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今回は、2024年1月に社名を変更した NCD株式会社(4783)をご紹介します。
この記事ではNCD株式会社(以下、NCD)について以下のような内容をまとめています。
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NCDはどんな会社?
NCDってどんな会社なの?
まずは、NCDの会社概要や事業内容を確認していきましょう。
会社概要
NCDは「ユニークな技術とサービスにより、明るい未来に貢献する。」という経営理念を掲げ、IT業界黎明期と呼べる1967年に創業しました。
当時はITという言葉すらまだ使われていなかった時代だワン!
その後、当時は日本初となる中東でのシステム開発・導入を成功させ、PCが普及し始める70年代後半頃には海外からノウハウを吸収しシステム開発支援ツール「PRIDE」を日本で初導入するなど、IT企業のパイオニアとして歩んできました。
IT企業として始まった同社ですが、1997年にはパーキングシステム事業を開始し駐輪場のIT化も行っています。
IT企業が駐輪場を運営しているのは面白いね!
企業概要は次の通りです。
代表取締役社長 | 下條 治 |
所在地 | 東京都品川区 |
決算期 | 3月 |
株価(2/26 終値) | 1,818円 |
時価総額(2/26 終値で算出) | 14,871百万円 |
配当(24年3月期予想) | 50.00円 |
NCDの紹介動画も見てみるワン!
事業内容
どんなサービスを提供しているの?
同社は、大きく2つの事業を展開しています。
それぞれ見ていきましょう。
IT関連事業
IT関連事業は、2つの事業セグメントで構成されています。
- システム開発事業
顧客の課題解決・戦略実行に最適なシステムの構築や、各種パッケージ製品に関する導入支援などのソリューションサービスを提供 - サポート&サービス事業
システムの障害対応、テクニカルサポート、サービスデスク、運用管理、アウトソーシングまで、顧客のIT業務全般を幅広くサポート
開発から保守・運用までのITサービスをワンストップで提供できるビジネスモデルなんだワン!
パーキングシステム事業
パーキングシステム事業では、IT企業としての強みを活かした駐輪場の運営をしています。
具体的には、駐輪機器の販売から自社ブランド駐輪場の管理、他社運営の駐輪場の受託管理などを行っています。
ストック売上比率が多く、安定しているビジネスモデルとなっています。
駐輪場の利用料や運営料は、長期的に安定した収入が見込めそうだね!
最近ではキャッシュレス決済はもちろん、シェアリングサービスやAmazonロッカーの設置など様々な次世代駐輪場への試みを行っています。
同社の事業内容や特徴については、前回の記事で詳しく解説しています。
NCDはなぜ社名を変更した?
NCDは、2024年1月1日に「日本コンピュータ・ダイナミクス株式会社」から「NCD株式会社」に社名を変更しました。
“NCD”という呼び方は、元々社内外の通称としても定着していたんだワン!
創業以来、大切にしてきた社名の頭文字をとって、NCDとしたんだね!IT企業らしくスタイリッシュで分かりやすくなったね!
IT業界は人材が重要だから、分かりやすい名前にすることで認知が広がり採用活動にもプラスになるかもしれないワン!
社名変更の理由として、パーパスの実現に向け今後もグループ企業が一体となり、ブランド価値を向上させ、持続的成長を目指すという決意を込めたと同社は発表しています。
パーパスって何?
パーパスとは企業の存在意義のことで、社会においてその企業が何のために存在するのかを明文化したものです。
同社のパーパスは、「人の鼓動、もっと社会へ。」
これは、ユニークな技術とサービス、ダイナミックな発想により、社会課題を解決していくことで、誰もが活き活きとわくわく胸躍るような明るい社会を実現させることが、同社グループの存在意義であるとの認識のもと策定されました。
社員や顧客、社会のすべての人に寄り添い、多様性を尊重するという創業以来の企業文化があってこそのパーパスだワン!
