・住宅ローンを借り換えたいけど失敗したくないな…
・借り換え先ってどう選べばいいのか知りたい!
このような疑問にお応えします。
この記事の結論
- 借り換えは金利だけでなく支払額トータルで検討する
- 住宅ローン控除の適用や付随サービスについてもチェックが必要
- しっかりとシミュレーションして検討しよう
「住宅ローンを借り換えればお得になる」という話を耳にした人もいるでしょう。
借り換えでは、今よりも好条件の住宅ローンに借り換えることで、住宅ローンの返済額を大幅に抑えることが可能です。
ただし、借り換え先によっては返済の負担が増えてしまうなどデメリットもあるので、慎重に判断しなければなりません。
とはいえ、借り換えが初めての方がほとんどなので、何に注意すればいいのか?借り換え先をどう選べばいいのか分からない、という方も多いはず。
そこで、今回は住宅ローンの借り換えの注意点・後悔するケースや損しないためのポイントを分かりやすく解説します。
この記事を読んで借り換えの不安を解消して、住宅ローンの返済の負担を減らせるようにしましょう。
住宅ローン借り換え先に関する注意点
借り換え先の注意点として押さえておきたいポイントには、次の3つが挙げられます。
住宅ローンの借り換えを検討している方は、「【金利タイプ別】住宅ローン借り換えおすすめランキングをご紹介!借り換え先を選ぶポイントとは?」の記事もご覧ください。
借り換え条件次第では住宅ローン控除を受けられなくなる
住宅ローン控除を現在利用している場合は、借り換え後に適用できなくなる可能性がある点に注意が必要です。
住宅ローン控除
住宅ローンを利用してマイホームを購入した場合一定額を控除できる税制優遇措置。
毎年年末時点残高に対して0.7%の額を、最長13年間所得税と住民税から控除できる。
例えば、年末時点のローン残高が2,000万円あれば、2,000万円×0.7%=14万円を所得税と住民税から控除できます。
控除額によっては金利と同程度の額が還元されるから、上手に活用するとお得だワン!
ただし、住宅ローン控除の適用には条件があるので、条件をしっかり把握しておくことが大切です。
住宅ローン控除の条件は次のようなものがあります。
- 自分で居住するための住宅
- 床面積が50㎡以上(一定要件を満たせば40㎡)
- 合計所得額が2,000万円以下
- 住宅ローンの借入期間が10年以上
- 引き渡し又は工事完了から6ヵ月以内に入居
このような条件を満たすことが必要になります。
借り換えで問題となるのが「借入期間が10年以上」という点です。
繰り上げ返済した結果、すでに返済した期間と住宅ローンの残り期間の合計が10年以下になってしまった場合、住宅ローン控除の適用を受けられなくなってしまう点に注意しなければなりません。
繰り上げ返済で期間を短縮する場合は注意が必要だね。
諸費用を含めたトータルで比較する
住宅ローンの借り換えは、単に金利だけに注目していると返済額がお得にならない可能性があるので注意が必要です。
借り換えでは、さまざまな費用が必要になるため手数料まで含めるとトータルの支払額が借り換え前よりも増えてしまう可能性があるのです。
借り換えには「ローン完済のための諸費用」「新しくローンを組むための諸費用」の2つの手数料があります。
ローン完済のための諸費用
項目 | 目安額 |
---|---|
登録免許税(抵当権抹消登記) | 不動産数×1,000円 |
司法書士費用 | 1~5万円ほど |
繰り上げ返済手数料 | 1~3万円ほど |
新しくローンを組むための諸費用
項目 | 目安額 |
---|---|
登録免許税(抵当権設定登記) | 借入額×0.1%(令和6年3月31日まで) |
司法諸費用 | 1~5万円ほど |
印紙税 | 2~6万円ほど |
金融機関の事務手数料 | 借入額×2.2% または1~5万円ほど |
合計すると50万円~100万円ほどかかるのが一般的です。
そのため、借り換えで削減できる額によっては手数料を含めると損してしまう可能性があります。
例えば、次の条件での借り換えを見てみましょう。
借り入れ諸条件 | 返済総額 | |
