今回はIPO企業の中から、3月21日に東証グロースに上場予定のSTG(5858)をご紹介します。
STGは、マグネシウム及びアルミニウムダイカスト製品の製造・販売を行う企業です。
想定時価総額は18.5億円で、非鉄金属業のIPOとなっています。
同社は2019年6月にTOKYO PRO Marketに上場しました。
今回、東証グロース市場に鞍替え上場し、2024年3月20日付でTOKYO PRO Marketについては上場廃止となります。
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STGのIPO基本情報
ここでは上場日や、いろはにマネー独自の初値予想を見てみましょう。
上場日 | 3月21日(木) |
いろはにマネー独自の初値予想 | C(1.0倍以上1.3倍未満) ※想定価格1,870円から、1,870円~2,431円 |
企業Webサイト | https://www.stgroup.jp/ |
取り扱い証券 | SBI証券(副)、楽天証券 、マネックス証券 、松井証券など |
IPO取り扱い数No.1のSBI証券が取り扱っているね!
STGのIPO日程と価格
IPOの日程と価格は次のようになっています。
※発表次第更新しています。
想定価格 | 1,870円 |
仮条件 | 1,820~1,920円 |
ブックビルディング期間 | 3月5日(火)~3月11日(月) |
当選発表日 | 3月12日(火) |
公開価格 | 1,920円 |
申込期間 | 3月13日(水)~3月18日(月) |
上場日 | 3月21日(木) |
初値 | 3,215円 |
初値は公開価格の1.7倍となったよ!
STGのIPO初値予想
想定時価総額は18.5億円、吸収金額は6.7億円となり東証グロース市場では比較的小さい水準となることからプラスに働くでしょう。
一方、オファリングレシオが37%と高いことに懸念があります。
非鉄金属業はIPOテーマとしては人気化しづらいこともマイナスに働きそうです。
これらの点から、IPO評価: C(予想レンジ1.0倍以上1.3倍未満=1,870円~2,431円)と判断しました。
※IPO評価、初値予想は過去のデータを元に編集部が予想したものであり、結果を確約、投資を推奨するものではございません。
詳しい評価項目を知りたい方はこちら(クリックで開きます)
- 発行済み株式数:想定時価総額を計算。
- オファリングレシオ:小さい方が投資家からの人気が高い。市場に出回る株式数が少なくなることを意味するため。
- 公募割合:大きい方が投資家からの人気が高い。企業に資金が多く入ることを意味するため。
- 上場市場:グロースに上場する企業は人気が高くなりやすい。
- 事業のトレンド性:成長市場に位置し、トレンド性が高い企業は人気になりやすい。
- VC保有比率:VCが多くいる企業は事業のトレンド性が高く・成長企業であることが多いが、ロックアップがない場合はIPO後の需給が悪化しやすい
- 売上高成長率・経常利益率:大きい方が人気。過去の業績が良い。
- 前後2週間のIPO数:少ない方が投資家からの人気が高くなりやすい。
- 過去1ヶ月の日経平均リターン:高い方が人気。投資家心理に影響。
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初値予想方法については、「【IPO初値予想】IPOの評価方法を初心者向けにやさしく解説!過去の事例も」の記事で解説しています。
また、IPO初値・騰落率結果一覧では直近のIPOデータを掲載しています。
STGの主幹事・幹事証券
同社のIPO株を取り扱う証券会社は、次のようになっています。
証券会社名 | 割当率 | 割当株数 |
---|---|---|
みずほ証券(主幹事) | 79.33% | 119,000株 |
SBI証券(副) | 10.33% | 15,500株 |
楽天証券 | 2.06% | 3,100株 |
マネックス証券 | 2.06% | 3,100株 |
松井証券 | 2.06% | 3,100株 |
岡三証券 | 2.06% | 3,100株 |
リーディング証券 | 2.06% | 3,100株 |
当選しやすい証券会社ランキング
なかなかIPOが当選しないな…
この記事をご覧頂いている方の中には、1つの証券口座だけでIPO抽選に参加している方も多いのではないでしょうか。
IPO投資で成功するには、複数口座を使い分けて抽選に参加するのがおすすめです。
以下の表では、IPO投資で開いておくべき”おすすめの証券口座”を紹介しています。
証券会社名 | 取扱数 | 主幹事数 | 抽選方法 | 事前入金 |
SBI証券 | 89 | 13 |
完全平等抽選: 60%
IPOチャレンジポイントに基づいた配分: 30%
取引状況等を踏まえて定めた配分: 10%
|
必要 |
楽天証券 | 65 | 0 | 完全平等抽選 | 必要 |
SMBC日興証券 | 47 | 24 | 完全平等抽選: 10% ステージ別抽選: 最大5% ※ほか対面割り当て | 必要 |
松井証券 | 55 | 0 | 配分予定数量の70%以上を抽選 | 不要 |
岡三証券 | 38 | 0 | 取引実績に応じて優遇抽選 | 不要 |
マネックス証券 | 60 | 0 | 完全平等抽選 | 必要 |
※取扱数、主幹事数は2022年のデータ
松井証券や岡三証券は、事前入金不要で抽選に参加できるワン!
