デバイス認証証明書サービス・電子認証サービスを提供 - OSS
Linux OS「MIRACLE LINUX Asianux Inside」を、企業向けLinuxサーバー用途や産業用コンピューターなどへの組込み用途で提供 - IoT
IoT機器のセキュリティ状態を一気通貫で管理できる「セキュアIoTプラットフォーム」を提供
経営戦略
SSL/TLS証明書のニーズは拡大しているため、既存のDV(Domain Validation:ドメイン認証)/OV(Organization Validation:企業認証)が占めている市場に、SureServerを中心として最も信頼性の高いEV証明書を浸透させる施策を講じていきます。
また、スマートホームやコネクテッドカー、スマート工場などのIoT化が拡大していますが、IoT化が進むにつれ、悪意のあるハッキングを受ける危険性も増大します。
こうした脅威を防ぎ、安全で信頼できるIoT機器やスマートデバイスを開発し、廃棄まで管理していくために、同社グループが提供する「セキュアIoTプラットフォーム」を提唱しています。また、IoT向けの認証局サービスも開発しています。
IPO情報
公募株数 | 25万株 | |
売出株数 | 30万株 | |
公募価格 | 1,660円 |
IPO取扱証券会社
みずほ証券(主)、SBI証券、楽天証券など
同社についてより詳しく知りたい方は、以下の分析記事をお読みください!
4月の新規上場企業3選まとめ
21年4月の新規上場企業から注目の3社を解説してきました。
各企業について一言でまとめると以下の通りです。
- ファブリカコミュニケーションズ
→自動車関連サービスやインターネット事業での成長に期待 - ビジョナル
→『ビズリーチ』以外にも新規事業の拡大が見込める - サイバートラスト
→IoT関連セキュリティ事業の拡大が大きな躍進につながる
どの企業もインターネット関連でさらなる成長が見込めます。
今後の動向に注目していきましょう。
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