・RTDって聞いたことあるけどよく分からない。
・RTD市場の拡大はなんで起こったんだろう。
このような疑問を解決いたします。
本記事の結論
- RTDとはフタを開けてすぐに飲める飲料のこと
- RTD市場は13年連続で拡大している
- 関連企業はRTD事業に注力している
最近、ニュースにも出てくるようになった「RTD」という言葉。
お酒に関連した用語ですが、まだなじみが薄いかもしれません。
実は、日本だけでなくアメリカでも若者を中心にRTDが流行しています。
そこで今回はRTDの定義から市場拡大の理由、関連企業まで幅広く解説していきます。
RTDとは?
RTDとはReady To Drinkの略称で、「開けてすぐに飲める」飲料のことです。
似たような単語としてRTS(Ready To Serve)という「注いで飲める」飲料があります。
一般的にRTDは以下のような飲料の事を指します。
- 缶チューハイ
- 缶カクテル
- 缶ビール
- 缶ハイボール
コンビニやスーパーで買える、手軽なお酒ばかりだね!
RTDは日本だけでなく、アメリカでも人気のある飲料です。
特に若者の間では「ハードセルツァー」と呼ばれるアルコール度数の低い炭酸飲料が流行しています。
お酒の世界では「低アルコールブーム」が来ているんだワン!
RTD市場の現状
RTD市場は13連続で拡大していて、2021年も好調を維持しています。
約10年で市場規模は2.5倍以上になっているね!
アルコール度数が低いイメージのあるRTDですが、ここ数年の日本では7%以上の度数が高い飲料が多くを占めています。
しかし、アメリカでは健康志向の高まりから低アルコール・低カロリーへとシフトしています。
日本でも「ほろよい」「ビアリー」といった低アルコール飲料が最近流行り始めているね!
RTD市場拡大の理由
RTD市場拡大の理由は大きく3つあると言われています。
- レモンRTDの流行
- ノンアルコールRTDの流行
- 家飲み需要の拡大
「レモンRTDの流行」や「ノンアルコールRTDの流行」などがあって市場拡大が起きていたんですね。
そこに追い打ちをかけたのがコロナ渦での「家飲み需要の拡大」といった流れで理解していきましょう。
レモンRTDの流行
グラフからも分かるように、レモンRTDが特に著しく市場を拡大させています。
2021年(見込)ではRTD市場の約半分がレモンRTDとなるほどに流行しています。
いろんな果実酒の中でもなんでレモンRTDは流行したのかな?
レモンRTDを好む理由を見ていきましょう。
- 飲み飽きない味だから
- 食事に合うから
- 果実感を味わえるから
- 味が甘くないから
「食事」や「飲みやすさ」などのニーズにマッチしたからこそ拡大したとも言えますね。
ノンアルコールRTDの流行
ノンアルコールRTDの流行も、RTD市場拡大の大きな理由の1つです。
「サントリーRTDレポート2019」によると、当時からノンアルコール飲料の市場規模は拡大しています。
飲酒運転に対する法規制厳格化に伴い、ノンアルコール飲料を飲むドライバーが増えたことが考えられます。
コロナ渦になる前からノンアルコールRTDの流行があったんだね!
そこに追い打ちをかけたのがコロナ渦での「健康志向の高まり」です。
「サントリーRTDレポート2021」でも、ノンアルコールRTDは過去最大の市場規模であると発表されました。
家飲み需要の拡大
コロナ渦で家での飲食の機会が多くなったこともRTD市場拡大の理由の1つです。
総務省の「家計調査」から2019年と2020年を比較してみると、家計消費の上昇率の中でチューハイやカクテルが32.5%も上昇しています。
他にも家での贅沢を楽しむ人が増えたことで「たい」や「うなぎのかば焼き」などの特定の食品の家庭消費が増えました。
確かに、外食できないから家で飲む機会も増えたなぁ。
RTD関連企業3選
これまでRTD市場に関して説明してきました。
ここからは具体的にどのような企業がRTD事業を展開しているのか、2021年の展望を解説していきます。
キリンビール
キリンビールは「キリンホールディングス(2503)」の子会社。
商品の幅も広く、有名な酒造企業ですね。
代表的なRTDには「氷結®」や「キリン・ザ・ストロング麒麟特性サワー」などがあります。
JMR生活総合研究所の「消費者調査データ No.334」によると「氷結」は認知や購入経験等の項目からRTDブランドで1位を獲得しました。
現時点で一番人気のあるRTDブランドを持っているんだね!
次にキリンビールの2021年の事業方針を見ていきましょう。
RTDは、基幹ブランドの「氷結®」や「キリン・ザ・ストロング」を中心に積極的に投資し、お客様の多様なニーズに応えていきます。
2021年 キリンビール事業方針より引用
RTD市場の拡大と共に販売数の更なる増加にも期待ですね。
キリンビールは非上場企業ですが、「キリンホールディングス(2503)」に投資をすることで間接的にキリンビールへの投資が可能です。
アサヒビール
アサヒビールも「アサヒグループホールディングス(2502)」の子会社であり、日本を代表する酒造企業です。
代表的なRTD商品は、人工甘味料を使用せず果汁のみを使った「贅沢絞り」やボトル缶RTDの「アサヒ ザ・レモンクラフト」です。
2021年度の事業方針を見ていきましょう。
RTD では、「贅沢搾り」「樽ハイ倶楽部」「ザ・レモンクラフト」の 3 ブランドに注力します。
2021 年 アサヒビール事業方針より引用
業界では比較的後発組と言われるアサヒビールですが、ブランドを絞った集中投資に注目ですね。
RTD事業では7年連続の過去最高売り上げを更新しているよ!
アサヒビールは非上場ですが、「アサヒビールグループホールディングス(2502)」は上場しているので投資が可能です。
サントリースピリッツ
サントリースピリッツは「サントリーホールディングス」のグループ会社で、スピリッツ事業を担う業界のリーディングカンパニーです。
代表的なRTD商品は「ほろよい」や「こだわり酒場のレモンサワー」です。
サントリーの今後の事業展望を見ていきましょう。
RTD市場は引き続き伸長すると見込まれます。当社は、「こだわり酒場のレモンサワー」によってお客様接点を大きく広げ、「-196℃」「ほろよい」など、主要ブランドのマーケティング活動を継続的に強化します。
2021年 サントリースピリッツ(株)事業方針より引用
「サントリーホールディングス」は米国ビームサントリーと、アメリカでクラフトビールシェア2位を誇る「ボストン・ビール」との業務提携も発表しています。
急成長中のアメリカRTD市場も開拓するんだね!
サントリースピリッツ、サントリーホールディングスともに非上場ですが、グループ会社の「サントリー食品インターナショナル(2587)」は投資をすることが出来ますよ。
楽天証券では、アメリカ株である「ボストン・ビール」にも投資できてしまいます!
RTDとは【まとめ】
最後に、重要な点を復習しておきましょう。
- RTDとはフタを開けてすぐに飲める飲料のこと
- RTD市場は13年連続で拡大している
- 関連企業はRTD事業に注力している
本記事で紹介した企業以外にも「日本コカ・コーラ」や「CHOYA(3592)」などの企業もあります。
これを機にRTD関連銘柄に投資してみようかな!
今回は拡大し続けている「RTD市場」について解説してきました。
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