大株主情報
大株主の状況は以下の通りで、筆頭株主の佐藤 輝明氏は同社代表取締役社長です。
また、上位10名のうち6つをベンチャーキャピタルが占めており、VC比率はやや高いです。
株主名 | 比率 |
---|---|
佐藤 輝明 | 32.48% |
TNP中小企業・ベンチャー企業成長応援投資事業有限責任組合 | 14.68% |
佐藤 武幸 | 10.26% |
三菱UFJキャピタル3号投資事業有限責任組合 | 8.61% |
KSP3号投資事業有限責任組合 | 6.15% |
森田 泰成 | 5.41% |
兼光 喜彦 | 5.17% |
ごうぎんキャピタル3号投資事業有限責任組合 | 4.92% |
島根県産業活性化投資事業有限責任組合 | 3.51% |
KSP4号投資事業有限責任組合 | 2.46% |
ロックアップ期間は90日間または180日間となっているよ!
STGの業績情報
決算期 | 2019年3月 | 2020年3月 | 2021年3月 | 2022年3月 | 2023年3月 |
---|---|---|---|---|---|
売上高 | 2,403 | 2,446 | 1,980 | 3,501 | 4,684 |
成長率 | ー | +1.8% | -19.1% | +76.8% | +33.8% |
経常利益 | 198 | 188 | -43 | 156 | 285 |
成長率 | ー | -5.1% | ー | ー | +82.7% |
経常利益率 | 8.2% | 7.7% | 0.0% | 4.5% | 6.1% |
当期純利益 | 155 | 159 | 75 | 88 | 191 |
成長率 | ー | +2.6% | -52.8% | +17.3% | +117.0% |
EPS | 204.4 | 194.5 | 89.5 | 106.5 | 231.5 |
BPS | 535.4 | 985.3 | 1,007.9 | 1,103.9 | 1,493.0 |
2021年3月期を境に売上高、経常利益ともに増加傾向となっています。
2021年3月期には何があったんだろう?
2021年3月期の減収減益は、新型コロナウイルス感染症拡大による需要低迷が起因しています。
しかし、その後需要の回復傾向が見えてきたことで、安定的に成長し続けています。
同社は中国や台湾、マレーシアに製造販売のための連結子会社が4社あります。
日本のみならず、中国、タイ、マレーシアの自社工場でも生産をすることで海外需要を取り込み、グローバル化が進むメーカーの生産体制に対応しています。
また、これら子会社は連結売上高の大部分を占めています。
連結 | 三輝特殊技研(香港) 有限公司 | SANKI EASTERN (THAILAND) COMPANY LIMITED | STX PRECISION (JB) SDN. BHD. | |
---|---|---|---|---|
売上高 | 4,684 | 959 | 934 | 1,814 |
目論見書を元に、いろはにマネー作成
2023年3月期の売上高を見てみると、それぞれの子会社が連結売上高の20~40%ほどの売上を上げていることになります。
海外需要の取り込みが重要になってくるワン!
2023年3月期は売上高4,684百万円、経常利益は285百万円でしたが、2024年3月期は第3四半期時点で売上高3,729百万円、経常利益108百万円となっています。
少し伸び悩んでいるように思われますが、これは非鉄金属業の市場における需要環境が厳しいことがネックとなっているためです。
純資産が増えることでBPSは増加傾向にあるね!
STGの事業内容
同社グループは、マグネシウムを中心としたさまざまな工業製品の部品を製造加工している会社です。
金型の設計・製造、金属部品の鋳造、機械加工、ショットブラスト、仕上げ、化成処理、塗装、組立までを行う事業を展開しています。
以下のような鋳造方式によって、需要の高い自動車部品を中心とする、その他製品の軽量化とコストダウンを軸に製造しています。
マグネシウムダイカスト
- 実用金属では最軽量
- より薄く高強度な製品の製造が可能
- 自動車メーターパネル、光学機器の部品、LEDヘッドライトの部品 など
アルミニウムダイカスト
- 軽量で加工が容易
- コストダウンになる
- 監視カメラ など
また、日本のみではなく中国・タイ・マレーシアに工場があることからグローバル化が進む生産体制にも対応しています。
同社の事業系統図は以下の通りです。
グローバル化にも対応している会社なんだワン!
マグネシウムダイカスト
マグネシウムは、実用金属としては最軽量であり、より薄く高強度な製品の製造が可能です。
以下の特長から、持ち運びを目的とする製品や、軽量化により燃費効率向上・環境負荷低減等をはかりたい輸送機等のマーケットに向け製造しています。
主な取扱製品は、自動車メーターパネル、光学機器フルサイズミラーレスの外装シャーシやLEDライトの部品などの軽量化金属部品です。
アルミニウムダイカスト
アルミニウムダイカストについては、連結子会社であるSTX PRECISION (JB) SDN. BHD. を中心に、品質を維持しつつ、軽量化とコストダウンをはかることを目的としたグローバル企業に製品を供給しています。
既存の製造技術を生かし、監視カメラなどの映像機器メーカーにも関与しています。
直近IPOの初期予想と騰落結果
直近の2月に上場したIPO企業の初値予想と結果は以下の通りです。
企業名 | 上場日 | 初値予想 | 初値騰落結果 |
---|---|---|---|
VRAIN Solution | 2/22 | B(1.3~1.5倍) | 1.74倍 |
Veritas In Silico | 2/8 | C(1.0~1.3倍) | 2.0倍 |
SOLIZE | 2/7 | B(1.3~1.5倍) | 1.37倍 |
条件の良い銘柄はしっかりと強い上昇を見せています。
2月22日には日経平均が過去最高値を更新し、IPOにも追い風となっています。
最後に、他の企業の上場スケジュールについて知りたい方は「IPOスケジュール」もご覧下さい。
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