ブリッジレポート:(2714)プラマテルズ vol.17
(2714:JASDAQ) プラマテルズ |
|
||||||||
|
企業名 |
プラマテルズ株式会社 |
||
社長 |
井上 正博 |
||
所在地 |
東京都品川区北品川4-7-35 御殿山トラストタワー |
||
決算期 |
3月 末日 |
業種 |
卸売業(商業) |
項目決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期純利益 |
2014年3月 | 59,568 | 833 | 803 | 279 |
2013年3月 | 55,610 | 817 | 783 | 420 |
2012年3月 | 57,790 | 883 | 840 | 531 |
2011年3月 | 55,762 | 899 | 842 | 500 |
2010年3月 | 47,145 | 663 | 621 | 388 |
2009年3月 | 52,550 | 893 | 809 | 489 |
2008年3月 | 56,861 | 1,089 | 943 | 704 |
2007年3月 | 52,022 | 1,219 | 1,115 | 652 |
2006年3月 | 50,673 | 1,054 | 1,005 | 569 |
2005年3月 | 46,804 | 790 | 746 | 403 |
2004年3月 | 43,720 | 659 | 566 | 309 |
2003年3月 | 42,614 | 685 | 642 | 240 |
株式情報(6/5現在データ) |
|
|
今回のポイント |
|
会社概要 |
【沿革】
グループでの拡大戦略や積極的な海外展開も同社の特徴で、03年1月に香港に現地法人を、同年4月に上海に現地法人を、それぞれ設立。その後、シンガポールに拠点を開設し(04年3月に法人化)、04年10月に天津に現地法人、06年2月には東洋インキ製造(株)との合弁でベトナムにコンパウンド製造・販売会社を設立(出資比率20%)。アジア進出を進める日系企業への供給体制の充実を図るべく、09年1月にシンセン、同年8月に大連、11年7月にフィリピン、12年7月にタイ(バンコク)、13年5月にインド(プネー)、同年8月に台湾、と子会社を相次いで設立した。 また、グループに製造部門を有し、上記の合弁会社の他、98年11月に二次加工等の(株)富士松を100%子会社化し、更に03年9月にはフィルタレン(株)を設立して同年10月よりメディカル向け等の合成樹脂フィルターの製造・販売を開始した。 【事業の特徴】
石油精製の過程で得られるナフサ(粗製ガソリン)を高温熱分解して得られるエチレンやプロピレン等の出発原料を重合すると(分子同士を結合させて高分子にする事)、プラスチック、合成繊維原料、合成ゴム等、基礎製品の原料(樹脂原料)となるポリエチレンやポリプロピレン等の高分子が生まれる。同社はポリエチレンやポリプロピレン等の樹脂原料(ベース樹脂)やコンパウンド(樹脂原料に目的とする性能や機能を得るために強化材や添加剤を配合したもの)を原料メーカーからペレット(加工しやすいように3~5mm程度の粒子状にしたもの)として仕入れて、OA機器、家電、自動車部品メーカー等に販売している。
【コアコンピタンスと競合先】
(1)コアコンピタンス
高付加価値商材の拡販の原動力となっているのが、(1)合成樹脂原料に関する高い専門性、(2)商社としてのネットワークを駆使した提案力、及び(3)顧客との質の高いコミュニケーションに基づく少量多品種即納体制、の3点。いずれも合成樹脂専門商社に不可欠な要素であり、最もQCD(Quality、Cost、Delivery:品質、価格、納期)に厳しい日本の優良企業との継続的取引の中で同社が磨き上げてきたコアコンピタンスである。高い専門性を背景にメーカーと一体となって提案営業を進める事でビジネスを広げ、少量多品種の即納対応と顧客密着型の営業展開で顧客満足度を高めている。
(2)競合先
ライバルは、総合商社系列の専門商社や化学系専門商社であり、海外ではブローカー等。総合商社系列の専門商社は基本的に汎用品等の大きなロットでのビジネスを志向しており、同社のように提案営業による需要の掘り起こしや多品種少量の取引に積極的に対応するケースは少ない。海外ではブローカー的な企業が取引に介在する事はあるが、同社のようにきめ細かい営業を行うことは稀。取扱商品が我々最終消費者の目に触れる事がめったにないため、理解しにくい一面を持つ同社だが、国内外のライバルと比較すると、同社の存在感が際立ってくる。 【成長戦略】
