今回はIPO企業の中から3月29日に東証グロースに上場予定のAnyMind Group(5027)をご紹介します 。(同日には「ノイルイミューン・バイオテック」「住信SBIネット銀行」が上場予定です)
同社は2022年3月30日に東証マザーズに上場予定でしたが、ウクライナ侵攻の影響で投資家心理が冷え込んでおり、十分な需要を獲得できないという理由から延期していました。
また2022年12月12日、同社事業には様々な不確実性があり、事業活動におけるリスクや開示について上場日を前に確認すべき事項が発生し、確認に相応の時間を要するため再度上場手続きを延期していました。
満を持して、今回が3度目の上場承認だね!
AnyMind Groupはブランド企業向けマーケティング支援などを行なっている企業で、アジア・中東を中心に世界13ヶ国・地域で事業を展開しています。
想定時価総額は552.8億円で、情報・通信業のIPOとなっています。
IPO概要・初値予想
AnyMind Groupの初値予想、およびIPO概要について以下の4つを解説していきます。
同社を購入検討している方は、ご確認ください。
IPO評価・初値予想
市場は成長傾向にあり、アジア全体で活動している同社の将来性は非常に期待できます。
売上も伸び、純利益も改善傾向にあることからも、業績としては問題ないと思われます。
またオファリングレシオが4.8%と小さいのも、投資家としては好材料です。
ただし、直近の上場予定企業数が多すぎるため、他の企業に資金が流れてしまうことが予想されます。
これらの点から、IPO評価: C(予想レンジ1.0倍~1.3倍)と判断しました。
※IPO評価、初値予想は過去のデータを元に編集部が予想したものであり、結果を確約、投資を推奨するものではございません。
詳しい評価項目を知りたい方はこちら(クリックで開きます)
- 発行済み株式数:想定時価総額を計算。
- オファリングレシオ:小さい方が投資家からの人気が高い。市場に出回る株式数が少なくなることを意味するため。
- 公募割合:大きい方が投資家からの人気が高い。企業に資金が多く入ることを意味するため。
- 上場市場:グロースに上場する企業は人気が高くなりやすい。
- 事業のトレンド性:成長市場に位置し、トレンド性が高い企業は人気になりやすい。
- VC保有比率:VCが多くいる企業は事業のトレンド性が高く・成長企業であることが多いが、ロックアップがない場合はIPO後の需給が悪化しやすい
- 売上高成長率・経常利益率:大きい方が人気。過去の業績が良い。
- 前後2週間のIPO数:少ない方が投資家からの人気が高くなりやすい。
- 過去1ヶ月の日経平均リターン:高い方が人気。投資家心理に影響。
初値予想の方法についはコチラ
取り扱い証券
同社のIPO株を取り扱う証券会社は、次のようになっています。
証券会社名 | 割当率 | 割当株数 |
---|---|---|
みずほ証券(共同主) | 69.35% | 2,145,000株 |
三菱UFJモルガン・スタンレー証券(共同主) | 25.00% | 773,200株 |
SBI証券 | 1.74% | 53,700株 |
大和証券 | 0.87% | 27,000株 |
野村證券 | 0.87% | 27,000株 |
松井証券 | 0.65% | 20,100株 |
SMBC日興証券 | 0.65% | 13,400株 |
岩井コスモ証券 | 0.43% | 13,400株 |
岡三証券 | 0.43% | 4,400株 |
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日程・価格
IPOの日程は、次のようになっています。
ブックビルディング期間 | 3月13日(月)~3月17日(金) |
当選発表日 | 3月20日(月) |
申込期間 | 3月22日(水)~3月27日(月) |
上場日 | 3月29日(水) |
続いて、価格は次のようになっています。
仮条件 | 970円~1,000円 |
公開価格 | 1,000円 |
初値 | 1,000円 |
過去IPO企業の初値や騰落率についてはコチラ
大株主
株主の状況は以下のようになっています。
株主名 | 比率 |
---|---|
十河 宏輔 | 37.22% |
小堤 音彦 | 9.54% |
(株)SMBC信託銀行(特定運用金外信託 未来創生2号ファンド) | 6.78% |
JATF VI (Singapore) Pte. Ltd. | 6.64% |
JAFCO Asia Technology Fund VII Pte. Ltd. | 4.81% |
JIC ベンチャー・グロース・ファンド1号投資事業有限責任組合 | 3.92% |
JPインベストメント1号投資事業有限責任組合 | 2.86% |
日本グロースキャピタル投資法人 | 2.42% |
渡邊 久憲 | 1.86% |
大川 敬三 | 1.71% |
企業概要
次に、同社の事業内容や直近の業績推移を確認していきましょう。
事業内容
AnyMind Groupは従来の流通市場の取引構造に問題を感じ、「全ての個人や企業が、ビジネスをより簡単に、よりグローバルに行える」世界の実現を目指しています。
同社はブランド企業向けマーケティング支援やD2C支援に関するプラットフォームとサービスの開発・提供を行なっている企業です。
既存の問題に対して、デジタルの面から解決しようとしているのね!
