ライザップの株は危険って本当?
将来性はどうなんだろう?
このようなお悩みを解決します。
🔰いろはに結論
- 赤字経営と低自己資本比率により、財務安定性に不安
- しかし、2025年3月期には新サービスの導入や海外展開で黒字転換へ
- 株主還元の強化。充実した株主優待券で注目!
ライザップグループは、フィットネス事業を中心に多岐にわたるビジネスを展開している企業です。
特に、フィットネスジム「チョコザップ」の普及により、近年の急成長や知名度の高さからライザップ株に注目している方も少なくないでしょう。
しかし、ライザップの株は危険と言われることがあります。
そこで今回は、ライザップの株が危険と言われる理由やライザップの今後の将来性や業績についてわかりやすく解説していきます。
ライザップの株はなぜ危険なのか?理由を3つ解説
💡このパートの要約
- 赤字経営と低自己資本比率により、ライザップの財務安定性に不安
- 直営店舗数が急拡大し、運営コスト増とマシン故障修理の課題が浮き彫りに
- ボディメイク事業の失速とM&Aの停滞によって業績が落ち込む
ライザップはかつて急成長を遂げたものの、ここ最近の株価は、最近下落傾向にあります。
その背景には、いくつかのリスク要因が関係しています。
ここでは、株価が下落した主な理由を以下の3つに絞り、詳しく解説します。
赤字経営と低自己資本比率によるリスク
ライザップ株が危険とされる理由の1つ目は、赤字経営と低自己資本比率によるリスクです。
最新の2025年3月期第1四半期決算では、31億円の赤字を計上しました。
これは、チョコザップの店舗拡大に伴う積極的な投資が影響しています。
2024年3月期決算で一時的に黒字化したものの、その後再び赤字に転落してしまったね
チョコザップへの投資は一段落し、黒字化による回収期に入ると期待されていましたが、新たに「ちょこっとサポート」や「コンシェルジェ」といったサービスを開始し、品質向上を目指した新たな投資段階に入っています。
そのため、チョコザップが本格的に収益へ貢献するのは、まだ先になるとの見方が広がっています。
さらに、自己資本比率が26.6%と低い点も懸念材料です。
純資産が少ないと、新たな投資にあたって借金に頼らざるを得ないよね
ライザップの有利子負債倍率は徐々に改善しているものの、依然として高水準にあり、財務状態は良好とは言えません。
SOMPOとの提携により300億円の出資を受けたものの、今後の経営安定性には不安が残ります。
今後は、チョコザップの投資回収が進み、収益の安定性を確保できるかが注目されるポイントです。
直営店舗数の急拡大
ライザップ株が危険とされる理由の2つ目は、直営店舗数の急拡大です。
チョコザップは、2022年9月の開始から約2年間で、店舗数が134店から1597店へと約12倍に増加しました。
通常、店舗数の増加は利用者の利便性や知名度の向上、収益拡大につながりますが、急激な拡大は企業の長期的な安定性に悪影響を与えるリスクもあります。
チョコザップはフランチャイズではなく直営店のため、店舗運営にかかるすべてのコストやリスクをライザップ自身が負担しているからだね
急速な拡大に伴い、人件費や賃料、設備の維持管理費が増大し、それが経営を圧迫する要因となり得ます。
また、急激な拡大はサービスの品質管理にも影響を与え、顧客満足度の低下やブランドイメージの悪化を招く恐れがあります。
最近では、故障マシンの修理の遅れや店舗内の清掃不備など無人運営ならではの課題が浮き彫りとなり、退会率の上昇も懸念されています。
ライザップは、今後も店舗拡大だけでなく、顧客満足度の向上に注力し、退会率の改善を目指すとしていますが、その成果がどう出るかは注目されます。
ボディメイク事業の失速とM&A戦略の停滞
ライザップ株が危険とされる理由の3つ目は、ボディメイク事業の失速とM&A戦略の停滞です。
ライザップの主要事業であったボディメイク事業は、マンツーマンでのダイエット指導を通じて減量をサポートするサービスとして人気だったよね
しかし、コロナウイルスの影響で店舗の7割が休業し、人件費や賃料が損失として計上され、事業全体が赤字に転落しました。
現在、チョコザップ経由で会員数が再び増加しているため、今後の動向には注目です。
また、ライザップは積極的に企業買収を進め、約60社もの企業を傘下に収め、急成長を果たしました。
しかし、積極的なM&A戦略が期待されたような効果を上げられておらず、既存事業の減収と相まって、ライザップの経営は厳しい状況に陥っています。
ライザップが今後、どのようにこの状況を打開するかが注目されていますが、現時点ではリスクが高いと言えそうです。
ライザップの事業内容・業績
💡このパートの要約
- ヘルスケア・美容事業、ライフスタイル事業、インベストメント事業の3つを運営している
- 2025年3月期は、ついに黒字化が実現すると予想されている
- セグメント別では、ライフスタイル事業が最も売上高が大きい
ここでは、ライザップの事業内容と業績についてまとめます。
事業内容
ライザップは以下の3つの事業を運営しています。
ヘルスケア・美容事業
ヘルスケア・美容事業では、パーソナルトレーニングジム「RIZAP(ライザップ)」及びコンビニジム「chocoZAP」の運営を行っています。