14/3期実績ベースの地域別売上構成比は、国内66.7%、香港17.5%、中国12.1%、アジアその他3.7%。改めて国内での足場固めを図ると共に、海外では、アジアでの営業ネットワークを構築し顧客企業のアジアでの生産拡大をサポートしていく。また、同社の顧客は、精密機器、医療機器、家電・電子等の勝ち組企業が多く、いずれの顧客も国内外での生産バランスに配慮した経営を行っているため、国内も顧客の深耕余地を残している。同社は、顧客に密着した営業展開を徹底する事で国内での足場固めを図っていく考え。
国内
12年5月に弘前営業所を、同年8月に長崎出張所を、それぞれ開設した。弘前営業所の営業圏となる青森にはワールドワイドに展開する精密機器メーカー系の精密部品工場があり、秋田には大手医療機器メーカーの生産拠点がある。また、長崎ではワールドワイドに展開する精密機器メーカーの工場がある。13年6月には大分営業所を九州支店へ組織変更した。
海外
中国沿岸部に加え、広くアジアへ展開する事で変化する顧客ニーズを確実に捉える体制を構築し事業拡大の糧とする。この一環として、11年7月にフィリピン(マニラ)、12年7月にタイ(バンコク)、13年は5月にインド(プネー)、8月には台湾(台中)に現地法人を設立した。14/3期でアジアの拠点整備がほぼ完了し、15/3期以降、アジアに展開する各拠点の業績貢献が徐々に始まる。
|
2014年3月期決算 |
前期比7.1%の増収、同2.6%の経常増益
売上高は前期比7.1%増の596億68百万円。海外日系メーカーの需要回復や国内の底打ちに加え、海外の拠点増設効果や円安効果もあり、四半期ベースでの売上の回復が鮮明。事務機器・OA機器等で使われる主力のエンジニアリング系樹脂が同9.3%増加した他、白物家電やパソコン及び周辺機器等での使用が多いスチレン系樹脂も同9.3%増加。医療機器等向けにオレフィン系樹脂も同18.0%増と伸びた。地域別では、海外売上高が同15.6%増の198億31百万円と増収をけん引する中、国内売上高も397億36百万円と同3.3%増加した。海外拠点では、上海が同34.1%増と大きく伸び、最も売上のボリュームが大きい香港も同10.6%増加。この他、大連が同1.2%増加した他、その他も11.0%増加。海外売上高比率は33.3%と2.5ポイント上昇した(13/3期:30.8%)。 利益面では、ナフサ価格の上昇等を反映して原価率が0.1ポイント上昇した他、前期から今上期にかけて実施した国内外での拠点拡充に伴い販管費も増加したものの増収効果で吸収。営業利益は8億33百万円と同1.9%増加した。 当期純利益が減少したのは、同社及び連結子会社フィルタレン(株)が総合型厚生年金基金を14年9月末で任意脱退するに際して発生する脱退時特別掛金2億66百万円を特別損失として計上したため。 配当は前期と同額の1株当たり期末配当8円を予定(上期末配当と合わせて年15円)。 |
2015年3月期業績予想 |
前期比4.9%の増収、同9.5%の経常増益予想
15/3期の取り組み方針は、①海外拠点を有機的に活用する事で得意先である海外進出日系企業との取り組みを拡大し、顧客密着型の営業を徹底し、共に拡大を図る、及び②国内・海外の連結子会社を含め、グループ全体としての連携強化に努め、増収増益を目指す。売上高は前期比4.9%増の625億円。引き続き海外主導での売上増と国内の堅調な推移が見込まれる。海外は前期のような円安効果がなくなるものの、台湾やフィリピンの現地法人の寄与が本格化。国内も、医療機器や自動車部品等向けを中心に堅調な推移が見込まれる。 利益面では、前期ほどの円安効果が期待できないものの、前期で海外拠点の整備が一巡したため、営業費用は主に変動費を中心にした増加にとどまり、営業利益が9億円と同8.0%増加する見込み。 配当は1株当たり上期末7円、期末8円の年15円を予定。同社は、将来の事業展望(海外展開及びM&A)と経営基盤・財務基盤の強化のため必要な内部留保を確保しつつ安定的な配当を継続していく事を基本方針としている。 |
|
本レポートは情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。また、本レポートに記載されている情報及び見解は当社が公表されたデータに基づいて作成したものです。本レポートに掲載された情報は、当社が信頼できると判断した情報源から入手したものですが、その正確性・完全性を全面的に保証するものではありません。当該情報や見解の正確性、完全性もしくは妥当性についても保証するものではなく、また責任を負うものではありません。 本レポートに関する一切の権利は(株)インベストメントブリッジにあり、本レポートの内容等につきましては今後予告無く変更される場合があります。 投資にあたっての決定は、ご自身の判断でなされますようお願い申しあげます。 Copyright(C) 2024 Investment Bridge Co.,Ltd. All Rights Reserved. |