今回はIPO企業の中から、12月15日に東証グロースに上場予定のS&J（5599）をご紹介します。（同日は「魁力屋」が上場予定です）
S&Jは、サイバーセキュリティのコンサルティングや監視・運用をする企業です。
想定時価総額は72.1億円で、情報・通信業のIPOとなっています。
S&JのIPO基本情報
ここでは上場日や、いろはに投資独自の初値予想を見てみましょう。
| 上場日 | 12月15日（金） |
| いろはに投資独自の初値予想 | B（1.3倍以上1.5倍未満） ※想定価格1,320円から、1,716円～1,980円 |
| 企業Webサイト | https://www.sandj.co.jp/ |
| 取り扱い証券 | SMBC日興証券（副）、楽天証券 、マネックス証券 、松井証券など |
SMBC日興証券が副幹事になっているね！
S&JのIPO日程と価格
IPOの日程と価格は次のようになっています。
※発表次第更新しています。
| 想定価格 | 1,320円 |
| 仮条件 | 1,200~1,320円 |
| ブックビルディング期間 | 11月29日（水）～12月5日（火） |
| 当選発表日 | 12月6日（水） |
| 公開価格 | 1,320円 |
| 申込期間 | 12月7日（木）～12月12日（火） |
| 上場日 | 12月15日（金） |
| 初値 | 1,289円 |
初値は1,289円と公開価格の0.98倍になったよ！
S&JのIPO初値予想
S&Jの業績は右肩上がりで、2021年3月期から売上高は20%~30%前後の成長を見せており、2024年3月期についても売上高は上昇する見込みです。
また時価総額も72.1億円と小さく、これも初値上昇に対しプラスの要因です。
ですがオファリングレシオは31.9%と高く、初値上昇に対しマイナスの要因になります。
さらに、同日にはもう一社の上場が予定されていることはややマイナスの要因となります。
これらの点から、IPO評価： B（予想レンジ1.3倍～1.5倍＝1,716円～1,980円）と判断しました。
※IPO評価、初値予想は過去のデータを元に編集部が予想したものであり、結果を確約、投資を推奨するものではございません。
詳しい評価項目を知りたい方はこちら（クリックで開きます）
- 発行済み株式数：想定時価総額を計算。
- オファリングレシオ：小さい方が投資家からの人気が高い。市場に出回る株式数が少なくなることを意味するため。
- 公募割合：大きい方が投資家からの人気が高い。企業に資金が多く入ることを意味するため。
- 上場市場：グロースに上場する企業は人気が高くなりやすい。
- 事業のトレンド性：成長市場に位置し、トレンド性が高い企業は人気になりやすい。
- VC保有比率：VCが多くいる企業は事業のトレンド性が高く・成長企業であることが多いが、ロックアップがない場合はIPO後の需給が悪化しやすい
- 売上高成長率・経常利益率：大きい方が人気。過去の業績が良い。
- 前後2週間のIPO数：少ない方が投資家からの人気が高くなりやすい。
- 過去１ヶ月の日経平均リターン：高い方が人気。投資家心理に影響。
初値予想方法については、「【IPO初値予想】IPOの評価方法を初心者向けにやさしく解説！過去の事例も」の記事で解説しています。
また、IPO初値・騰落率結果一覧では直近のIPOデータを掲載しています。
S&Jの主幹事・幹事証券
同社のIPO株を取り扱う証券会社は、次のようになっています。
| 証券会社名 | 割当率 | 割当株数 |
|---|---|---|
| 東海東京証券（主幹事） | 86.95% | 1,589,900株 |
| SMBC日興証券 | 5.65% | 103,400株 |
| 楽天証券 | 0.87% | 15,900株 |
| マネックス証券 | 0.87% | 15,900株 |
| 松井証券 | 0.87% | 15,900株 |
| 岡三証券 | 0.87% | 15,900株 |
| あかつき証券 | 0.87% | 15,900株 |
| 極東証券 | 0.87% | 15,900株 |
| 東洋証券 | 0.87% | 15,900株 |
| むさし証券 | 0.44% | 8,000株 |
当選しやすい証券会社ランキング
なかなかIPOが当選しないな…
この記事をご覧頂いている方の中には、1つの証券口座だけでIPO抽選に参加している方も多いのではないでしょうか。
IPO投資で成功するには、複数口座を使い分けて抽選に参加するのがおすすめです。
