2005年から16期連続で連続増配をしたことで注目のJT(日本たばこ産業株式会社)。
2023年の連結配当性向が71.4%、2024年の予想では75.7%と驚異の数値を誇っています。
そんな「JT株を1年前に購入していたら、いくら儲かっていたかな?」と気になる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、JT株の配当金も加味したリターンや、最近のニュースをもとに今後の株価への影響を解説します。
JT株を1年前に買ったらいくら儲かったか
今回は、1年前(2023年7月23日)にJT株100株を買ったと想定して、いくら儲かったのかを調査しました。
以下の3つの情報について詳しく見ていきます。
株価変動のリターン
まずは純粋な株価変動を見てみましょう。
株式の取得日 | 株価 | 1単元(100株)購入の場合 |
---|---|---|
2023年7月23日 | 3,113円 | 311,300円 |
2024年7月23日 | 4,491円 | 449,100円 |
株価変動によるリターンは、+137,800円(+44.27%)であることが分かりました。
高配当銘柄にも関わらず、1年でここまでのリターンを出しているのは驚きだね!
配当金
JT株は、第2四半期(6月)と期末(12月)の1年に2回の配当を行っています。
年間配当金は以下のとおりです。
年間配当金(円) | 2021年12月期 | 2022年12月期 | 2023年12月期 | 2024年12月期(予想) |
---|---|---|---|---|
中間配当(6月) | 65 | 75 | 94 | 97 |
期末配当(12月) | 75 | 113 | 100 | 97 |
合計 | 140 | 188 | 194 | 194 |
連結配当性向 | 73.4% | 75.4% | 71.4% | 75.7% |
配当が右肩上がりに増えていってるね!
JT株は2005年より16期連続で増配を行っており、日本株の中でも最大級の高配当銘柄です。
また、同社は資本市場における競争力のある水準として配当性向75%を目安(±5%程度の範囲内で判断)としており、株主還元の積極的な姿勢が実績から見て取れます。
配当性向を7割で保ち続けるなんて日本株の中でも数えるほどしかないよ!
JTの株式を1年前に買い、持ち続けたとすると、「2023年12月期の期末配当(23年12月)と2024年12月期の中間配当(24年6月)」の計2回を受け取ることができます。
配当金(100株) | |
---|---|
2023年12月期期末配当×100株 | 10,000円 |
2024年6月期中間配当×100株 | 9,700円 |
トータルリターン | 19,700円 |
1年前にJT株を買った場合、配当金のトータルリターンは、+19,700円となりました。
2024年12月期の年間配当額は、1株当たり年間194円の予想だよ!
トータルリターン
株価変動と配当金を合わせると、トータルリターンは以下の通りです。
リターン | 総額 | |
---|---|---|
元本 | – | 311,300円 |
株価変動 | +137,800円 | – |
配当金 | +19,700円 | – |
合計 | +157,500円(50.5%) | 468,800円 |
配当金のリターン+19,700円に株価変動によるリターン+137,800円を合わせて、トータルリターンは+157,500円(50.5%)となりました。
1年で50%も上昇!?どうしてここまでトータルリターンが出たのだろう?
ここで、JTの株価推移を見てみましょう。
基本的に高配当株銘柄はその配当額によるインカムゲインが主な収益となり、株価自体のリターンはあまりよくないということが多いです。
しかしJT株は、23年7月から現在までの1年間の株価推移ですが、株価が右肩上がりに上昇していることが分かります。
監修者からのコメント
日本では禁煙をする方が多くなっている印象ですが、西欧やEMAは対前年比で販売数量や売上高、利益はプラスで推移しています。
また、配当利回りも7月30日現在4.41%と時価総額が1兆円を超える企業では最も高い企業と言えます。
JTの株価が上がっている理由
まず、JT株が上昇した主な理由の1つとして考えられるのが堅調な業績推移です。
以下の表はJTの過去4年間の経営成績をまとめたものです。
JT(日本たばこ産業株式会社) | 2020年12月期 | 2021年12月期 | 2022年12月期 | 2023年12月期 |
---|---|---|---|---|
売上高 | 20,926 | 23,248 | 26,578 | 28,411 |
営業利益 | 4,691 | 4,990 | 6,536 | 6,724 |
当期純利益 | 3,103 | 3,385 | 4,427 | 4,823 |
JT株は過去3年間の売上高成長率が6.9%、営業利益成長率が9.2%と高い数値を誇っています。
JT株はその営業利益率の高さ(20%越え)、根強い「たばこ」需要により堅調に業績を伸ばしています。
だけど、日本ではたばこを吸っている人は年々減っているんじゃないの?
下記の資料はJTのたばこ事業におけるクラスター別の実績をまとめたものです。
実は、日本を含むアジア圏内では売上高、利益が縮小している中、西欧やEMAでは需要が伸び業績がプラスになっているんです。
紙巻タバコから電子タバコへの普及が海外で進み、それによって業績が押し上げられたのが大きな要因なようです。