---|---|---|
借り換え前 | ローン残高2,000万円 残期間20年 (当初:借入額3,000万円/35年) 金利1.5% | 22,045,200円 |
借り換え後 | 借入額2,000万円 借入期間20年 金利0.8% | 21,649,200円 |
上記の場合、返済総額では約40万円減らすことができています。
しかし、2,000万円の借り換えで必要な諸費用の目安は、次のとおりです。
- ローン完済のための諸費用:8.5万円
- 新しいローンのための諸費用:60万円
- 合計:68.5万円
40万円減らせても68.5万円の手数料がかかると、30万円近く支払いが増えているね…
また、借り換えの手数料は自己資金で支払支払わなければならない点にも注意が必要です。
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固定期間選択型金利は再選択時の優遇金利を確認する
借り換えでは、金利タイプも変更できます。
次のようなパターンがあるでしょう。
- 固定金利→変動金利(金利の安さを重視)
- 変動金利→固定金利(返済の安定性や金利上昇リスクを回避)
金利の安さを重視しつつ一定期間の返済は安定させたい、という人に適している金利タイプとして「固定期間選択型金利」があります。
固定期間選択型金利
一定期間は固定金利の金利タイプ。
固定期間終了後は再度5年や10年といった固定期間を選択する(金利の再選択)か、選択しない場合には変動金利へ移行する。
「子供の教育費がかかる時期は安定させたい」といった場合におすすめだね!
ただし、固定期間選択型金利は金利再選択時の適用金利に注意が必要です。
住宅ローンの金利には店頭金利と適用金利があります。
「通常は店頭金利だけど、キャンペーンの適用を受けて適用金利になっている」と考えるとよいでしょう。
例えば、店頭金利は3.0%だけど、新規で住宅ローンを組む場合は2%の金利優遇を受けて1.0%の適用金利となる、といったイメージです。
しかし、上記のような金利優遇を受けられるのは、新しく住宅ローンを組んだ時だけで、金利の再選択時には優遇幅が小さくなる、といったケースもあるのです。
仮に、金利の再選択時の優遇幅が1%だった場合、10年間の固定期間終了後、仮に店頭金利が3.0%から変わっていなくても、1%の金利優遇を受けて適用金利が2.0%になります。
住宅ローン借入時の優遇幅と金利の再選択時の優遇幅は金融機関によって異なります。
そのため、固定期間選択型金利を選ぶ場合は事前に確認しておくようにしましょう。
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住宅ローン借り換え審査時の注意点
借り換えってまた審査が必要だよね。不安だな …
住宅ローンの借り換えでは、新しいローンを組むために再度審査を受ける必要があります。
前のローンで審査に通ったからと言って、次のローンでも必ずしも審査に通るわけではありません。
状況によっては、借り換え審査に落ちてしまう可能性もあるのです。
ここでは、借り換え審査での注意点として、次の3つを見ていきましょう。
他のローンを延滞していると審査に通らなくなる
借り換え審査に影響するポイントとして、個人信用情報があります。
今借りている住宅ローンはもちろんですが、他に教育ローンやフリーローン・クレジット払いなどで延滞があると審査が否決になる可能性が高いのです。
他のローンもダメなの?
金融機関では、住宅ローン審査の際に個人信用情報をチェックします。
個人信用情報には、車のローンやクレジットカードの返済状況なども記録されています。
ローンを延滞したという情報も個人信用情報に記載され、いわゆる「ブラックリスト」になってしまいます。
一度ブラックリスト化してしまうと、そこから数年は借入が難しくなるでしょう。
前の住宅ローン審査後に、別のローンも借入して延滞していると借り換え審査が通りにくくなるので注意が必要です。
ちなみに携帯端末料金が含まれている携帯料金の月々の支払いも、信用情報に記載されるから注意が必要だワン!
