今回はIPO企業の中から、12月20日に東証スタンダードに上場したロココ(5868)をご紹介します。(同日は「ナイル」、「エスネットワークス」が上場しました)
ロココは、IT アウトソーシング・BPO サービス及びシステム開発・保守・導入支援等を行う企業です。
想定時価総額は24.9億円で、サービス業のIPOとなっています。
ロココのIPO基本情報
ここでは上場日や、いろはに投資独自の初値予想を見てみましょう。
上場日 | 12月20日(水) |
いろはに投資独自の初値予想 | C(1.0倍以上1.3倍未満) ※想定価格710円から、710円~923円 |
企業Webサイト | https://www.rococo.co.jp/ |
取り扱い証券 | 岩井コスモ証券 、岡三証券、 SBI証券、楽天証券 、松井証券 など |
IPO取り扱い数No.1のSBI証券が取り扱っているね!
ロココのIPO日程と価格
IPOの日程と価格は次のようになっています。
※発表次第更新しています。
想定価格 | 710円 |
仮条件 | 900円〜940円 |
ブックビルディング期間 | 12月4日(月)~12月14日(木) |
当選発表日 | 12月11日(月) |
公開価格 | 1,128円 |
申込期間 | 12月12日(火)~12月15日(金) |
上場日 | 12月20日(水) |
初値 | 1,100円 |
発行価格決定日が12月11日(月)だったため、申込期間は「12月12日(火)~12月15日(金)」、上場日は「12月20日(水)」
初値は公開価格の0.97倍になったよ!
ロココのIPO初値予想
想定時価総額24.9億円、吸収金額11.0億円はいずれも小型サイズであり荷もたれ感はありません。
期待の高いDX関連事業に従事しており、人気を集めやすいです。
また、VC保有株が無く、売り圧力が弱いことはプラスに働きます。
一方で、オファリングレシオが高い点、初値上昇率が低い東証スタンダード市場である点はマイナスに働きます。
これらの点から、IPO評価: C(予想レンジ1.0倍~1.3倍=710円~923円)と判断しました。
※IPO評価、初値予想は過去のデータを元に編集部が予想したものであり、結果を確約、投資を推奨するものではございません。
詳しい評価項目を知りたい方はこちら(クリックで開きます)
- 発行済み株式数:想定時価総額を計算。
- オファリングレシオ:小さい方が投資家からの人気が高い。市場に出回る株式数が少なくなることを意味するため。
- 公募割合:大きい方が投資家からの人気が高い。企業に資金が多く入ることを意味するため。
- 上場市場:グロースに上場する企業は人気が高くなりやすい。
- 事業のトレンド性:成長市場に位置し、トレンド性が高い企業は人気になりやすい。
- VC保有比率:VCが多くいる企業は事業のトレンド性が高く・成長企業であることが多いが、ロックアップがない場合はIPO後の需給が悪化しやすい
- 売上高成長率・経常利益率:大きい方が人気。過去の業績が良い。
- 前後2週間のIPO数:少ない方が投資家からの人気が高くなりやすい。
- 過去1ヶ月の日経平均リターン:高い方が人気。投資家心理に影響。
初値予想方法については、「【IPO初値予想】IPOの評価方法を初心者向けにやさしく解説!過去の事例も」の記事で解説しています。
また、IPO初値・騰落率結果一覧では直近のIPOデータを掲載しています。
ロココの主幹事・幹事証券
同社のIPO株を取り扱う証券会社は、次のようになっています。
証券会社名 | 割当率 | 割当株数 |
---|---|---|
野村證券(主幹事) | 92.01% | 1,428,500株 |
みずほ証券 | 3.35% | 52,000株 |
岩井コスモ証券 | 1.35% | 21,000株 |
岡三証券 | 1.35% | 21,000株 |
SBI証券 | 0.64% | 10,000株 |
楽天証券 | 0.64% | 10,000株 |
松井証券 | 0.64% | 10,000株 |
当選しやすい証券会社ランキング
なかなかIPOが当選しないな…
この記事をご覧頂いている方の中には、1つの証券口座だけでIPO抽選に参加している方も多いのではないでしょうか。
IPO投資で成功するには、複数口座を使い分けて抽選に参加するのがおすすめです。
以下の表では、IPO投資で開いておくべき”おすすめの証券口座”を紹介しています。
証券会社名 | 取扱数 | 主幹事数 | 抽選方法 | 事前入金 |
SBI証券 | 89 | 13 |
完全平等抽選: 60%
IPOチャレンジポイントに基づいた配分: 30%
取引状況等を踏まえて定めた配分: 10%
|
必要 |
楽天証券 | 65 | 0 | 完全平等抽選 | 必要 |
SMBC日興証券 | 47 | 24 | 完全平等抽選: 10% ステージ別抽選: 最大5% ※ほか対面割り当て | 必要 |
松井証券 | 55 | 0 | 配分予定数量の70%以上を抽選 | 不要 |
岡三証券 | 38 | 0 | 取引実績に応じて優遇抽選 | 不要 |
マネックス証券 | 60 | 0 | 完全平等抽選 | 必要 |
※取扱数、主幹事数は2022年のデータ
松井証券や岡三証券は、事前入金不要で抽選に参加できるワン!
