『いろはにマネーのファンド情報』では、ファンド(投資信託)の特徴や過去のリターン、評価などを独自目線でご紹介します。
本記事では、「DIAM外国株式インデックスファンド<DC年金>」の評価や利回りについて分かりやすく解説します。
DIAM外国株式インデックスファンド<DC年金>をひとことで言うと
DIAM外国株式インデックスファンド<DC年金>は日本を除く全世界の先進国株式に投資するインデックスファンドです。
ベンチマークはMSCIコクサイ・インデックスで、先進国22か国の大型株・中型株 約1,250銘柄に投資します。
つまり、これだけで各国市場の時価総額上位約85%をカバーできることになります。
信託報酬は0.275%で、オルカン(eMAXIS Slim 全世界株式)の0.05775%より高くはありますが、業界内でも最安水準となっています。
iDeCoや企業型DCで取り扱われている確定拠出年金ファンドなんだよ!
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DIAM外国株式インデックスファンド<DC年金>の基本情報
それでは、DIAM外国株式インデックスファンド<DC年金>の基本情報を確認していきましょう。
項目 | DIAM外国株式インデックスファンド<DC年金> |
---|---|
設定日 | 2002/9/5 |
償還日 | 無期限 |
運用会社 | アセットマネジメントOne |
買付単位 | スポット購入:100円以上1円単位 積立:100円以上1円単位 |
売却単位 | 1円以上1円単位 1口以上1口単位 |
買付手数料 | なし |
信託報酬 | 0.275% |
分配金利回り | ー |
純資産額 | 5,375.29億円 |
ベンチマーク | MSCIコクサイ・インデックス (円換算ベース) |
運用方針 | 主に海外の株式に投資を行い、MSCIコクサイ・インデックス(円換算ベース、配当込み、為替ヘッジなし)に連動する投資成果をめざして運用を行います。 |
実は2002年から運用が開始されている、年季のあるファンドなんです。
そもそもDC年金って何?
そもそもファンド名の後ろにあるDC年金ってどういうものなの?
確定拠出年金(DC)とは?
DCというのは確定拠出年金(Defined Contribution Plan)の略です。
加入者ごとに拠出された掛金を加入者自らが運用し、その運用結果に基づいて給付額が決定される年金制度を指します。
DCには事業主が掛金を拠出する「企業型年金(企業型DC)」と個人加入により掛金を拠出する「個人型年金(iDeCo)」の2つのタイプがあり、併用が可能です。
最近よく聞くNISAとは何が違うのかな?
NISAとDCは投資した銘柄の利益が非課税となる点では同じですが、DCにはそれに加え、投資額が全額所得控除になる利点があります。
また、年金受け取り時には公的年金等控除や退職所得控除等が付きます。
しかし、欠点としてDCは投資したお金の引き出しが原則として60歳まで不可となっています。
そのため、編集者の周りではDCを節税目的として保険商品や預金に使い、NISA制度を個別株式や投資信託等の投資に使っている方が多いです。
そうなると基準価格が大暴落した時は大損失にならない?
DCでは引き出しはできなくても、元本保証型のような商品に資金を移すことは出来るのでリスクヘッジは上手く行えます。
組入国の比率
国・地域 | 比率 |
---|---|
アメリカ | 70.85% |
英国 | 3.78% |
カナダ | 3.26% |
フランス | 3.01% |
スイス | 2.82% |
ドイツ | 2.32% |
オランダ | 1.93% |
豪州 | 1.89% |
アイルランド | 1.77% |
デンマーク | 0.99% |
アメリカが約7割を占めているね!
組入銘柄TOP10
組入れ銘柄TOP10は以下の通りです。
上位銘柄は世界を牽引する“マグニフィセント・セブン”の銘柄がほとんどを占めていますね。
過去のリターン
DIAM外国株式インデックスファンド<DC年金>の過去の収益率は以下のようになっています。
期間 | ファンド収益率(分配再投資) | ベンチマーク収益率 | 乖離率 |
---|---|---|---|
3ヵ月 | +10.57% | +10.78% | −0.21% |
6ヵ月 | +28.71% | +29.05% | -0.34% |
1年間 | +41.34% | +42.26% | -0.91% |
3年間 | +19.72% | +20.38% | -0.66% |
5年間 | +18.98% | +19.63% | -0.65% |
10年間 | +13.99% | +14.62% | -0.63% |
設定来 | +10.73% | +11.43% | -0.70% |
*収益率は年率換算(3ヶ月、6ヶ月の収益率は年率換算しておりません)
年率リターンは設定来、11.43%のプラスとなっています。
リスクを取り得られる年率の平均リターンが7%と言われる中、このリターンは驚きです。
また、指数との乖離率(トラッキングエラー)で見てみると、設定来-0.70%とインデックスファンドの中でも、かなり抑えられら数値となっています。
トラッキングエラーとは?
インデックスファンドの運用状況を評価するための指標の一つ。
ファンドの値動きが指標(ベンチマーク)に対してどの程度乖離しているかを示します。
一般的にインデックス運用を選ぶ目的は、市場全体の成長を享受することであるため、市場以上の変動をあまり好まない場合、トラッキングエラーが大きいことことは好ましくありません。
また、インデックス商品の評価指標においては、手数料とトラッキングエラーの二つが重要な指標とされています。
基準価額と純資産総額の推移
DIAM外国株式インデックスファンド<DC年金>の基準価額と純資産総額の推移は以下のようになっています。
しっかりとベンチマークに連動した運用実績となっていて、純資産総額も右肩上がりになっています。
iDeCoや企業型DCの開始とともに着実に人気を集めているね!