個人信用情報は個人でも確認できるので、不安がある人は一度取り寄せてチェックしてみるとよいでしょう。
他のローンを借りると返済比率が上昇する
ローン審査では、返済比率も重要です。
返済比率
年収に対する年間返済額の割合のこと。
住宅ローンの審査では、一般的に返済比率30~35%が基準といわれています。
この返済比率を求める際は、住宅ローンだけでなく他のローンもあわせた返済額の合計になるという点に注意が必要です。
例えば、次の場合を見てみましょう。
- 年収:500万円
- 住宅ローンの返済額(年間):120万円
この場合の返済比率は、「120万円÷500万円×100(%)=24%」と30%を下回っています。
しかし、ここに別のローンの支払いが年間60万円あったとすると、返済比率は「(120万円+60万円)÷500万円×100(%)=36%」と30%を超えるため、借入が難しくなるでしょう。
住宅ローン以外に別のローンを組んで現在返済中という場合は、先に別のローンの完済を検討するのもおすすめです。
金利が高いものから優先的に返した方がいいワン!
返済比率については「住宅ローンは年収の何倍まで借入できる?平均年収倍率や理想の借入額について解説」で詳しく解説しています。
健康問題で団信の審査に通らなくなる
住宅ローンを組む場合、多くの金融機関で団信への加入が必須となります。
団信(団体信用生命保険)
契約者が死亡などで返済できない状況に陥った場合、ローン残債が0円になる制度。
団信に加入する際には、健康状態がチェックされます。
最初に住宅ローンを組む際は20代や30代前半で健康だったという場合でも、借り換え時には健康状態が悪化している方もいるでしょう。
健康状態によっては団信に通らずに、住宅ローンを借り換えできない可能性がある点には注意が必要です。
金利は少し上がるけど、団信の基準を緩めたタイプのローンを用意する銀行もあるワン!
住宅ローン借り換えで後悔しやすいケース
住宅ローンの借り換えで後悔しやすいケースってあるのかな?
ここでは、住宅ローンの借り換えで後悔しやすいケースを見ていきましょう。
次のようなケースでは後悔しやすいので、注意が必要です。
それぞれ見ていきましょう。
金利動向をよく調べていなかった
借り換え後の金利タイプは慎重に検討しなければ、返済の負担が増加してしまう可能性があります。
特に、固定金利から変動金利に借り換える場合は注意が必要です。
変動金利の金利の安さだけで判断していると、将来金利上昇時のリスクが大きくなります。
2022年12月に日銀が実質的な利上げを公表していて、今後、継続的に金利が上がる可能性もあるんだワン!
変動金利は、金利が上がらなければ金利の安さのメリットを活かせます。
しかし、将来金利が上がってしまうと反対に返済の負担増というデメリットがあるのです。
ただし、金利が上がらない、もしくは下がるという局面では変動金利の方がお得になるでしょう。
金利動向をしっかりと調べたうえで金利タイプを決めなければ、借り換え後に後悔する可能性が高くなってしまうのです。
とはいえ、20年や30年先の金利状況を見通すのは無理があります。
そのため、変動金利の場合は、万が一金利が上がっても返済の負担に耐えられる収入や資産があるといった対策が必要になるのです。
それぞれの金利タイプの特徴やメリット・デメリットを理解したうえで対策できるかまで考慮して、金利タイプを選ぶようにしましょう。
借り換え前と借り換え後でしっかりシミュレーションしていなかった
借り換えを検討するうえでは、借り換え前と借り換え後でのシミュレーションを入念にする必要があります。
手数料を含めると損したり、住宅ローン控除が使えなかったりするんだよね
また、返済総額を減少できても返済期間を短くすることで、月々の返済額は増加してしまうケースもあるでしょう。
「金利が低いから返済の負担が減るはず」と安易に借り換えすると失敗してしまうものです。
モゲチェックなどのサービスでしっかりと返済シミュレーションを比較したうえで、慎重に決めるようにしましょう。
付随サービスを考慮していなかった
各金融機関は、住宅ローンにおいて、次のような付随サービス等で差別化を図っています。
- 団体信用生命保険の保障内容や保険料
- 金利優遇
- グループ会社の割引
- ポイント付与
- ATM手数料の割引など
どのようなサービスが付いているのかまで把握しておかないと、返済額を減らせてもサービスが悪くなる場合もあります。
特に、団信の保障内容には注意が必要です。
借り換えすると、新しい住宅ローンで別の団信に加入することになります。
借り換えの際に保障内容も見直すことでより充実させられる反面、金融機関によっては今の保障よりも条件が悪くなる場合もあるのです。
返済額を減らせられても、団信の保障が足りずに別に医療保険に加入するのであれば、支出が変わらない場合もあるでしょう。
住宅ローン借り換えで後悔しないためのポイント
借り換えに失敗しないコツが知りたいな!
