毎週月曜日に更新する『投資初心者向け注目ニュース』では、いろはにマネー会員様に向けて、先週の振り返りや今週の注目トピックを分かりやすくお伝えします。
今週も、いろはにマネー編集長の曽根原がお届けします!
①米大統領選、バイデン氏が撤退しハリス氏出馬へ
7月21日、米民主党のバイデン大統領が11月の米大統領選挙からの撤退を表明しました。
バイデン氏の辞退に伴い、現副大統領のカマラ・ハリス氏が民主党の新たな党候補となりました。
バイデン氏は主な撤退理由を「民主党の勝利のため」としており、そのために世代交代をすべきだという決断に至りました。
残りの半年間は、大統領としての仕事に集中するとしています。
今年82歳となるバイデン氏の認知能力を懸念する声は、民主党内からもしばしば上がっていたようです。
そこで、現在59歳のハリス氏にバトンを渡すことを、米国団結のための最善の道として選びました。
世論調査でトランプ氏に先行されてしまったことも、出馬を断念した要因です。
さて、ハリス氏にバトンが託された今、ハリス氏とトランプ氏の支持率はどうなっているのでしょうか。
驚くべきことに、2つの別々の世論調査において、両者の支持率はともに拮抗しています。
トランプ氏の支持率 | ハリス氏の支持率 | |
---|---|---|
世論調査⓵ | 42% | 44% |
世論調査② | 46% | 45% |
2020年のバイデン氏の勝因は?
2020年の大統領選では、バイデン氏が激戦州(スイングステート)の白人労働者の支持獲得に成功したことが勝因の1つとして考えられています。
「スイングステート」にはミシガン州やウィスコンシン州、ペンシルベニア州などが該当します。
実は、幼少期の数年間をウィスコンシン州で過ごしたハリス氏。
7月18日まで共和党大会が行われていた同州で、いかに白人労働者の支持を獲得できるか注目です。
米大統領選のスケジュールを確認
連日話題となっている米大統領選挙ですが、今回の大統領選挙は11月5日 火曜日に行われます。
投票日は、連邦法により「11月の第1月曜日の翌日」と決められているためです。
では、なぜ選挙日の何か月も前から大きな話題を呼んでいるのでしょうか。
簡単に、米大統領選の流れを確認してみましょう。
それぞれの党大会の日程は以下の通り。
党 | 日程 |
---|---|
共和党大会 | 2024年7月15日~7月18日 |
民主党大会 | 2024年8月19日~8月22日 |
共和党大会は、トランプ前大統領が銃撃事件にあった2日後の7月15日に開幕しました。
ここで正式に共和党の代表者が指名されました。
- トランプ氏が共和党の大統領候補者
- J・D・バンス上院議員が共和党の副代表候補者
民主党大会はこれから行われますが、ハリス氏が党候補になることは確実と言って良いでしょう。
気になる株式市場への影響ですが、トランプ氏の当選が濃厚となれば以下のような影響があります。
- 低金利と低課税政策
トランプ氏は低金利と低課税を主張しているため、アメリカの利下げ見通しが進み株価が上がる可能性があります。
また、低課税政策により企業収益も底上げされるでしょう。
- 関税政策と貿易戦争
対中課税の強化により、国際貿易が混乱するかもしれません。また、日本の輸出企業にも影響する可能性も。
ただし、米国企業にとってはプラスに働きます。
- 選挙期間中の株式市場の混乱
トランプ氏は「バイデン政権で株価が下がり、自分の就任で株価が上がる」というシナリオを描く可能性が高いです。
そのため、選挙期間中は株式市場にネガティブな政策・ボラティリティを高める発言を繰り返すかもしれません。
そして当選後は徐々に現実的な政策や株式市場にポジティブな発言をして、株価上昇を演出する可能性があります。