毎週月曜日に更新する『投資初心者向け注目ニュース』では、いろはにマネー会員様に向けて、先週の振り返りや今週の注目トピックを分かりやすくお伝えします。
今週も、いろはにマネー編集長の曽根原がお届けします!
家計金融資産が株高で過去最高に!23年末2,141兆円
日銀は21日、23年12月末の家計金融資産が前年同期比5.1%増の2,141兆円であったと発表しました。
これで、5四半期連続で過去最高を更新したことになります。
金融資産増加の要因は、株高による株式や投資信託の含み益の増大。
それぞれの残高増加率を見てみましょう。
- 株式:29.2%増
- 投資信託:22.4%増
この増加の背景には、次のようなものがあります。
- 日経平均株価が高水準で推移してきたこと
- NISAの利用が国民の間で広まってきたこと
政府広報の影響でNISAがかなり浸透しましたね!
以下は日経平均株価の推移です。
2021年ごろから横ばいだった株価は2023年から急上昇。
2024年2月にはバブル崩壊後初めて史上最高値を更新しました。
NISAで日本株を購入していた人にとっては嬉しい1年になったことでしょう。
また、12月末時点での国債の日銀保有率が53.8%だったことも発表されました。
日銀の国債保有率はこれで6四半期連続の50%超え。
2023年では、大規模緩和政策の一環で長期金利を低くするために、日銀が国債を大量購入する形となりました。
日銀の金融緩和政策について詳しく知りたい方は、「日銀の金融緩和とFX(為替)取引の関係を分かりやすく解説!」の記事もご覧ください。
なお、日銀の大規模緩和政策は今週でガラッと変わることが決定したので、注意が必要です。
次のトピックで詳しい変更点などをまとめているので、ぜひ最後までご覧下さい。
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日銀がマイナス金利政策を解除!市場はどうなる?
日銀は19日、大規模緩和政策の解除を決定しました。
具体的な政策の解除には、以下のようなものがあります。
- マイナス金利政策の解除
- 長短金利操作(YCC)の撤廃
- ETFの買い入れ縮小
マイナス金利政策をはじめとする大規模緩和解除の判断において重要視されたのは、「賃金と物価」です。
- 賃上げ率:24年の春季労使交渉第1回集計結果で平均5.28%となり、33年ぶりに5%を超えた
- 物価上昇:消費者物価指数が前年同期比2%以上の上昇を維持してきた
賃金の増加に伴う2%の物価上昇という好循環が、大規模緩和解除の決め手となりました。
解除前と解除後の変化をまとめてみました。
政策 | 解除前 | 解除後 |
---|---|---|
マイナス金利政策 | 当座預金の一部に-0.1% | 0~0.1%に誘導 |
長短金利操作(YCC) | 短期金利-0.1%、 長期金利0% | 長期国債の買い入れは継続 |
ETFの買い入れ | 買い入れ増加により、 23年9月末時点で約37兆円保有 | 買い入れ終了 |
マイナス金利政策は解除されましたが、追加の利上げは急がない方針のようです。
このことから低金利の状況はしばらく続くとの見方が強く、円売りは依然として活発。
円安はしばらく続くと考えられるでしょう。
追加の利上げの見通しが不明瞭なことが、円売りを促進する要因となっているようです。
長短金利操作(YCC)とは?
- 政策金利を短期で、国債の金利を長期で操作する政策のこと
- 金利を低水準に保つことで経済を活性化させ、物価の上昇を促す。