今回はIPO企業の中から、3月28日に東証グロースに上場予定のモンスターラボホールディングス(5255)をご紹介します。
(同日に「アクシスコンサルティング」「Arent」が上場予定です。)
モンスターラボホールディングス(以下、モンスターラボ)は、DXにおけるデジタルコンサルティング・デジタルプロダクト事業をしている企業です。
想定時価総額は207.7億円で、情報・通信業のIPOとなっています。
※上場後、企業様へインタビューを実施できた際に、企業からのメッセージを掲載致します。
モンスターラボのIPO基本情報
ここでは上場日や、いろはに投資独自の初値予想を見てみましょう。
上場日 | 3月28日(水) |
いろはに投資独自の初値予想 | S(想定価格の1.7倍超=1,054円超) |
企業Webサイト | https://monstar-lab.com/about/ |
取り扱い証券 | 大和証券(CONNECT)、 SBI証券、楽天証券など |
主幹事は大和証券だよ!
IPO日程と価格
IPOの日程は次のようになっています。
※発表次第更新しています。
ブックビルディング期間 | 3月10日(金)~3月16日(木) |
仮条件 | 660円~720円 |
当選発表日 | 3月17日(金) |
公開価格 | 720円 |
申込期間 | 3月20日(月)~3月24日(金) |
上場日 | 3月28日(火) |
初値 | 1,050円 |
初値が1,050円と、公開価格の1.46倍になったね!
モンスターラボのIPO初値予想
モンスターラボはSaaSといったDXを事業分野としており、オファリングレシオが13.2%の新規上場企業です。
売上高も年々右肩上がりで、営業利益も黒字転換しました。
同時期の上場予定企業も多いですが、それでもなお魅力的なIPOであると考えられます。
これらの点から、IPO評価: S(予想レンジ1.7倍超=1,054円超)と判断しました。
※IPO評価、初値予想は過去のデータを元に編集部が予想したものであり、結果を確約、投資を推奨するものではございません。
詳しい評価項目を知りたい方はこちら(クリックで開きます)
- 発行済み株式数:想定時価総額を計算。
- オファリングレシオ:小さい方が投資家からの人気が高い。市場に出回る株式数が少なくなることを意味するため。
- 公募割合:大きい方が投資家からの人気が高い。企業に資金が多く入ることを意味するため。
- 上場市場:グロースに上場する企業は人気が高くなりやすい。
- 事業のトレンド性:成長市場に位置し、トレンド性が高い企業は人気になりやすい。
- VC保有比率:VCが多くいる企業は事業のトレンド性が高く・成長企業であることが多いが、ロックアップがない場合はIPO後の需給が悪化しやすい
- 売上高成長率・経常利益率:大きい方が人気。過去の業績が良い。
- 前後2週間のIPO数:少ない方が投資家からの人気が高くなりやすい。
- 過去1ヶ月の日経平均リターン:高い方が人気。投資家心理に影響。
初値予想方法については、「【IPO初値予想】IPOの評価方法を初心者向けにやさしく解説!過去の事例も」の記事で解説しています。
また、IPO初値・騰落率結果一覧では直近のIPOデータを掲載しています。
モンスターラボの主幹事・幹事証券
同社のIPO株を取り扱う証券会社は、次のようになっています。
\IPO取り扱い数No.1/
大株主情報
大株主は以下の通りで、筆頭株主はベンチャーキャピタルとなっています。
2位の「鮄川 宏樹」氏は、モンスターラボの代表取締役社長です。
株主名 | 比率 |
---|---|
JICベンチャー・グロース・ファン ド1号投資事業有限責任組合 | 19.37% |
鮄川 宏樹 | 15.64% |
株式会社DGベンチャーズ | 6.19% |
日本郵政キャピタル株式会社 | 4.84% |
株式会社パソナテック | 3.17% |
Nathanial Trienens | 2.31% |
株式会社山陰合同銀行 | 1.82% |
イーストベンチャーズ投資事業有限 責任組合 | 1.59% |
Calvin Rodney Sylvinus Hart | 1.58% |
鈴木 澄人 | 1.56% |
モンスターラボの業績情報
決算期 | 2017年12月 | 2018年12月 | 2019年12月 | 2020年12月 | 2021年12月 |
---|---|---|---|---|---|
売上高 | 2,761 | 3,568 | 2,828 | 7,419 | 9,346 |
成長率 | ー | +29.2% | -20.7% | +162.3% | +26.0% |
営業利益 | 36 | 22 | -632 | -1,502 | -3,222 |
成長率 | ー | -38.9% | ー | ー | ー |
営業利益率 | 1.3% | 0.6% | ー | ー | ー |
当期純利益 | 12 | -21 | -1,501 | -1,274 | -3,053 |
成長率 | ー | ー | ー | ー | ー |
EPS | 0.82 | -1.21 | -76.92 | -70.41 | -188.71 |
BPS | 84.92 | 140.72 | 138.29 | 220.09 | 124.84 |
※2020年12月期から連結決算、国際会計基準へ移行。
※2023年1月5日付で普通株式1株につき50株の割合で株式分割を実施。
※2017年~19年は営業利益ではなく経常利益を記載。
売上は過去5年で平均年率37%の成長を見せており、2022年12月期の売上収益は142億円で着地予定です。
ロシア・ウクライナ情勢に起因する欧州経済の不確実性が高まったことから、ヨーロッパ・中東・アフリカにおいて売上が低下しました。
しかし、国内・国外ともに多業種にわたって営業活動を活発化させ、新規開拓に加えてリピート率の向上に注力したことが功を奏したようです。
さらに2023年12月期では、前年同期比22.22%増の174億円予想となっているワン!
