※GW期間のため、5月2日時点の情報を元に作成しています。
毎週月曜日に更新する『投資初心者向け注目ニュース』では、いろはにマネー会員様に向けて、先週の振り返りや今週の注目トピックを分かりやすくお伝えします。
今週も、いろはにマネー編集長の曽根原がお届けします!
ドル円が160円→153円台に!?”為替介入”を知らないと損する…
日本時間の5月2日早朝、アメリカのFOMC後に急激な円高・ドル安が進み、一時1ドル=153円台まで上昇しました。
FRBのパウエル議長が会見で、追加利上げの可能性を否定するなどハト派的発言を繰り返したことで、米金利の低下が予測され円高・ドル安が進みました。
ハト派とは金融緩和的な政策を支持する傾向がある発言、反対に金融引き締め的な政策を支持する発言はタカ派と呼ばれます。
4月29日午前の時点では、一時34年ぶりの円安・ドル高となる1ドル=160円台まで下落しており、先週1週間で円相場は大きく乱高下しました。
以下が先週1週間のドル円の動きです。
160円が155円台になったり、大きく動いています。
ここまで円相場が変動している背景として、市場では日銀の為替介入があったとの声が出ています。
4月29日時点の急騰時点では、神田真人財務官は為替介入の有無について言及しませんでしたが、市場では為替介入とみられる大規模な取引が観測されていました。
また、同日神田財務官は「異常な変動は看過しがたい」と話し、さらなる介入の機会を伺っていたとされ、FOMC後の急騰でも為替介入があったとする見方が強まっています。
明言はされていませんが、為替介入があったと考えていいと思います。
為替介入とは
為替介入とは、通貨当局が外国為替の売買を行うことであり、「外国為替平衡操作」とも言われます。
日本では、財務大臣が円相場の安定を実現するために用いる手段として位置づけられています。
為替介入の目的としては、主に以下の3つが挙げられます。
- 通貨の過度な上昇・下落を防ぐため
- 金融市場の安定を維持するため
- 外貨準備の管理や為替リスクの管理のため
また為替介入には、円安是正のための円買い介入と、円高是正のための円売り介入があります。
どちらの介入でも市場に出回る円の供給量を調整することで、為替の値動きをコントロールします。
しかし、為替介入は一時的な効果にとどまってしまうことも。
実際に今回も一時153円台を記録してから数時間後には156円台まで円安が進みました。
実質的な日米の金利差をはじめ、円安の根本的な問題が解決されるわけではありませんからね…
為替介入はFXに影響があるのはもちろん、株式投資にも影響を与えます。
市場は将来の予想を織り込んで動くため、日銀やFRBなどの中央銀行の政策に関する発言に大きく左右されるのです。
為替介入の中には「口先介入」と呼ばれる、政府高官などによる通貨誘導を目的とした発言も存在するほど、市場は敏感に反応します。
各所の発言が市場の参加者にどう捉えられるのかを考えるようにすることが大切です。
今後もFRBと日銀、両者の発言と市場への影響については本記事の中で積極的に取り上げていくので、ぜひ毎週月曜日には目を通していってくださいね。
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