ブリッジレポート:(2714)プラマテルズ vol.11
(2714:JASDAQ) プラマテルズ |
|
||||||||
|
企業名 |
プラマテルズ株式会社 |
||
社長 |
井上 正博 |
||
所在地 |
東京都品川区北品川4-7-35 御殿山トラストタワー |
||
決算期 |
3月 末日 |
業種 |
卸売業(商業) |
項目決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期純利益 |
2012年3月 | 57,790 | 883 | 840 | 531 |
2011年3月 | 55,762 | 899 | 842 | 500 |
2010年3月 | 47,145 | 663 | 621 | 388 |
2009年3月 | 52,550 | 893 | 809 | 489 |
2008年3月 | 56,861 | 1,089 | 943 | 704 |
2007年3月 | 52,022 | 1,219 | 1,115 | 652 |
2006年3月 | 50,673 | 1,054 | 1,005 | 569 |
2005年3月 | 46,804 | 790 | 746 | 403 |
2004年3月 | 43,720 | 659 | 566 | 309 |
2003年3月 | 42,614 | 685 | 642 | 240 |
株式情報(11/1現在データ) |
|
|
今回のポイント |
|
会社概要 |
【沿革】
1951年3月、合成樹脂の販売を目的とした日本樹脂(有)として設立され、52年3月に株式会社に改組。61年3月にニチメン(株)の出資を受け、94年12月にはニチメン(株)が55.5%の支配株主となった。同社の強みである合成樹脂原料に関する「高い専門性」と「提案力」がニチメン(株)の広範な顧客資産と融合し業容が拡大。95年9月のニチメン樹脂販売(株)への商号変更を経て、2000年1月、プラマテルズ(株)に商号を変更。01年10月、JASDAQに株式を上場した(11年10月にJASDAQ上場10周年を、12年3月に設立60周年を、それぞれ迎えた)。グループでの拡大戦略や積極的な海外展開も同社の特徴で、03年1月に香港に現地法人を、同年4月に上海に現地法人を、それぞれ設立。その後、シンガポールに拠点を開設し(04年3月に法人化)、04年10月に天津に現地法人、06年2月には東洋インキ製造(株)との合弁でベトナムにコンパウンド製造・販売会社を設立(出資比率20%)。更に09年には1月にシンセン、同年8月に大連、11年7月にフィリピンと子会社を相次いで設立し、アジア進出を進める日系企業への供給体制の充実を図っている。 また、グループに製造部門も有し、上記の合弁会社の他、98年11月に二次加工等の(株)富士松を100%子会社化し、更に03年9月にはフィルタレン(株)を設立して(株)化研より合成樹脂フィルターの営業権を取得し、同年10月よりメディカル向け等の合成樹脂フィルターの製造・販売を開始した。尚、コンパウンドとは、目的とする性能や機能を得るために、プラスチックのベース樹脂に強化材や添加剤を配合した成形材料のことである。 株式上場後の10年間(02/3期~12/3期)で連結売上高は387億円から577億円へ1.5倍に拡大した。
売上高の64%程度を占めるエンジニアリング系樹脂やスチレン系樹脂は付加価値が高く、海外では成長が続いており、成熟しつつある国内でも需要は堅調。 【コアコンピタンス】
同社のコアコンピタンスは、(1)合成樹脂原料に関する高い専門性、(2)商社としてのネットワークを駆使した、メーカーを巻き込んでの提案力、及び(3)顧客との質の高いコミュニケーションが可能とする少量多品種即納体制、の3点。いずれも合成樹脂専門商社に不可欠な要素であり、同社は最もQCDに厳しい日本の優良企業との継続的取引の中で磨き上げてきた。高い専門性を背景にメーカーと一体となって提案営業を進める事でビジネスを広げ、少量多品種の即納対応及び顧客密着型の営業展開で顧客満足度を高めている。
【同社が扱う合成樹脂原料の特徴】
同社は、相対的に単価が高く高付加価値商材であるエンジニアリング系樹脂やスチレン系樹脂の取扱が多い。エンジニアリング系樹脂とは、ポリアミド樹脂、ポリアセタール、ポリカーボネート等でOA・事務機器、光学機器(カメラ等)、精密部品(ギア等の機構部品)、及び電子部品(コントローラー等)等で使われおり、ポリスチレンやABS樹脂等のスチレン系樹脂は、家庭電器製品(エアコン、冷蔵庫等)、OA・事務機器(パソコン及び周辺機器、FAX等)、及び玩具等で使われている。
【市場動向と成長戦略】