ライザップの主要事業だね
そのほかにも、美容関連用品や化粧品などの販売も行っています。
ライフスタイル事業
ライフスタイル事業では、インテリア雑貨やアパレル、スポーツ用品の企画・開発・販売を行っています。
また、住宅・リフォーム事業も行っています。
インベストメント事業
インベストメント事業では、グループ会社間でのシナジーを支える会社群として安定的な収益創出を目指すセグメントです。
サッカーJ1の湘南ベルマーレを買収しているね
業績
2021年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期(予想) | |
---|---|---|---|---|
売上高 | 160,963 | 154,550 | 166,298 | 177,700 |
営業利益 | 5,816 | -4,948 | -594 | 6,300 |
純利益 | 2,131 | -12,673 | -4,300 | 2,000 |
決算短信よりいろはにマネー作成
ライザップの営業利益は、2022年7月にチョコザップへの投資を開始したことから、赤字に転落しました。
しかし、チョコザップへの投資が一段落する2025年3月期には、営業利益6,300百万円に達し、黒字化するとの予想がされています。
また、セグメント別でみるとライフスタイル事業が売上高の約50%を占めており、営業利益は黒字となっています。
ひとまず、予定通りに黒字化が実現するかどうか注目だね
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ライザップの株価や配当は今後どうなる?将来性・見通しを分析
💡このパートの要約
- 2025年3月期、新サービスの導入や海外展開で黒字転換へ
- 2025年からの配当実施予定と充実した株主優待券で注目!
- ライザップは札証上場で楽天証券では購入不可。将来的な東証プライム上場に向けた改善進行中
ここでは、ライザップの将来性や今後の見通しについて分析していきます。
チョコザップの黒字化は実現するか?
まずは、ライザップの主要事業であるチョコザップの収益増加によって、予定通りに黒字化が達成できるかが注目です。
2025年3月期はチョコザップの投資回収期間としていて、黒字化の予想だったね
ライザップは、新サービスの導入を進めており、ネイルやホワイトニング、カラオケ、洗濯機の設置などで他社と差別化を図り、利用者数の増加を目指しています。
新サービスの導入によって顧客満足度の向上にも力を入れ、出店数の拡大だけでなく、長期的に大きな収益を目指しています。
さらに、中期経営計画では出店目標を2000店から2800店に上方修正しており、高速道路のSA・PA内や海外(中国やアメリカ)への出店も計画しています。
今後の業績の動向に引き続き注目していきましょう。
株主優待券や配当方針に注目!
現在、ライザップは配当金を支払っていませんが、2025年3月期に黒字化を前提に、連続配当性向20%を目標として配当を実施する予定です。
また、株主優待券では100株保有でチョコザップを6か月間半額、200株保有で6か月間無料で利用できます。
ライザップの株価は2024年9月時点で約300円なので、約3万円と比較的割安で100株購入できるね
店舗数も比較的多く、駅前などに立地しているため、便利に利用できることから、スポーツジムをお得に利用したい人には魅力的な株主優待となっています。
このように、黒字化に伴って株主還元を強化する姿勢を見せており、今後の展開に期待が高まります。
札証に上場しているため、楽天証券では買えないことに注意!
ライザップは、札幌証券取引所(札証)の新興企業向けの株式市場であるアンビシャスに上場しています。
そのため、楽天証券で買うことはできません。
地方取引所上場企業の株は、取り扱っている証券会社でしか購入できないんだね。
将来的な東証プライム市場への新規上場申請に向けた準備に着手しており、財務体質の改善や成長戦略の強化を進めています。
詳しくは以下の記事をご覧ください。
>>楽天証券でライザップ株が買えない理由とは?購入可能な証券会社とSBI証券での購入方法
【まとめ】ライザップは今期の黒字化が実現すれば株価上昇へ
最後にこの記事の重要なポイントをまとめます。
🔰いろはにまとめ
- 赤字経営と低自己資本比率により、財務安定性に不安
- しかし、2025年3月期には新サービスの導入や海外展開で黒字転換へ
- 株主還元の強化。充実した株主優待券で注目!
まずは、2025年3月期決算で黒字化が実現するかどうかに注目が集まります。
予想通りの結果となれば、株価は上昇する可能性が高いです。
赤字経営や直営店舗の拡大、ボディメイク事業やM&A戦略の停滞から、ライザップの株は危険と言われることもあります。
しかし、顧客満足度の向上のために新サービスを導入し、高速道路や海外に店舗を拡大するなど積極的に投資しています。
現在はチョコザップに集中投資をしている段階であり、まずは予想通りに事業を安定化できるかに注目していきましょう。
その他にも、日本の個別株について分析した記事が沢山あるので、ぜひあわせてご覧ください。