ブリッジレポート
(6065) ライクキッズ株式会社

プライム

ブリッジレポート:(6065)サクセスホールディングス vol.4

(6065:東証2部) サクセスホールディングス 企業HP
柴野 豪男 社長
柴野 豪男 社長

【ブリッジレポート vol.4】2013年12月期第3四半期業績レポート
取材概要「都市部を中心に未だ多くの待機児童が生じており、保育の需要は高水準で推移している。このため、政府は「待機児童解消加速化プラン」を・・・」続きは本文をご覧ください。
2014年1月14日掲載
企業基本情報
企業名
サクセスホールディングス株式会社
社長
柴野 豪男
所在地
神奈川県藤沢市鵠沼石上1-1-15 藤沢リラビル3階
決算期
12月末日
業種
サービス業
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2012年12月 7,248 412 660 353
2011年12月 6,006 362 491 256
2010年12月 5,237 185 178 33
株式情報(12/10現在データ)
株価 発行済株式数(自己株式を控除) 時価総額 ROE(実) 売買単位
2,014円 5,241,000株 10,555百万円 34.2% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
25.00円 1.2% 70.76円 28.5倍 307.81円 6.5倍
※株価は12/10終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数。ROE、BPSは前期末実績。
 
サクセスホールディングスの2013年12月期第3四半期決算について、ブリッジレポートにてご報告いたします。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
持株会社である同社と事業会社の(株)サクセスアカデミー(100%子会社)の2社でグループを構成。病院・大学・企業等の事業所内保育施設を受託運営する受託保育事業と、認可・認証保育園等(この他、学童クラブ、児童館、全児童対象施設)を運営する公的保育事業を2本柱とする。「人から"ありがとう"といわれるサービスを提供する」をグループ理念に掲げ、「子育て支援」を根幹とする総合的ライフスタイルサポート事業の展開を目指している。13年6月末現在の運営施設数は225施設(受託保育施設163施設、公的保育施設62施設)。
 
 
【事業内容】
事業は受託保育事業と公的保育事業に分かれ、12/12期の売上構成比は、それぞれ44.9%、55.1%。事業内容は次の通り。
 
(1)受託保育事業
病院、大学、企業等が従業員の子ども向けに開設した保育施設の運営を受託している。こうした施設は、子育て中の女性等に対して働きやすい環境を提供する事を目的とした福利厚生施設との位置付けだが、一定の条件を満たす事で、設置主体に対して助成金が支給されている。主な取引先は、東京大学医学部附属病院、千葉大学医学部附属病院、筑波大学、大阪大学、神戸大学、武田薬品工業(株)等。
 
(2)公的保育事業
認可保育園、認証保育所、学童クラブ、児童館・全児童対象施設といった公的保育施設の運営を手掛けている。従来、設置主体は原則として市町村や社会福祉法人等に限られていたが、00年3月に待機児童解消に柔軟に対応できるよう規制緩和がなされ、株式会社にも門戸が開かれた。公的保育事業は初期投資が重いが、受託保育と比較して施設規模が大きく、かつ、安定した運営が可能なため、1施設当たりの収益力が高い。
 
 
2013年12月期第3四半期決算
 
 
前年同期比19.6%の増収、同11.8%の営業増益
新規開設は、認可保育園5件、学童クラブ3件、受託保育18件の計26件。新規開設の増加で原価率が81.5%と1.4ポイント上昇した他、販管費も7億45百万円と同10.6%増加したものの、売上の増加で吸収。営業利益は4億21百万円と同11.8%増加した。設備補助金収入1億60百万円の計上で経常利益は5億52百万円と営業利益を上回ったものの、前年同期に比べると、設備補助金収入が減少(1億25百万円減)したため、12.3%の経常減益。ただ、税負担率の低下で、四半期純利益は3億16百万円と同5.7%の減少にとどまった。尚、設備補助金は、自治体毎に補助金額が異なり、公的保育事業の新規開設数と開設地域に基づき発生することから、増減が発生しやすい。
 
セグメント別の売上高・利益は、受託保育事業が売上高26億23百万円(前年同期比10.0%増)、セグメント利益3億09百万円(前年同期比5.4%増)。公的保育事業は売上高36億89百万円(同27.5%増)、セグメント利益は4億27百万円(同16.8%増)。
 
 
 
 
第3四半期末の総資産は前期末に比べて1億85百万円増の50億80百万円。借方では、積極的な施設投資に伴い現預金が減少する一方、固定資産が増加。貸方では、未払金や未払法人税等が減少する一方、純資産が増加。自己資本比率は32.2%と前期末に比べて3.7ポイント改善した。
 
 
2013年12月期業績予想
 
 
通期業績予想に変更はなく、前期比15.9%の増収、同28.9%の営業増益
売上高は前期比15.9%増の83億97百万円。成長ドライバーである公的保育事業が同24.1%と大きく伸びる見込みで、受託保育事業も同5.7%増と堅調な推移が見込まれる。利益面では、新規開園費用が発生したものの、施設の稼働が向上したことにより、営業利益が5億32百万円と同28.9%増加する見込み。経常利益が同6.1%の増加にとどまるのは、設備補助金収入が減少するため。
配当は1株当たり10円の期末配当を予定(上場記念配5円を含む上期末配当15円と合わせて年25円)。
 
 
 
今後の注目点
都市部を中心に未だ多くの待機児童が生じており、保育の需要は高水準で推移している。このため、政府は「待機児童解消加速化プラン」を発表する等、待機児童解消に向けた取り組みを進めている。こうした中、同社グループは認可保育園や学童保育の運営にとどまらず、勤務時間が不規則な病院や企業向けに「24時間365日」の事業所内保育を提供する等、地域や企業毎の異なるニーズに対応した多様なサービスを提供している。もっとも、上場により向上した資金調達力を活かしていくのはこれから。(株)インベストメントブリッジでは、先行投資負担は大きいが、受託保育と比較して施設規模が大きく、1施設当たりの収益力が大きい公的保育事業を拡大していく事で成長速度を加速させる事ができると考える。