この記事の結論
- FRBやECBは「中央銀行」の役割を果たしている
- 利下げによって市場のお金の流動性が上がる
- 金融緩和政策は景気悪化に対応するもの!
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、世界で人やモノの動きが滞る中、各国の中央銀行は相次いで異例の金融緩和に踏み切りました。
「ECBが量的緩和政策に踏み切る」
「FRBが緊急利下げにより事実上のゼロ金利状態に」
といった報道をよく目にしますよね。
しかし、なぜ各国で利下げが行われているのでしょうか?
そもそもFRBやECBとは何なのでしょうか?
今回はこのような疑問を抱いてる方に向けて解説致します!
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そもそも、FRBやECBとは?
世界各国には中央銀行と呼ばれる国の金融機構の中核となる銀行が存在します。
中央銀行は、「紙幣の発行」や「民間銀行の銀行」としての機能のほか、国の経済バランスを保つために、民間銀行への貸出金利や通貨供給量を操作する金融政策を実行する権限を持っています。
日本では日本銀行(日銀)がこの役割を担っていますが、アメリカではFRB(連邦準備制度理事会)が、欧州連合ではECB(欧州中央銀行)がこれにあたります。
※FRB=Federal Reserve Bank ※ECB=European Central Bankの略称
FRBは、中央銀行じゃない!?
FRBは「連邦準備制度理事会」という名称にある通り、正確には銀行ではありません。
紙幣の発行など、実際の中央銀行業務は米国各地に置かれた12の連邦準備銀行が行います。
FRS(連邦準備制度)という米国の中央銀行制度がこの12の連邦準備銀行を統括しており、その中心機関がFRBなのです。※FRS=Federal Reserve System
中央銀行が12もあるなんて、地方分権色の強いアメリカらしい構成だね!
FRBはワシントンD.C. に本拠地が置かれ、7名の理事で構成されています。
中でも、最も権力のあるFRB議長の指名は大統領が行い、2020年3月時点の議長はジェームズ・パウエル氏です。
そして、FRBが年8回開催する、FOMC(連邦公開市場委員会)で、米国の政策金利の利上げや利下げといった金融政策を決定しているのです。
ECBとは?
一方、ECBはユーロ通貨圏(ユーロ圏)である19か国の統一的な金融政策を行っている中央銀行です。
統一通貨ユーロ導入に伴って1998年に設立され、本部はドイツのフランクフルトにあります。
現在(2020年4月)ECBの総裁は、フランス出身のクリスティーヌ・ラガルド氏が務めています。
ユーロ圏の金融政策は、各国の中央銀行に代わってECBの政策理事会が決定し、各国の中央銀行はその指示に従って金融調整を行います。
つまり、ヨーロッパの金融政策を左右する重大な決定をしている機関であるため、ECBの金融政策は米国のFRB同様、世界的に注目度の高いものなのです!
でも、利下げをすることでどんな効果があるんだろう?
ここまでで、FRBやECBがどのようなものであるかは理解できたかと思います。
では、なぜ今このタイミングで世界的な利下げが行われているのか、その理由に迫っていきましょう!
利下げは、景気回復に効果あり!
まず、「利下げ」とはどのようなものなのでしょうか?
利下げとは、中央銀行が行う金融政策の一環で、政策金利を引き下げることです。
一般的に政策金利が下がることで、金融機関は今までよりも低い金利で資金を調達できるので、企業や個人への貸出も低い金利で行いやすくなります。
すると、企業は仕入れや人件費など必要なお金を低金利で調達しやすくなり、個人は住宅ローンなどを低金利で借りやすくなります。
このように、世の中のお金の流動性を上げることで経済活動が活発になり、結果的に景気を上向かせる方向に作用することが期待されるのです。
景気を上向かせるために行われる金融政策は「金融緩和政策」と呼ばれるワン!
つまり、金融緩和政策である利下げは、一般的には景気を良くしようとするために行われる政策なのです。
この一連の流れのことを、「市場操作」とも呼びます。
今回のコロナショック(世界的株安)を受けて、金融機関や投資家たちの間では、消費低迷や企業の倒産といった実体経済の減速を強く懸念する声が上がっていました。
これを受けて、各国の中央銀行は利下げを行って景気後退に力強い対応をしているとアピールをしているのです。
利下げをしている国がたくさんあるみたいだね。。
3月31日の時点で米国やイングランド、カナダのほかに、香港、ノルウェー、台湾、インド、タイなどが緊急利下げを行っており、事実上のゼロ金利状態の国も多くあります。
今後も世界の利下げはしばらく続きそうなので、意識してニュースを見るといいですね。
今後の展望は?
このような主要中央銀行による一連の流動性供給策に関して、米トレードウェブ・マーケッツのCEO、リー・オレスキー氏は、市場の変動率を安定させるのに大いに「役立った」と評価しています。(参考:ロイター通信)
しかし、将来的にコロナショックが収まり、普通の金融政策を施す際、ゼロ金利であるがゆえに「利下げ」という手段を使えなくなるというデメリットもあります。
金融政策で一時的に市場を潤しても、根底にある新型コロナウイルスによる人とモノの動きの停滞や、それによる事業資金枯渇への懸念はなくなりません。
各国政府による企業の救済策や、個人消費落ち込みへの対応など、引き続きニュースをウォッチしていきましょう!
「いろはに投資」でも、引き続き皆さんに分かりやすく解説して参ります♪