同社が強みを有するエンジニアリング系樹脂市場は、成長著しいアジアにおいて5%以上の成長が続くとみられている。また、国内においても堅調に推移しており、概ね横ばいを維持している。(1)市場動向と成長戦略 こうした中、販売先の海外展開に対応していく事で海外の成長力を取り込んでいく考え。もっとも、販売先は精密機器、医療機器、家電電子等の勝ち組企業が多く、いずれの販売先も国内外での生産バランスに配慮した経営を行っているため、国内も事業の拡大余地を残している。 このため、13/3期上期は、5月に弘前営業所を、8月に長崎出張所を、それぞれ開設した。弘前営業所の営業圏となる青森にはワールドワイドに展開する精密機器メーカー系の精密部品メーカーがあり、秋田には大手医療機器メーカーの生産拠点がある。また、長崎ではワールドワイドに展開する精密機器メーカーの工場が稼働した。
営業拠点
東京本社、大阪支社、名古屋支店、静岡支店、大分営業所、長崎出張所、弘前営業所。 国内子会社 株式会社 富士松(大阪府) フィルタレン 株式会社 (埼玉県) (同社資料より) この一環として、11年7月にフィリピンに、12年7月にはタイ(バンコク)に、それぞれ子会社を設立した。
海外では、香港,中国(シンセン、上海、天津、大連)に現地法人5社及び1拠点(上海法人の合肥出張所)を有し、その他のアジア地域では、フィリピン及びタイ(バンコク)に現地法人を展開。
また、ベトナムには東洋インキ製造(株)と合弁のコンパウンド製造・販売会社を展開している。 (同社資料より) (2)競合先
ライバルは、総合商社系列の専門商社や化学系専門商社であり、海外ではブローカー等だが、総合商社系列の専門商社は基本的に汎用品等の大きなロットでのビジネスを志向しており、同社のように提案営業による需要の掘り起こしや多品種少量の取引に積極的に対応する大手の専門商社は少ない。また、海外ではブローカー的な企業が取引に介在する事はあるが、こうしたきめ細かい営業を行う文化が無い。取扱商品が我々最終消費者の目に触れる事がめったにないため、理解しにくい一面を持つ同社だが、国内外のライバルと比較すると、同社の存在感が際立ってくる。 |
2013年3月期上期決算 |
前年同期比0.9%の減収、同4.5%の経常減益
売上高は前年同期と同水準(前年同期比0.9%減)の282億83百万円。国内売上が193億76百万円と同8.2%減少したものの、上海や香港の子会社を中心に海外売上が89億07百万円と同21.1%伸びた。利益面では、減収による売上総利益の減少が響き、営業利益は4億32百万円と同3.8%減少したものの、経費節減で販管費の伸びを抑えた事で期初予想を2.9%上回った。
尚、これまで在外子会社等の収益及び費用を円貨換算する際、在外子会社等の決算日の直物為替相場を用いて行っていたが、13/3期より期中平均為替相場を用いて円換算する事とした。決算短信表等の12/3期上期連結売上高(285億53百万円)は遡及修正したものだが、上記の12/3期上期売上高(284億63百万円)は従来の円貨換算基準によるもの。 |
2013年3月期業績予想 |
業績予想に変更は無く、売上高は前期と同水準の580億円、経常利益8億円(同5.2%減)
上期はグループ全体の連携強化で需要の回復を着実に捉える事ができ、営業利益以下の各利益段階で期初予想を上回った。しかし、「欧州の財政危機を背景とした欧米経済の先行きへの懸念や、それに伴う中国をはじめとした新興国経済の減速に加え、円高の長期化など国内外の不安定要因により、景気の先行きは依然として不透明な状況が続いている」として通期の業績予想を据え置いた。配当は上場10周年記念配2.5円を落とした1株当たり15円を予定している(上期末7円、期末8円)。
|
|
本レポートは情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。また、本レポートに記載されている情報及び見解は当社が公表されたデータに基づいて作成したものです。本レポートに掲載された情報は、当社が信頼できると判断した情報源から入手したものですが、その正確性・完全性を全面的に保証するものではありません。当該情報や見解の正確性、完全性もしくは妥当性についても保証するものではなく、また責任を負うものではありません。 本レポートに関する一切の権利は(株)インベストメントブリッジにあり、本レポートの内容等につきましては今後予告無く変更される場合があります。 投資にあたっての決定は、ご自身の判断でなされますようお願い申しあげます。 Copyright(C) 2024 Investment Bridge Co.,Ltd. All Rights Reserved. |