2024年に新しいNISA(ニーサ)が始まることもあり、周りから「とりあえずNISAはやったほうがいい」と言われたことがある方もいらっしゃるでしょう。
今回は、NISAに興味はあるものの、一歩を踏み出せていないという方に向けて、NISAがどのような制度なのか、従来のNISA制度と新NISA制度の違いの比較とあわせてご紹介します。
筆者の周りでもNISAに興味があるから教えてほしいといった声をよく聞くようになりました。まずは本記事の内容を参考にしてください。
「NISAやっておけばいいんじゃない?」と言われる理由
NISAとは、少額投資非課税制度とも呼ばれ、投資にかかる税金をお得にする国の税制優遇措置のことです。
簡単に言えば、投資の利益にかかるはずの税金を非課税にできる制度であり、資産運用するうえでぜひ活用したい制度です。
国が後押ししているだけでなく、年齢・性別・年収・投資経験問わず活用でき、資産運用の効率アップにつながるため、いま多くの方に勧められている注目の制度です。
NISAは2023年6月末時点で口座数が約1,941万にも上ります。
2022年12月末時点で約1,800万口座なので、わずか年半で150万も口座が増えているのは、注目度の高さの表れといえるでしょう。
とはいえ、「NISAってすごい」「利用したい!」という声が聞かれる一方、「勧められたけどNISAっていまいちよく分からない…」という方も多いのではないでしょうか?
以下で、NISAがどのような制度なのか確認していきましょう。
新しいNISAは「いいとこどり」できます
NISAがいま非常に注目されている理由は、先にも記載のとおり2024年から新NISAがスタートするからです。
NISAは2014年にスタートした制度なものの、課題がいくつかありました。
2024年から始まる新NISAでは、これまでのいくつもの課題をクリアしています。
しかも新NISAでの大きな魅力は「いいとこどり」をした点です。
いいとこどりポイント
- 非課税期間が無期限
- 非課税枠の拡充
- つみたてNISAと併用OK
従来のNISAは、非課税にできる期間がつみたてNISAで20年・一般NISAで5年です。
非課税にできる投資額は、つみたてNISAが年間40万円・一般NISAで120万円でした。
つみたてNISAと一般NISAはどちらかしか利用できません。
つみたてNISAと一般NISAの特徴をまとめると以下の通りです。
- つみたてNISA:長期間非課税にできるけど年間の投資額が少ない
- 一般NISA:年間の投資できる額は大きいけど5年しか活用できない
その点、新NISAは非課税期間は無期限となり、年間投資額もつみたてで120万円・成長枠(一般NISA)で240万円に拡充しています。
また、つみたて投資枠と成長投資枠の両方を併用可能です。
投資初心者も経験者も使いやすく改善されていることからも、多くの方におすすめできる制度になりました。
NISAがほかの“投資”よりも優遇されているワケ
NISAは国による税制優遇制度です。
通常、投資の利益には約20%の税金がかかります。
例えば、投資で100万円儲けても約20万円が税金で持っていかれてしまうのです。
日本は戦後の日本の政策や国民性もあり、投資より貯蓄にお金を回す傾向があります。
OECDの調査によると、2019年末時点で、日本の家計に占める貯蓄の割合は55.5%に対して、株式・債券はわずか13.4%。一方、米国の家計に占める株式・債券の割合は53.4%にも上ります。
ただでさえ投資の割合が低いのにも関わらず、利益に対して税金がかかってしまっていては、投資をやりたくないと考える方もいらっしゃるでしょう。
国民に投資してもらうためには、投資のハードルを下げる必要があります。
そこで、利益から税金を取らないことを制度化したものがNISAです。
NISA制度を利用すれば、非課税枠の投資に税金が掛かりません。
先程の例であれば、本来20万円を税金で取られるはずだったのに、手元に残せます。
さらに、その20万円を投資に回せば複利で利益を増やせます。