2024年も半分を過ぎ、市場の潮目が変わってきました。
日経平均は5日に史上最大の下げ幅を記録し、翌日には最大の上げ幅となりました。
一時は160円を超えていたドル円も、1ヶ月で140円台まで上昇しています。
これほど値動きが激しいと、特にNISAを始めたばかりの人にとっては不安が大きいでしょう。
そこで今回は、円高が進行する中でオルカンやS&P500に積立投資をしている人に向けて、今後の見通し・取るべき行動について解説します。
円高の原因は?
まず、ドル円チャートから確認していきましょう。
右肩上がりで円安が続いていましたが、7月に入ってから大きく円高に振れていることが分かります。
原因として、主に以下の2つが考えられます。
それぞれについて詳しく見ていきます。
トランプ氏の再選とドル高けん制
トランプ氏は米国第一主義を掲げ、国内労働者を守ることをポリシーとしています。
そのため、金利を下げてドル安を促し、輸出をしやすくすることで国内企業を保護しようとしています。
ドル高をけん制し、ドル安円高を目指す政策を掲げているね。
そんな中、7月13日の選挙集会中に銃撃事件が起こり、トランプ氏の再選を求める声が一層強まりました。
これにより、トランプ氏の大統領選勝利の見方が強まり、ドル安円高の動きが進みました。
インフレ鈍化による米国利下げ期待と日本の利上げ観測
また、日米の金利差が縮小していることも、円高の原因として考えられます。
7月30、31日の日銀会合において、政策金利を0.25%に引き上げることが決定されました。
一方、アメリカでは消費者物価指数(CPI)が市場予想を下回り、インフレの鈍化を示しています。
インフレが落ち着いたことで、アメリカは9月の利下げが確実視されてきたんだよ。
さらに、CPI発表後は日銀による為替介入(円買い)もあり、円高傾向に。
日米の金利差が少しずつ縮小するとの見方から円高に拍車がかかりました。
円高がオルカン・S&P500に与える影響
では、円高はオルカンやS&P500にどのような影響を与えるでしょうか?
まずは、S&P500のドル建てチャートと円建てチャートを比較してみましょう。
ドル建てチャートの最高値からの下落率は約8.5%ですが、円建てチャートでは17.9%の下落となっています。
このことから、円高はオルカンやS&P500にマイナスな影響を与えることが分かるでしょう。
S&P500の下落と円高が重なって、下落幅が大きくなっているね…
円高によって、ドル建て資産の円評価額は一時的に減ります。
しかし、円高によってアメリカ企業の業績が好調になれば、米国株高になる可能性もあり、一概に円高が悪いとは言い切れません。
円高で一時的に大きく下落しても、また円安になる可能性もあるからね。
円高は続く?オルカンやS&P500の今後とは?
円高傾向はしばらく続く可能性が高いです。
その理由は以下の2つ。
日米の金利差縮小
前述した通り、日米の金利差は今後縮小していくと思われます。
一般的に金利の高い通貨が買われますが、金利差に大きな差がなくなれば、円売り・ドル買いの魅力も薄れてきます。
日本の金利も少しずつ上がっていくんだね。
金利差が縮小すれば、純粋に考えれば円高傾向になる可能性が高いです。
キャリートレードの巻き戻し
また、キャリートレードの巻き戻しも円高に大きく影響を与えます。
キャリートレードとは?
キャリートレードとは、低金利の通貨で資金を調達し、高金利の通貨に換えて運用することで利ザヤを稼ぐ手法のことです。
円キャリー取引が増えると円安要因となり、逆に取引の解消が進むと円高要因となります。
日銀が短期国債の金利を0%から0.25%に引き上げたことで、円キャリートレードが世界的に解消されました。
よって、円高が進むと考えられます
世界中の個人投資家や機関投資家、ヘッジファンドが円キャリートレードをやっていたワン!
するべき対策とは?
では、円高になっていくと仮定して、私たちは何をすればよいのでしょうか?