また、社名変更が実施された2024年は、同社の掲げる新中期経営計画「Vision2026」が始まったタイミングでもあります。
ここで「Vision2026」について詳しく見ていきましょう。
基本方針 | 内容 |
---|---|
既存ビジネスの付加価値向上と新しいビジネスの創出によるさらなるNCDバリューの追求 | ・IT関連事業とパーキングシステム事業の更なる連携強化 ・新規事業創出の制度化による、第3の事業柱構築に向けた新しいビジネスの追求 |
企業価値向上に向けた経営基盤の強化 | ・サステナビリティ経営の推進 ・人材の価値を最大限に引き出す人的資本経営への取り組み強化 ・DXの推進によるビジネス変革と持続的成長への貢献 |
最適なグループ事業体制の再構築 | ・事業シナジーを最大化する組織体制の追求 |
前中期経営計画である「Vision2023」では既存事業の連携強化を打ち出していました。
それに対して、「Vision2026」では事業間の連携強化はもちろんのこと、事業の構造改革や第3の事業創出など、さらにチャレンジングな内容となっています。
中期経営計画が新しくなるタイミングでの社名変更は、気持ちも新たになるね!
NCDの業績・業績予想・配当予想
社名が変わって心機一転だね!でも、業績はどうだったのかな?
NCDの業績で注目すべき点として、以下の3つが挙げられます。
魅力的な点ばかりだね!
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
業績:2024年3月期第3四半期決算
23/3期 3Q | 構成比 | 24/3期 3Q | 構成比 | 前年同期比 | |
---|---|---|---|---|---|
売上高 | 16,563 | 100.0% | 18,213 | 100.0% | +10.0% |
売上総利益 | 2,886 | 17.4% | 3,667 | 20.1% | +27.0% |
販管費 | 1,909 | 11.5% | 2,175 | 11.9% | +13.9% |
営業利益 | 977 | 5.9% | 1,492 | 8.2% | +52.7% |
経常利益 | 989 | 6.0% | 1,505 | 8.3% | +52.2% |
親会社株主に帰属する四半期純利益 | 622 | 3.8% | 988 | 5.4% | +58.8% |
※数値はいろはにマネーが算出。実際の数値と誤差が生じている場合があります(以下同じ)。
前年同期比で増収増益。しかも利益はどれも50%超の増益だね!
同社は増収増益の理由として、以下の2点を挙げています。
- IT関連事業の業務領域拡大
株式会社ジャパンコンピューターサービスの子会社化や、保険会社向け案件などで業務領域が順調に拡大した - パーキングシステム事業の好調な業績
感染症に係る各種規制の緩和、天候の安定により駐輪場の利用状況が好調であったことや、料金改定の順調な進捗で駐輪場利用料収入が見込みよりも上回った
そして同社は、2024年3月期通期業績予想の上方修正も発表しています。
業績予想の修正:2024年3月期通期決算
業績は好調だね!業績予想はどうだろう?
同社は2024年2月9日に、2023年5月に発表していた通期業績予想の上方修正を行いました。
2023年5月15日 発表予想 | 2024年2月9日 発表予想 | 増減額 | 増減率 | (参考) 前期実績 | |
---|---|---|---|---|---|
売上高 | 23,500 | 25,000 | +1,500 | +6.4% | 22,853 |
営業利益 | 1,400 | 2,100 | +700 | +50.0% | 1,195 |
経常利益 | 1,400 | 2,100 | +700 | +50.0% | 1,212 |
親会社株主に帰属する当期純利益 | 850 | 1,350 | +500 | +58.8% | 672 |
同社資料より一部抜粋して作成
前期実績はもちろん、前回発表された予想も大幅に上回っているね!
増収予想の理由として、2024年3月期第3四半期の増収要因と同様に、IT関連事業の業務領域拡大とパーキングシステム事業の好調な業績があります。
また、増益予想の理由については、増収の効果はもちろんのこと、料金改定や自治体戦略の見直しをはじめとしたパーキングシステム事業における構造改革の成果が早期に現われていることも挙げています。
配当予想の修正:2024年3月期配当
配当予想も2024年2月9日に修正されました。
内容は以下の通りです。
2023年5月15日 発表予想 | 2024年2月9日 発表予想 | 2024年3月期実績 | 前期実績 | |
---|---|---|---|---|
第2四半期末 | 16.00 | – | 16.00 | 7.00 |
期末 | 16.00 | 34.00 | – | 13.00 |
合計 | 32.00 | 50.00 | – | 20.00 |
同社資料より一部抜粋して作成
期末は大幅な増配予想だね!なぜこんなにも増えているのかな?