証券会社を詳しく比較
大株主情報
大株主の状況は以下の通りで、第2位の長谷川 一彦氏は同社代表取締役社長です。
また、筆頭株主の株式会社イッシンは長谷川 一彦氏の資産管理会社となっています。
株主名 | 比率 |
---|---|
(株)イッシン | 46.16% |
長谷川 一彦 | 22.72% |
長谷川 裕美 | 3.55% |
吉原 美智代 | 3.49% |
加藤 芳男 | 1.78% |
西本 憲二 | 1.51% |
河村 博文 | 1.36% |
長谷川 昭次 | 1.07% |
ロココ社員持株会 | 0.92% |
長谷川 正人 | 0.71% |
ベンチャーキャピタルの保有株は無いね!
ロココの業績情報
決算期 | 2021年12月 | 2022年12月 |
---|---|---|
売上高 | 6,304 | 6,929 |
成長率 | ー | +9.9% |
経常利益 | 408 | 698 |
成長率 | ー | +71.1% |
経常利益率 | 6.5% | 10.1% |
当期純利益 | 322 | 453 |
成長率 | ー | +40.7% |
EPS | 124.1 | 174.3 |
BPS | 235.1 | 413.1 |
※2021年12月期より連結決算に移行。
※2023年10月18日付で普通株式1株につき20株の株式分割を実施。
同社は2021年12月期より連結決算に移行し、売上高・経常利益ともに好調な推移を見せています。
2022年12月期は、新型コロナウイルスの行動緩和によりコンサート等の入場者規制が解除され、イベントサービス事業において売上が増加しました。
また、企業におけるDX推進の流れにより、ServiceNow事業において新規契約を獲得し、売上を伸ばしました。
利益率の高いイベントサービス事業・ServiceNow事業の売上高増により、経常利益の増加率が顕著となっています。
時代のニーズに合わせた事業展開を行なっているんだね!
ロココの事業内容
ロココの事業内容は、アウトソーシングサービスを行うITO&BPO事業、システム開発・保守・導入支援を行うクラウドソリューション事業、海外法人としてオフショア拠点にて開発・保守業務を行う海外事業の3つのセグメントに分かれます。
それぞれの事業におけるビジネスフローは、以下の通りです。
ITO&BPO事業
・ITサービスマネジメント事業
関東圏、関西圏を中心に様々な業種において、インフラ・ネットワーク構築やエンジニア常駐等、幅広いサービスを提供。
アウトソースする人材の正社員比率は高く、同一顧客に対して長期間継続契約している点が特徴だよ!
・カスタマーコミュニケーション事業
コールセンター・BPOサービスを提供。
・イベントサービス事業
コンサート、舞台などイベントに関するチケッティングサービスを全般的に提供。
クラウドソリューション事業
・ServiceNow事業
ServiceNowを用いて、プラットフォームシステムの導入支援・運用保守を提供。
ServiceNowとは?
ワークフロー構築やサポートデスクの運用管理等、社内業務に関するシステムを一元化して運用・管理できるクラウドサービス
・HRソリューション事業
自社製品の勤怠管理システム「RocoTime(ロコタイム)」の開発・販売。
・システムソリューション事業
受託開発やエンジニア常駐サービス等を提供。
Microsoft Dynamics365/Power Platformの導入支援や運用保守も行なっているワン!
・ソリューション事業
自社製品の顔認証システム「AUTH(オース)」シリーズを利用したソリューションを提供。
- 手ぶら・顔認証でスムーズな入退場を可能とする「AUTH thru」
- スマートフォンでの生体認証チケット「AUTH TICKET」
- PCログインソフトウェア「AUTH SIGN」
- 顔認証入退場管理に電気錠を連動させスムーズな入退場を可能にする「AUTH thru KEY」
海外事業
中国・寧波及びフィリピン・セブをオフショア開発の拠点として、システム開発を一部委託することで、コスト面、スピード面での優位性を高めています。
直近IPOの初期予想と騰落結果
直近の10月、11月にIPOした企業の初値予想と結果は以下の通りです。
企業名 | 上場日 | 初値予想 | 初値騰落結果 |
---|---|---|---|
Japan Eyewear Holdings | 11/16 | D(1.0倍未満) | 0.93倍 |
DAIWA CYCLE | 11/8 | B(1.3~1.5倍) | 1.12倍 |
ドリーム・アーツ | 10/27 | B(1.3~1.5倍) | 1.13倍 |
笑美面 | 10/26 | C(1.0~1.3倍) | 1.45倍 |
全保連 | 10/25 | D(1.0倍未満) | 0.97倍 |
日経平均が足踏みした中、初値が公開価格を下回ったIPO銘柄もありました。
ですが、条件の良い銘柄はしっかりと強い上昇を見せています。
最後に、他の企業の上場スケジュールについて知りたい方は「IPOスケジュール」もご覧下さい。
IPO投資におすすめのネット証券3選
- SBI証券
公式サイト:https://www.sbisec.co.jp/
2021年のIPO取扱数No.1。IPO投資をするなら必ず持っておきたい証券会社です。 - マネックス証券
公式サイト:https://www.monex.co.jp/
IPOが完全平等抽選制なので、初めてのIPO投資でも平等に抽選に参加できます。 - SMBC日興証券
公式サイト:https://www.smbcnikko.co.jp/
主幹事になることが多いので、IPOの割当率が高い証券会社です。