本記事では、7月12日の「専業投資家が語る 本当の長期投資とは?」のセミナーレポートをお届けします。
■セミナー講師紹介
YouTube「1UP投資部屋」で現役投資家ならではの視点から中級者・上級者向けの投資情報を発信するKEN氏・いとちゃん氏。YouTubeでは、投資戦略や投資手法・企業分析・ニュース解説などの情報を発信。
半年~3年ほどで1.5倍以上を狙うのが中長期投資
まず中長期投資の定義ですが、KENさんやいとちゃんさんは「半年~3年ほどの期間で1.5倍以上を狙う」投資としていまます。
特に銘柄を選ぶ際の注目ポイントとしては、以下の3つが挙げられていました。
- 業界として伸びている領域が中心
- 割安感がある銘柄
- ブランド力のある企業
「ブランド力のある企業」については、セミナー当日(7/12)に株価が急騰した「ベイカレント・コンサルティング(6532)」「sansan(4443)」などが例に挙げられました。
企業ブランドがあることで優秀な人材を引き付けられていて、中長期的な企業価値向上・株価上昇の可能性が高いという仮説を持っているようです。
有望セクターの見つけ方
セクターを見つけるうえで重要なのは、マクロ環境の変化に敏感になり、要素を1つずつ見ていくこと。
これは、”マクロ環境の変化は企業業績に必ず結び付く”という考えから来ています。
マクロ環境の変化に敏感になるために両氏が行っていることは、以下の3つ。
- 日経の速報を必ず確認する
- 記事のタイトルは一通りすべて目を通す
- マクロ変化に関する記事は内容もすべて見る
このようにマクロ環境の変化に関するニュースを踏まえて、起こり得るストーリー(シナリオ)を考え、株価が上がりそうなセクターを見つけていくのが両氏の戦略です。
中長期投資に向いている銘柄の特徴
中長期投資に向く銘柄の特徴としては主に以下の2つ。
- 今評価がされていない銘柄
- IRをしっかりしている会社
1つ目に関しては現在評価されていない銘柄でも、時期が来て注目されるようになると株価が上がりやすいことから、中長期投資に向いているとのこと。
また、中長期投資に向く銘柄の他の特徴として、IRをしっかりしているかどうかも見るべきです。
これは専業投資家ならではの着目点ですが、IRや財務担当が自社の財務データなど数字を明確に答えられないと、十中八九株価は上がらないと指摘していました。
損切りの判断基準
損切りを判断する基準として述べられていたのは、以下の2つ。
- 株価では判断しない
- 決算が2回連続悪かったら売ることも考える
株価では判断しない
そもそも、株価が下落してしまう要因として考えられるのは、以下の2点です。
- そもそも買った時点で割安ではない
- 下がる要因を見抜けていない
KENさんは損切りの基準として、あらかじめ自分が考えていたシナリオから外れたら売却をするとのこと。
この”シナリオ”というのは、「有望セクターの見つけ方」で上述した通り、マクロ環境の変化をもとに考えた起こり得るストーリーのことです。
決算が2回連続悪かったら売ることも考える
また、もう1つの損切りの基準として、2期連続で決算が悪かったら売却を検討します。
損切りに抵抗が大きい人は、1銘柄に集中しすぎている可能性が高いです。
1銘柄に固執せずにポートフォリオ単位で考えて、上がる見込みのない銘柄を損切りすることが重要です。
~最後に~投資をする上で心掛けていること
投資する上で心掛けていることは、柔軟性を持つこと。
ここ1-2年のトレンドとしては、バリュー株が強かったり、株主還元重視の傾向がありました。
このようなトレンドは数年単位で変化するため、継続的に勝つには柔軟に考え方を変化させる必要があります。
また“全部自分の実力だと思わないこと”も心掛けているようです。
投資をする上では運の要素もある点は自覚しつつ、自分の実力を考慮してセクター毎にETFを買うような戦術を組み合わせるのも有効だと仰っていました。
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