特徴としてはインターネットでブランドを販売するためのプロセス(製造企画、広告、販売、物流)を一貫してサポートしている事です。
同社は主に①ブランドコマース事業、②パートナーグロース事業の2つのサービスを提供しています。
ブランドコマース事業
同社は販売プロセスを一貫してサポートするために、物流、ECなど多種多様なプラットフォームを構築しています。
顧客はこれらのプラットフォームをニーズに合わせて組み合わせることで、ブランド拡大をよりスムーズに行う事ができます。
これだけ幅広くサポートされていれば全部任せられる、安心感が生まれるね!
パートナーグロース事業
同社はクリエイター育成のために企業案件の獲得始め、専門チームによるSNSの分析・楽曲作成のサポートなどを伴走型で手厚く支援しています。
これらのサポートにより、クリエイターの想いやこだわりを反映し、ニーズに合わせたクリエイターブランド・グッズ展開が可能になります。
専門家のサポートがあれば、多くの人に効率的に知ってもらえるね!
決算情報
続いて、同社の直近決算を見てみましょう。
売上収益や売上総利益に関しては2019年から順調に成長していることが分かります。
さらに同社が一番大事にしている、調整後EBITDA(営業利益又は営業損失+減価償却費及び償却費+株式報酬費用)も増加傾向です。
ちなみに、同社による2023年12月期の通期業績予想は、売上収益は327億円(前年同期比32.1%)、営業利益は3億円となっていました。
去年から営業利益の黒字転換を達成しているワン!
2021年12月期まで当期純損失を計上していましたが、2022年度には当期純利益を計上しました。
過去に投資した分を回収し始める段階に来ていると推測できます。
S&P Global Market Intelligence 発表の「Global Advertising Expenditure Forecast」によると、アジア地域のデジタルマーケティング市場規模は 2025 年には 2,276 億ドルになる(2021年度1,548憶ドル)と予想されています。
この背景には、日本及びアジア各国におけるスマートフォンやインターネットの普及、市場参加者の増加、SNS による情報流通量の増加等があります。
アジア地域のデジタルマーケティング市場はどんどん拡大しているんだね!
同社はアジア地域に注力(地域別売上収益比率が日本:47%、東南アジア:37%、インド・中国など:16%)しており、アジア市場の成長に従って、安定した成長が期待できそうです。
黒字化達成以降の成長も期待できそうね!
経営陣
同社役員は8名おり、そのなかで抜粋して役員の経歴を紹介します。
十河 宏輔(代表取締CEO)
2010年4月 株式会社マイクロアド 入社
2011年4月 株式会社マイクロアドプラス 出向
2013年6月 MicroAd Vietnam JSC CEO 就任
2014年2月 MicroAdSEA Pte. Ltd. COO就任
2015年3月 MicroAd Philippines Inc. CEO 就任
2015年3月 MicroAd(Thailand)Co Ltd. CEO 就任
2015年8月 PT Microad BLADE Indonesia 取締役 就任
2015年12月 MicroAd Malaysia Son. Bad. CEO 就任
2016年4月 当社グループ創業 AdAsia Holdings CEO 就任
2020年3月 当社代表取締役CEO 就任(現任)
最後に、他の企業の上場スケジュールについて知りたい方は「IPOスケジュール 」をご覧下さい。
IPO投資をするなら開いておきたい証券口座
- SBI証券
公式サイト:https://www.sbisec.co.jp/
2021年のIPO取扱数No.1。IPO投資をするなら必ず持っておきたい証券会社です。 - マネックス証券
公式サイト:https://www.monex.co.jp/
IPOが完全平等抽選制なので、初めてのIPO投資でも平等に抽選に参加できます。 - SMBC日興証券
公式サイト:https://www.smbcnikko.co.jp/
主幹事になることが多いので、IPOの割当率が高い証券会社です。
※本記事は2023年3月3日時点の情報を元に作成されています。
※本記事内で紹介されている意見は個人的なものであり、記事の作成者その他紹介企業等の意見を代表するものではありません。
※本記事は情報提供を目的としており、特定の商品や手法を推奨するものではありません。投資に関する意志決定はご自身の判断にてお願い致します。