営業利益・当期純利益は赤字となっています。
社員稼働率が低下し、稼働していない社員の給料も発生したため利益が低下しました。
リストラも実施されたんだって…
ですが、2023年12月期の業績予想では、営業利益・当期純利益ともに黒字転換する予想です。
また、M&Aに関して複数のパイプラインを有しているものの、予算には織り込まれていないため予算修正にも期待がかかります。
そんな中同社は今後の成長戦略として、次の3つを掲げています。
- 大口顧客育成によるオーガニック成長
- 成長の源泉地域(アジア・中東)におけるM&A
- 高成長を支える人材及びオペレーション強化
このような戦略は、DX市場とともに大きく成長していくであろうモンスターラボがさらに事業を拡大していくうえで、大変適切であると考えられます。
これからの成長にも十分期待できる会社だね!
モンスターラボの事業内容
モンスターラボホールディングスは、「多様性を活かし、テクノロジーで世界を変える。」をミッションとして、SaaSといったDXを用いたデジタルコンサルティング・デジタルプロダクト事業を展開しています。
DX(デジタルトランスフォーメーション)とは?
デジタル技術を社会に浸透させて人々の生活をより良いものへと変革すること。
特に、ビジネスではAI、IoT、ビッグデータなどのデジタル技術を用いた、業務フローの改善や新たなビジネスモデルの創出のことを指す。
同社が展開するDX市場は著しい成長市場で、市場規模は2022年時点で世界で約95兆円となっています。
2030年まで年率25.9%で成長する予測で、世界市場で約 600兆円になると見込まれているワン!
広大なDX市場の中で、SIer等多くの会社が「コスト削減」や「業務効率化」を主とする業務システムの導入、開発、運用を得意領域としています。
一方で、モンスターラボホールディングスは「新規サービス」や「ビジネス変革」、「顧客体験変革」といったイノベーション創出や売上向上型DXを得意領域としています。
他社とは一線を画した強みを持っているみたいだね!
何か理由があるのかな?
このようなユニークなポジショニングをとれる理由は、モンスターラボのミッションにも掲げられているように、実に多様な人材を有しているからです。
そのため、プロジェクトの特性に合わせて世界中のエンジニアやデザイナーなど各分野のスペシャリストたちを組み合わせて最適な開発チームを構築できます。
同社は世界中に33ヵ所もの拠点を有しており、社員数は約1500人にも上ります。
直近IPOの初値予想と騰落結果
直近の12月~2月にIPOした企業の初値予想と結果は以下の通りです。
企業名 | 上場日 | 初値予想 | 初値騰落結果 |
---|---|---|---|
プライム・ストラテジー | 2/22 | B(1.3~1.5倍) | 2.25倍 |
テクノロジーズ | 1/26 | A(1.5~1.7倍) | 3.65倍 |
スマサポ | 12/29 | A(1.5~1.7倍) | 2.81倍 |
BTM | 12/27 | B(1.3~1.5倍) | 1.41倍 |
アルファパーチェス | 12/26 | D(1倍未満) | 0.98倍 |
最後に、他の企業の上場スケジュールについて知りたい方は「IPOスケジュール」もご覧下さい。
IPO投資におすすめのネット証券3選
- SBI証券
公式サイト:https://www.sbisec.co.jp/
2021年のIPO取扱数No.1。IPO投資をするなら必ず持っておきたい証券会社です。 - マネックス証券
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公式サイト:https://www.smbcnikko.co.jp/
主幹事になることが多いので、IPOの割当率が高い証券会社です。