毎週月曜日に更新する『投資初心者向け注目ニュース』では、いろはにマネー会員様に向けて、先週の振り返りや今週の注目トピックを分かりやすくお伝えします。
今週も、いろはにマネー編集長の曽根原がお届けします!
NYダウが一時史上初の4万ドル到達!今後はどうなる?
5月16日の米国株式市場で、ダウ工業株30種平均が一時、取引時間中として初めて4万ドルの大台を記録しました。
以下は、ここ5日間のNYダウ平均株価の値動きです。
4万ドル到達後は、利益確定の売りや短期的な相場の過熱感への意識で反落していますね。
これは、前日の決算発表で市場予想を上回る強気な売上高見通しを示したことが引き起こしました。
NYダウのこれまでの最高値は2024年3月28日につけた39,807.37ドル、約1か月半ぶりの最高値更新となりました。
史上初の4万ドル到達の背景には、5月15日に発表された米消費者物価指数(CPI)があります。
消費者物価指数(CPI)とは?
- 「Consumer Price Index」の略
- 消費者が購入する各種の消費やサービスの小売価格の変動を調査・算出した経済指標
- インフレの度合いを測るための一般的な指標で、市場や経済動向に影響を及ぼす
消費者物価指数について詳しくは知りたい方はCPI(消費者物価指数)とは?総合とコアの違いやアメリカ・日本の数値を解説!の記事も併せてご覧ください。
発表されたCPIの前月比上昇率が市場予想の0.4%を下回る0.3%にとどまったことで、インフレ再加速への警戒感が和らぎ、FRBが年後半には利下げに踏み切るとの見立てが広がりました。
これを受け、市場では米経済が軟着陸するシナリオを織り込む動きが加速し、株価を押し上げているのです。
「経済が軟着陸(ソフトランディング)する」とは、好景気が最終段階を迎え、成長の速度を少しずつ低下させることを意味します。
反対に、成長の減速が激しいことを「ハードランディング」と呼びます。
景気循環における好況期の終盤には経済への悪影響を最小限に抑えるために、いかに軟着陸させるかが重要視されているのです。
米国株式市場の今後はどうなる?
4万ドル到達後は少々反落していますが、今後はどうなっていくのでしょうか。
前述したように、インフレの勢いが鈍化しFRBによる年内の利下げ観測が強まったことは株式市場にとってはプラスです。
一方で、FRB自体は早期の利下げに慎重な見方を示しています。
16日、米長期金利の指標となる10年物国債利回りは前日比0.03%高い4.37%で終えました。
米長期金利の上昇(債券価格の下落)は株式市場にとっては重荷となっており、目先では売り買いが交錯しそうです。
個人的には、6月までは横ばいか若干の上昇基調で推移し、7月以降9月中頃までは夏枯れしていくのではないかと予想しています。
また、8月下旬に開催予定のジャクソンホール会議と呼ばれる、世界各国の中央銀行総裁や政治家、経済学者などの専門家が集まる会議や、11月に控える米国大統領選挙など、年内の米国市場は波乱を予感させます。
利下げはいつ実施されるのか、次の大統領は誰になるのか、それらに伴い世界中の市場が動きます。
やはり米国の動向からは目が離せませんね。
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