この増配理由として、新中期経営計画「Vision2026」の配当方針が影響しています。
2024年1月より始まった「Vision2026」では株主への利益還元を経営の最重要課題の一つと位置付け、連結配当性向30%以上を目安に、安定的かつ継続的な配当を行うことを基本方針としています。
配当性向とは、当期純利益のうちどのくらいを配当に充てるかの数値で、適正な目安は30%前後とされているワン!
この配当方針により、2024年3月期の修正後の配当性向は30%を上回っています。
直近2年間の配当性向と比較すると、新中期経営計画で株主還元を最重要課題としたことが数値に反映されていることがわかります。
年間配当金 | 1株当たり当期純利益 | 配当性向 | |
---|---|---|---|
2022年3月期 | 14.00 | 56.78 | 24.7% |
2023年3月期 | 20.00 | 83.31 | 24.0% |
2024年3月期予想 | 50.00 | 165.72 | 30.2% |
増配予想が発表されたことは投資家にとって魅力的だね!
実際、2月9日の決算発表以降同社の株価・出来高ともに上昇傾向にあり、多くの投資家から注目を集めていることが分かります。
NCDの取り組み
NCDは、今後の業績拡大や投資家への認知拡大など、様々な取り組みを行っています。
その中からピックアップして2つご紹介します。
キャッシュレス専用精算機を駐輪場に導入
同社のパーキングシステム事業では、街でよく見る駐輪場の運営・管理や他社運営の駐輪場の受託管理などを行っています。
実際にNCDが運営する駐輪場に訪れた記事もあるので、IT企業ならではの駐輪場を見てみたい方は、ぜひご覧ください。
そんなパーキングシステム事業ですが、新製品としてキャッシュレス専用精算機が導入されました。
いろはにマネー編集部では、新製品が導入されている駐輪場に実際に行ってみました。
こちらが新製品「ES410」です。キャッシュレス専用の精算機となっています。
キャッシュレス専用だから、現金投入口がないね!
交通系ICカードで決済ができるほか、QRコードでのスマホ決済も可能です。
キャッシュレス専用であれば金銭回収の必要がないため、省人化など効率的な駐輪場運営に繋がります。
様々なメディアにおけるPR活動
NCDは、自社の認知を拡大するために積極的なPR活動を行っています。
例として、個人投資家向けフリーマガジン「ジャパニーズ インベスター」への広告掲載や、楽天証券による個人投資家向け説明動画の配信など、個人投資家の認知拡大のための活動を積極的に行っています。
また、採用を目的として東大発の知識集団であるQuizKnockとのタイアップ動画を作成しました。
とても面白い動画ね!でもなんでQuizKnockとタイアップしたのかな?
QuizKnockはWebメディアやYouTubeチャンネルを運営していますが、その主な視聴者層は18~35歳の若者となっています。
また、QuizKnockは知的好奇心の高い人に見られることが多い知的メディアであることも特徴的です。
この知的好奇心の高い若者に対してアプローチをすることで、優秀な人材が同社を認知し、興味を持ってもらえる可能性があるのです。
優秀な人材が増えることが、NCDの今後の成長につながっていくんだワン!
これらのような自社の認知拡大のためのPRは、同社HPのお知らせ一覧で随時更新されます。
“NCD”の認知が広がって、優秀な人材や投資家からの注目度が増していきそうだね!
【まとめ】NCDに注目!
NCDについて、よくわかったよ!
ここまで、NCD(4783)の事業内容や業績などをご紹介しました。
今回のポイントをまとめてみましょう。
社名の変更を経て今後の成長に期待がかかるNCDをもっと知りたい方は、以下より無料でブリッジレポートも見てみましょう。
\プロのアナリストが執筆/
同社ではIRメール配信サービスも提供しているので、この記事を読んで気になった方はこちらから無料登録するのもおすすめです。
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是非ブリッジサロンを覗いて見てくださいね。
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