同じベンチマークに連動する たわらノーロード 先進国株式 と比べても、運用実績や純資産額に遜色はないです。
また、同期間で比較すると、DIAM外国株式インデックスファンド<DC年金>はたわらノーロード 先進国株式と比べ、ベンチマークとほぼ完全一致しており、乖離率が非常に小さいのが魅力です。
DIAM外国株式インデックスファンド<DC年金>の評価・評判
DIAM外国株式インデックスファンド<DC年金>は5段階評価でいくつ?
DIAM外国株式インデックスファンド<DC年金>の評価はズバリ4です。
理由としては、以下の5つ挙げられます。
- 低い信託報酬
- 運用力の強さに裏付けられた低い乖離率
- パフォーマンスの高さ
- iDeCoや確定拠出年金(DC)で投資が可能
- 優秀な類似ファンドが多くある
まず、類似ファンドの たわらノーロード 先進国株式 と比べれば少し高いですが、信託報酬が業界内でも安値であることは高評価です。
また、10年以上続く高い運用実績があり、乖離率が低くベンチマークが順調に右肩上がりな成績を残しているのも魅力的です。
iDeCoや確定拠出年金(DC)での投資拡大とともに、今後も純資産額を伸ばしていくことが期待できます。
しかし、信託報酬の面ではeMAXIS Slimやたわらノーロード シリーズの先進国株式に劣っており、優秀な類似ファンドが多くあるのは懸念点としてあるでしょう。
類似ファンド
他の同じようなファンドとは何が違うんだろう?
類似ファンドである「eMAXIS Slim 先進国株式」「たわらノーロード 先進国株式」「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」の3つとそれぞれ比較してみましょう。
eMAXIS Slim 先進国株式と比較
DIAM外国株式インデックスファンド<DC年金> | eMAXIS Slim 先進国株式 | |
---|---|---|
ベンチマーク | MSCIコクサイ・インデックス (円換算ベース) | MSCIコクサイ・インデックス (円換算ベース) |
投資対象 | 先進国株式 | 先進国株式 |
構成銘柄数 | 約1,250銘柄 | 約1,250銘柄 |
購入時手数料 | なし | なし |
純資産額 | 5,375.29億円 | 7,548.39億円 |
信託報酬 | 0.275% | 0.09889% |
どちらもベンチマークは同じで先進国株式を投資対象としています。
純資産額はeMAXIS Slimの方が大きく、eMAXIS Slimシリーズのブランドと運用実績の長さが伺えます。
信託報酬もeMAXIS Slim 先進国株式の方が低く、より低コストで購入可能です。
ベンチマークとの乖離率でも設定来2.1%と上向きに推移しているため、専門のインデックス運用部を持つ三菱UFJアセットマネジメントの運用力の高さが伺えます。
信託報酬や運用実績の面ではeMAXIS Slimの方が優れていますが、NISAとiDeCo、どちらで投資するかによって判断は変わりそうです。
eMAXIS Slim先進国株式ついて詳しく知りたい方は
たわらノーロード 先進国株式と比較
DIAM外国株式インデックスファンド<DC年金> | たわらノーロード 先進国株式 | |
---|---|---|
ベンチマーク | MSCIコクサイ・インデックス (円換算ベース) | MSCIコクサイ・インデックス (円換算ベース) |
投資対象 | 先進国株式 | 先進国 |
構成銘柄数 | 約1,250銘柄 | 約1,250銘柄 |
購入時手数料 | なし | なし |
純資産額 | 5,375.29億円 | 5,842.83億円 |
信託報酬 | 0.275% | 0.09889% |
どちらもベンチマークは同じで先進国株式を投資対象としています。
純資産額ではたわらノーロード先進国株式の方が大きく、信託報酬においても両ファンドには2倍以上の差があります。
しかし、たわらノーロード 先進国株式はここ3年でベンチマークとの乖離率が約2%も下回っていることは懸念点としてあります。
手数料や乖離率、運用実績の観点からいえば、eMAXIS Slim>たわらノーロード>DIAM外国株式という順番になるでしょう。
たわらノーロード先進国株式について詳しく知りたい方は
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)と比較
DIAM外国株式インデックスファンド<DC年金> | eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) | |
---|---|---|
ベンチマーク | MSCIコクサイ・インデックス (円換算ベース) | MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス |
投資対象 | 先進国株式 | 全世界株式 |
構成銘柄数 | 約1,250銘柄 | 約2,900銘柄 |
購入時手数料 | なし | なし |
純資産額 | 5,375.29億円 | 34,671.14億円 |
信託報酬 | 0.275% | 0.05775% |
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリーの愛称は「オルカン」だよ!
オルカンはベンチマークをMSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスに設定しており、全世界株式を投資対象としています。
投資対象国や銘柄数で倍以上の差がありオルカンの方がリスクが低く、分散できている言えます。
また、純資産額は圧倒的にオルカンの方が大きく、信託報酬に関しては業界最安値の0.05775%と破格の低さです。
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)について詳しく知りたい方は
【まとめ】曽根原は投資したい?
いろはにマネー編集長の曽根原さんはこのファンドに投資したいと思いますか?
100万円の元本があったとして、どれくらいこのファンドに投資しますか?
現時点ではDIAM外国株式インデックスファンド<DC年金>に投資はしないですね。
過去のパフォーマンスが高いことは確かに魅力的ですが、オルカンや他社の先進国株式と比べると信託報酬に倍以上の差があります。
分散効果や運用実績、手数料においてもオルカンの方が優れているためオルカンでいいかなって思いますね。
そもそも、DCやiDeCoで投資をすると60歳まで換金できないですし、節税効果として使っている側面が強いので、投資信託を買うならNISAを使って買いますね。
ただNISA制度を満額使った後に、先進国株式に投資したいと思うなら10万円ほど投資するのはありだと思います。
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