毎週月曜日に更新する『投資初心者向け注目ニュース』では、いろはにマネー会員様に向けて、先週の振り返りや今週の注目トピックを分かりやすくお伝えします。
今週は、いろはにマネー編集長の曽根原がお届けします!
ベネフィット・ワン社へのTOB期間延長!
エムスリーは12日、ベネフィット・ワンへの株式公開買い付け(TOB)期間を2024年1月17日に延期することを発表しました。
これは、第一生命ホールディングスが対抗TOBを発表したことに対して検討するためとされています。
2社からのTOB発表を受け、ベネフィット・ワンの株価は上昇しています。
ベネフィット・ワンを巡る、これまでの流れをまとめます。
11月14日、エムスリーはパソナグループ傘下のベネフィット・ワンにTOBを行い、子会社化することを発表しました。
ベネフィット・ワンは株式の51.16%を親会社のパソナグループが保有しており、そこに一般株主からの買い付けも併せて最大55%の株式をエムスリーが取得する計画でした。
エムスリーが提示した買い付け価格は1,600円で、TOB発表前日の株価に37%ほどのプレミアムをつけた形となります。
これを受けて、ベネフィット・ワンの株価は翌日ストップ高となりました。
TOBでは多くの場合、買収企業が現在の株価よりも高値で買い取ってくれるため株価は大きく上昇します。
その後パソナグループとエムスリーは保有株売却で合意し、TOBは成立すると思われていました。
しかし12月7日、第一生命ホールディングスがエムスリーに対抗する形でベネフィット・ワンへのTOBを発表しました。
買い付け価格は1,800円以上としており、当初エムスリーが発表していた1,600円から大きく上回る形となっています。
エムスリーがこれに対抗する場合、買い付け価格はさらに上昇していくでしょう。
ベネフィット・ワンの株価は14日終値で1,965円となっています。
これは第一生命ホールディングスの買い付け価格を上回っており、TOB合戦が続くとの思惑から買われているのでしょう。
パソナグループは既にエムスリーと合意していますが、第一生命ホールディングスの対抗TOBについては「慎重に検討する」としています。
最近は上場子会社へのTOBが増えてきているので、こういったニュースを元に投資候補を選んでいくのも一つの手法です。
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FRB、ECB、BOEともに金利据え置き
13日に開かれたFOMCで、FRBは政策金利を5.25%-5.50%で据え置くことを決定しました。
これで3会合連続の据え置きとなり、また利下げも示唆しました。
これを受けて米国株式市場は急騰し、NYダウは最高値を更新しました。
FOMC後は銀行やエネルギー、不動産セクター等が中心に買われました。
遂に利下げについての議論が出たことで、市場参加者は楽観的なムードに包まれているようです。
投資家心理を反映すると言われているVIX指数は12日、12.07と歴史的低水準まで達しました。
VIX指数は別名「恐怖指数」と言われており、数値が高いほど投資家が相場を不安視していることになります。
また欧州中央銀行(ECB)は14日、英国中央銀行(BOE)は2日、それぞれ金利据え置きを決定しました。
2021年から続いた利上げも遂に終了かとの見方が強まっています。
とはいえインフレ率は以前として高止まりしており、インフレが再燃した場合は追加の引き締めも辞さないとしています。
ECBも同様に、インフレに対して警戒を緩めてはならないとの声明を発表しています。