ブリッジレポート:(2714)プラマテルズ vol.5
(2714:JASDAQ) プラマテルズ |
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企業名 |
プラマテルズ株式会社 |
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社長 |
井上 正博 |
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所在地 |
東京都品川区北品川4-7-35 御殿山トラストタワー |
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決算期 |
3月 末日 |
業種 |
卸売業(商業) |
項目決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期純利益 |
2011年3月 | 55,762 | 899 | 842 | 500 |
2010年3月 | 47,145 | 663 | 621 | 388 |
2009年3月 | 52,550 | 893 | 809 | 489 |
2008年3月 | 56,861 | 1,089 | 943 | 704 |
2007年3月 | 52,022 | 1,219 | 1,115 | 652 |
2006年3月 | 50,673 | 1,054 | 1,005 | 569 |
2005年3月 | 46,804 | 790 | 746 | 403 |
2004年3月 | 43,720 | 659 | 566 | 309 |
2003年3月 | 42,614 | 685 | 642 | 240 |
株式情報(6/23現在データ) |
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今回のポイント |
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会社概要 |
<沿革>
同社は、1952年3月の設立以来、合成樹脂を取り扱うエキスパートとして着実に歩みを続け、2001年10月ジャスダック市場に上場した。
<コアコンピタンス>
同社のコアコンピタンスとして、最もQCDに厳しい日本の優良企業との継続的取引の中で培われた合成樹脂専門商社としての、(1)合成樹脂原料に関する極めて高い専門性、(2)商社としてのネットワークを駆使した、メーカーを巻き込んでの卓越した提案力、及び(3)顧客とのコミュニケーションを高め、少量多品種即納体制の構築、の3点を挙げる事ができる。
<同社が扱う合成樹脂原料の特徴>
同社は、相対的に単価が高く高付加価値商材であるエンジニアリング系樹脂やスチレン系樹脂の取扱が多い。エンジニアリング系樹脂とは、ポリアミド樹脂、ポリアセタール、ポリカーボネート等でOA・事務機器、光学機器(カメラ等)、精密部品(ギア等の機構部品)、及び電子部品(コントローラー等)等で使われる。また、スチレン系樹脂とは、ポリスチレンやABS樹脂等で、家庭電器製品(テレビ、エアコン、冷蔵庫等)、OA・事務機器(パソコン及び周辺機器、FAX等)、及び玩具等で使われる。
<顧客市場の動向>
エンジニアリング樹脂市場は国内では概ね横ばいだが、アジアでは5%以上の伸びが予想されている。また、同社の顧客は、アジア、中国等の新興市場での販売を強化している他、新しい事業分野の開拓や省エネ・省資源の推進にも取り組んでおり、この一環として、「技術」、「コスト」、「消費地」を念頭に置いた最も合理的な世界最適生産体制の構築を進めている。
<中国での事業展開を強化>
中国の内需拡大の機会を捉えて更なる成長の糧とするべく、現在、香港、深圳、上海、天津、大連の5拠点を展開している。10年には、深圳業務サービスセンターを8号令販社へ変更し人民元取引等が可能な法人組織に改組した。また11年には、より機動的な運用を目的に中国アジア統轄を香港に設置した。
※ 合成樹脂について(同社Webサイトより)
合成樹脂と言うと難しく聞こえるが、簡単に言うと、プラスチックの事。「原油」を加熱すると、気体になる温度の違いから、ガソリン、ナフサ、灯油、軽油、重油、アスファルトが分離できるが、プラスチックはこの中の「ナフサ」からつくられる。「ナフサ」を加熱してできる「エチレン・プロピレン(気体)」、「ベンゼン(液体)」等がプラスチックの元(水素と炭素が結びついた分子)で、これを基に「ポリエチレンやポリプロピレン」等のプラスチック原料がつくられる。このプラスチック原料に、柔らかくしたり、壊れにくくしたり、着色するための添加剤を加えたものを「ペレット」と言い、これを成形機という機械に入れ、熱して金型に流し込み冷却させ固まったものがプラスチック製品となる。熱に弱い、強度が足りない等の短所も技術の進歩によって改善されており、他のプラスチック、ガラス繊維、鉱物等とブレンドとそれぞれの特性が向上するため用途も広がっている。例えば、今まで金属だったクルマのエンジンの部品(極めて軽くなる→燃費の向上)や、携帯電話のアンテナ、髪の毛の太さの50分の1の精密機械部品等でプラスチック加工の最先端技術が使われており、ナノテクノロジー(十億分の1メートルを制御する技術)により今まで考えられなかった分野への応用も期待されている。
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2011年3月期決算 |
前期比18.3%の増収、同35.5%の経常増益
売上高は前期比18.3%増の557.6億円。主要得意先である、電子・電機、自動車、建築、医療業界等の業績回復を背景に合成樹脂の需要が増加。中国でのビジネス拡大もあり、国内外で売上が伸びた。利益面では、高付加価値商材が大きく売上を伸ばし、高付加価値商材比率が改善したものの、海外売上比率が上昇(19.3%→25.5%)した影響で売上総利益率が0.2ポイント低下。運賃等の変動費や人件費を中心に販管費も増加したが、増収効果で吸収して営業利益は8.9億円と同35.5%増加した。当期純利益の伸びが経常利益の伸びよりも低いのは、投資有価証券売却益の減少等で特別利益が減少したため。配当は1株当たり7円の期末配当を予定(上期末配当と合わせて年13円)。尚、個別ベースの販売先別構成比は、OA・事務機器36%、家電・電子15%、建材9%、医療器7%、自動車6%、容器・化粧品6%、玩具・その他25%(概算値のため合計が100%にはならない)。 (2)財政状態及びキャッシュ・フロー(CF)
期末総資産は前期末比5.1億円増の223.8億円。借方では、事業拡大でたな卸資産が増加したものの、売上債権の回収が進んだ事でCFが改善し現預金が増加。貸方では、有利子負債が減少する一方、純資産が増加した。CFの面では、利益の増加と売上債権の回収が進んだ事等で前期は9.7億円のマイナスだった営業CFが8.6億円の黒字に転換。投資有価証券の売却が減少したため投資CFがマイナスとなった他、有利子負債の削減と配当の支払いで財務CFもマイナスとなったが、現金及び現金同等物の期末残高は22.9億円と前期末比4.3億円増加した。 |
2012年3月期決算 |
(1)東日本大震災の影響
同社においては、物的・人的の両面で地震や津波の直接的な影響は無かったが、販売先の一部が直接的な影響を受けた他、部品調達の停滞等で工場の稼動が停滞したケースもあった。一方、原材料の調達では、震災直後に仕入先が生産を一時停止したが、足下、回復しつつある。また、節電も含めた計画停電や原発問題の影響については、シフト体制の工夫等で工場稼動率を維持しているが、現在でも生産量では多少の影響を受けている。今後については電力供給不足の影響が懸念される事から、不測の事態に備えて在庫の積み増しを進めると共に固定費削減に取り組む考え。 前期比3.2%の減収、同7.4%の経常減益予想
震災直後に停止した受発注が、足下では前年同月比10%減程度にまで回復しているが、「業績を悪化させている企業が増えてきている事が想定される」として、貸倒リスクの高まりに警戒感を強めている。このため、中国を中心に海外の好調が見込まれるものの、国内の苦戦をカバーできず、上期・下期共に小幅な減収・減益が見込まれる。配当は1株当たり7円の期末配当を予定(上期末配当と合わせて年13円)。
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