ここでは、借り換えで後悔しないために押さえておきたいポイントとして、次の2つを紹介します。
それぞれ見ていきましょう。
将来を含めて金利動向をチェックする
一般的に、住宅ローンの借り換えでお得になる条件の目安としては、次のようなものがあります。
- 金利差1%以上
- ローン残額1,000万円以上
- ローン返済期間残り10年以上
上記の条件以外では、借り換えしてもお得にならない可能性が高いものです。
まずは、金利差が1%以上今よりも低くなるかを確認するとよいでしょう。
そのうえで、将来の金利動向も加味して金利プランを決める必要があります。
例えば、将来金利が上昇する予測なら固定金利を選択するほうが良いでしょう。
万が一、金利が上昇しても対応できる資産があるのなら、変動金利を選択することでより返済の負担を抑えることも可能です。
反対に、資産があるなら多少返済額がアップしても将来の金利上昇リスクを避けるために固定金利に借り換えるという選択肢もあります。
借り換えする際には、「お得になる条件」「金利の動向」「リスクへの対応ができるか」など総合的に借り換えを検討する必要があるのです。
支払い総額でお得になっているかをチェックする
借り換えするかどうかは「返済総額+手数料」のトータルの支払額で決めることが大切です。
変動金利や固定期間選択型金利は金利を抑えられるので、トータルでの返済額も減少しやすいでしょう。
ただし、将来金利が上昇する可能性がある点には注意が必要です。
ポイントは分かったけど、借り換え先をどう判断すればいいのか1人では不安だよ…
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住宅ローン借り換えの注意点に関してよくある質問
最後に、借り換えの注意点に関するよくある質問を見ていきましょう。
借り換えで金利が低くなっても損をするケースはある?
借り換えでは返済額だけでなく手数料まで考慮する必要があります。
返済額が大きく減少しない場合、手数料を含めると支払総額は借り換え前よりも増加してしまう可能性があるのです。
また、返済総額を減らせても、固定金利から変動金利に借り換えた場合、借り換え後に金利が上昇してしまう場合もあります。
そうなると、返済総額が借り換え前よりも増える可能性もあるでしょう。
金利だけでなく、トータルで判断することが大切なんだね!
団信に通らなくても借り換えできる?
多くの金融機関で団信の加入が必須です。
健康状態に不安がある場合、団信加入を必須としていない「フラット35」や加入条件が緩和されている「ワイド団信」を検討するのも一つの手でしょう。
団信に通らなくても借り換え自体は可能ですが、選択できる金融機関や商品の幅が狭くなる点には注意が必要です。
転職したばかりでも借り換えできる?
金融機関の審査の際には勤務年数もチェックされます。
転職後で勤務年数が短い場合、審査に不利になる可能性があるでしょう。
ただし、資格職など一部の条件を満たすことで審査に影響しないケースもあります。
とはいえ、金融機関によっては「勤務年数1年以上」などの条件を設けられている場合もあるので、借り換えするなら転職前がおすすめです。
住宅ローン審査と転職について詳しく知りたい人は、以下の記事でも詳しく解説しているので参考にしてみてください。
【まとめ】注意点を踏まえて借り換えを検討しよう
借り換えの注意点がよく分かったよ!まずはモゲチェックで相談してみるね!
最後にこの記事の重要なポイントをまとめます。
- 借り換えは金利だけでなく支払額トータルで検討する
- 住宅ローン控除の適用や付随サービスについてもチェックが必要
- しっかりとシミュレーションして検討しよう
借り換えを検討しているなら、まずはモゲチェックで借り換えがお得な銀行を比較するのがおすすめです。
借り換えによる削減額も分かるため、今自分が借り換えるべきかどうかも判断できます。
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