今回はIPO企業の中から、6月27日に東証グロースに上場予定のクオリプス(4894)をご紹介します。(同日は「エリッツホールディングス」「GSI」が上場予定です)
クオリプスは、iPS細胞由来の再生医療等製品を開発・販売する企業です。
想定時価総額は117.9億円で、医療・福祉業のIPOとなっています。
※上場後、企業様へインタビューを実施できた際に、企業からのメッセージを掲載致します。
クオリプスのIPO基本情報
ここでは上場日や、いろはに投資独自の初値予想を見てみましょう。
上場日 | 6月27日(火) |
いろはに投資独自の初値予想 | C(1.0倍以上1.3倍未満) ※想定価格1,560円から、1,560円~2,028円 |
企業Webサイト | https://cuorips.co.jp/ |
取り扱い証券 | 野村證券(主幹事)、SBI証券、松井証券 |
IPO取り扱い数No.1のSBI証券が取り扱っているね!
クオリプスのIPO日程と価格
IPOの日程と価格は次のようになっています。
※発表次第更新しています。
想定価格 | 1,560円 |
仮条件 | 1,400~1,560円 |
ブックビルディング期間 | 6月9日(金)~6月15日(木) |
当選発表日 | 6月16日(金) |
公開価格 | 1,560円 |
申込期間 | 6月19日(月)~6月22日(木) |
上場日 | 6月27日(火) |
初値 | 1,680円 |
初値は1,680円で、公開価格からの騰落率が1.07倍になったね!
クオリプスのIPO初値予想
iPS細胞による再生治療という事業内容が魅力的であり、初値が上がりやすくなっています。
しかし業績は赤字続きであり、心筋シート技術の承認が早くとも来年度になることから、今年度も赤字が予想されます。
また上場予定企業も多く資金の分散も見込まれるだけでなく、オファリングレシオも37.6%と高いです。
これらの点から、IPO評価: C(予想レンジ1.0倍~1.3倍=1,560円~2,028円)と判断しました。
※IPO評価、初値予想は過去のデータを元に編集部が予想したものであり、結果を確約、投資を推奨するものではございません。
詳しい評価項目を知りたい方はこちら(クリックで開きます)
- 発行済み株式数:想定時価総額を計算。
- オファリングレシオ:小さい方が投資家からの人気が高い。市場に出回る株式数が少なくなることを意味するため。
- 公募割合:大きい方が投資家からの人気が高い。企業に資金が多く入ることを意味するため。
- 上場市場:グロースに上場する企業は人気が高くなりやすい。
- 事業のトレンド性:成長市場に位置し、トレンド性が高い企業は人気になりやすい。
- VC保有比率:VCが多くいる企業は事業のトレンド性が高く・成長企業であることが多いが、ロックアップがない場合はIPO後の需給が悪化しやすい
- 売上高成長率・経常利益率:大きい方が人気。過去の業績が良い。
- 前後2週間のIPO数:少ない方が投資家からの人気が高くなりやすい。
- 過去1ヶ月の日経平均リターン:高い方が人気。投資家心理に影響。
初値予想方法については、「【IPO初値予想】IPOの評価方法を初心者向けにやさしく解説!過去の事例も」の記事で解説しています。
また、IPO初値・騰落率結果一覧では直近のIPOデータを掲載しています。
クオリプスの主幹事・幹事証券
同社のIPO株を取り扱う証券会社は、次のようになっています。
大株主情報
大株主の状況は以下の通りです。
株主名 | 比率 |
---|---|
第一三共株式会社 | 15.75% |
イノベーション京都2016投資事業有限責任組合 | 9.13% |
テルモ株式会社 | 8.35% |
大幸薬品株式会社 | 7.87% |
SBI Ventures Two株式会社 | 7.87% |
JICベンチャー・グロース・ファンド1号投資事業有限責任組合 | 7.87% |
澤 芳樹 | 7.22% |
ジャフコSV6投資事業有限責任組合 | 6.30% |
三菱商事株式会社 | 4.30% |
京大ベンチャーNVCC2号投資事業有限責任組合 | 3.40% |
第7位の澤 芳樹氏は大阪大学の教授で、心臓血管外科の第一人者なんだよね!
クオリプスの業績情報
決算期 | 2018年3月 | 2019年3月 | 2020年3月 | 2021年3月 | 2022年3月 |
売上高 | 0 | 0 | 0 | 220 | 13,913 |
成長率 | ー | ー | ー | ー | +6224.1% |
経常利益 | -59,876 | -143,963 | -176,987 | -295,845 | -373,140 |
成長率 | ー | ー | ー | ー | ー |
経常利益率 | ー | ー | ー | ー | ー |
当期純利益 | -26,544 | -128,255 | -179,833 | -307,834 | -375,337 |
成長率 | ー | ー | ー | ー | ー |
EPS | -59.5 | -87.5 | -97.3 | -123.6 | -66.6 |
BPS | 143.8 | 508.1 | 407.2 | 751.0 | 686.1 |
売上高は2021年3月期より計上され始めていて、23年3月期には215百万円の売り上げが立つ見込みとなっています。
一方で直近5年間の経常利益・当期純利益は、研究開発費のために赤字続きとなっています。
ただ、クオリプスの主要プロジェクトであるヒトiPS細胞由来心筋細胞シートの製造販売承認への治験は着々と進んでおり、早ければ来年度には承認されるので、売上高の増加とともに経常利益・当期純利益の黒字転換も視野に入ってくるでしょう。
また、EPSは赤字続きとなってはいますが、BPSについては上昇傾向となっています。
心筋シートが承認されてからの業績に期待だね!
クオリプスの事業内容
クオリプスは主にiPS細胞を用いた心筋シートの開発・販売を行っています。
事業としては、細胞治療事業とその他事業に分かれており、その中に研究開発のパイプラインを置いています。
中でもヒトiPS細胞由来心筋細胞シートについては、3つのプロジェクトが進行しています。
- 虚血性心疾患向け
心筋梗塞など、血管が詰まり血液がうまく回らなくなる心疾患に対する治療プロジェクトです。治験としての手術は全て終了・成功しており、早ければ来年度に販売承認されます。
- 拡張型心疾患向け
心臓の筋肉がぺらぺらに薄くなり拡張して収縮力が低下し、血液がうまく回らなくなる心疾患に対するプロジェクトです。こちらは臨床試験は始まっていませんが、虚血性心疾患と同様に心筋シートが有効であると見込まれています。
- 虚血性心疾患向け(海外)
日本では治験まで完了している虚血性心疾患治療心筋シートの、海外販売を目指すプロジェクトです。海外での提携先は見つかっていませんが、大きな需要が見込まれています。
心臓病の再生治療にフォーカスした会社だワン!
※同社の事業内容分析は近日中にアップデートいたします。
直近IPOの初期予想と騰落結果
直近の4月にIPOした企業の初値予想と結果は以下の通りです。
企業名 | 上場日 | 初値予想 | 初値騰落結果 |
---|---|---|---|
Ridge-i | 4/26 | B(1.3~1.5倍) | 2.54倍 |
レオス・キャピタルワークス | 4/25 | B(1.3~1.5倍) | 1.33倍 |
楽天銀行 | 4/21 | C(1.0~1.3倍) | 1.33倍 |
南海化学 | 4/20 | C(1.0~1.3倍) | 1.46倍 |
エキサイトホールディングス | 4/19 | C(1.0~1.3倍) | 1.27倍 |
米国の金融不安などがありますが、直近のIPOは堅調に推移しています。
最後に、他の企業の上場スケジュールについて知りたい方は「IPOスケジュール」もご覧下さい。
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