毎週月曜日に更新する『投資初心者向け注目ニュース』では、いろはにマネー会員様に向けて、先週の振り返りや今週の注目トピックを分かりやすくお伝えします。
今週も、いろはにマネー編集長の曽根原がお届けします!
長期金利が上昇!株価や住宅ローンへの影響は?
5月30日、国内の長期金利が一時1.1%まで上昇しました。
以下は、長期金利の指標となる10年物国債利回りのここ3年間の推移です。
右肩上がりで上昇し続けていることがわかりますね。
長期金利が1.1%を記録するのは、2011年7月以来約13年ぶりです。
5月29日に米国の長期金利が上昇したり、日銀の追加利上げへの警戒感が広がっていたりと、円債市場の地合いは悪化しています。
これらの影響で、日本国債を売る動きが強まったのでしょう。
長期金利の上昇は、株価の下落にもつながります。
5月30日午前、東京株式市場で日経平均株価は大幅下落し、3万8,000円を割り込みました。
金利と株価の関係を簡単にまとめると次のようになります。
- 金利上昇→株価下落
- 金利低下→株価上昇
金利が上昇すると企業の資金調達コストが上がるという懸念も。
また、リスクの低い債券の方が利回りが高いのであれば、あえて株に投資したいと思う投資家も減ります。
そのため、金利上昇=株価下落となることが多いです。
金利上昇の影響は住宅ローンにも!?
住宅の購入を考えている人は、今回の長期金利上昇を受けて注意が必要です。
住宅ローンの固定金利は長期金利を基準としているため、今回の金利上昇に連動して引き上げられる可能性が高いです。
実際、3月31日に長期金利が約10年ぶりの0.955%を記録したことをうけ、固定ローン金利を大手銀行5社が軒並み引き上げました。
今回の長期金利引き上げに伴い、今後さらに固定ローン金利は高まっていきそうです。
もちろん、固定金利で既に借りている人に影響はありません。
住宅ローンには、次の3タイプがあります。
- 変動金利
- 固定期間選択型金利
- 全期間固定金利
次のグラフは、住宅ローンで利用した金利タイプの割合を示したものです。
7割以上の人が利用している変動金利では「短期プライムレート」と呼ばれる短期金利を参照するので、まだ大きな影響はありません。
短期プライムレートとは?
銀行が企業に貸し出す際の最優遇金利のうち「1年未満の短期貸出金利」
実際、日銀が公表している短期プライムレートの推移をみると、金利の急上昇は起こっていないことが分かります。
最頻値 | 最高値 | 最低値 | |
---|---|---|---|
2001年3月28日 | 1.375% | 1.625% | 1.375% |
2006年8月24日 | 1.625% | 1.875% | 1.625% |
2007年3月20日 | 1.875% | 1.875% | 1.625% |
2010年3月10日 | 1.475% | 1.725% | 1.475% |
2015年2月10日 | 1.475% | 1.725% | 1.475% |
2020年4月10日 | 1.475% | 1.725% | 1.475% |
2022年9月9日 | 1.475% | 1.725% | 1.475% |
とはいえ、今まで上昇していないからこれからも上昇しない、というわけではありません。
金利が上がり続けると短期金利も見直しが入るので注意が必要です。
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