以下の表では、IPO投資で開いておくべき”おすすめの証券口座”を紹介しています。
| 証券会社名 | 取扱数 | 主幹事数 | 抽選方法 | 事前入金 |
| SBI証券 | 89 | 13 |
完全平等抽選: 60％
IPOチャレンジポイントに基づいた配分: 30％
取引状況等を踏まえて定めた配分: 10%
|
必要 |
| 楽天証券 | 65 | 0 | 完全平等抽選 | 必要 |
| SMBC日興証券 | 47 | 24 | 完全平等抽選: 10％ ステージ別抽選: 最大5% ※ほか対面割り当て | 必要 |
| 松井証券 | 55 | 0 | 配分予定数量の70％以上を抽選 | 不要 |
| 岡三証券 | 38 | 0 | 取引実績に応じて優遇抽選 | 不要 |
| マネックス証券 | 60 | 0 | 完全平等抽選 | 必要 |
※取扱数、主幹事数は2022年のデータ
松井証券や岡三証券は、事前入金不要で抽選に参加できるワン！
証券会社を詳しく比較
大株主情報
大株主の状況は以下の通りで、筆頭株主で東証プライムに上場済みのマクニカ(3132)が親会社となっており、4位のマクニカ・インベストメント・パートナーズも系列となっています。
| 株主名 | 比率 |
|---|---|
| (株)マクニカ | 45.83% |
| 三輪 信雄 | 24.15% |
| (株)BNP | 11.00% |
| マクニカ・インベストメント・パートナーズ | 6.78% |
| 石川 剛 | 5.13% |
| 上原 孝之 | 0.92% |
| 經田 洋平 | 0.92% |
| 半澤 幸一 | 0.64% |
| 村上 雅則 | 0.55% |
| 遠藤 弘樹 | 0.37% |
第2位の三輪 信雄氏は同社の代表取締役社長だよ！
S&Jの業績情報
| 決算期 | 2019年3月 | 2020年3月 | 2021年3月 | 2022年3月 | 2023年3月 |
| 売上高 | 755 | 647 | 830 | 1,077 | 1,281 |
| 成長率 | ー | -14.3% | +28.3% | +29.8% | +18.9% |
| 経常利益 | -106 | -102 | 110 | 249 | 321 |
| 成長率 | ー | ー | ー | +126.4% | +28.9% |
| 経常利益率 | ー | ー | 13.3% | 23.1% | 25.1% |
| 当期純利益 | -96 | -136 | 127 | 223 | 210 |
| 成長率 | ー | ー | ー | +75.6% | -5.8% |
| EPS | -38.8 | -48.6 | 25.7 | 44.9 | 42.3 |
| BPS | 51.5 | 38.5 | 64.2 | 109.1 | 151.3 |
※2023年6月26日付で普通株式1株につき100株の割合で株式分割を実施。
表では2019年3月期の期首に株式分割が行われたと仮定した数値を使用。
2021年3月期から売上高は20%~30%前後の成長を見せており、2024年3月期についても売上高は上昇する見込みです。
経常利益と当期純利益については2021年3月期から黒字転換しており、利益率についても大きな成長を見せています。
なお当期純利益については2023年3月期に前年度からの小さな反落がありますが、これは繰越欠損金の影響により法人税等の計上が抑えられていた反動によるものです。
業績の黒字化に伴い、EPSも2021年3月期からプラスに転じています。
また、BPSについても2021年3月期より堅調に上昇しているのが分かります。
業績も良好になって安定しているんだね！
S&Jの事業内容
S&JはSOCサービスとサイバーセキュリティのコンサルティングサービスを展開しており、以下のようなサービスを提供しています。
SOCとは？
SOCとはSecurity Operation Centerの略で、サイバー攻撃の検知や分析を行い、対策を講じる組織を指します。
同社は自社でサイバーセキュリティを構築するだけではなく目的に応じて他社製品も駆使し、より高度なセキュリティを構築しています。
SOCサービス
- SOCアウトソーシング
同社独自の製品であるSOC Engineや他社製品に用いて顧客のシステム全体を監視・運用します。
- EDR監視サービス
EDRとは？
EDRとはEndpoint Detection and Responseの略で、各ユーザが使うパソコンなどのエンドポイントでのマルウェア被害等を探知し、防御することで害の拡大を防ぐこと
同社製品のクラウド型EDR、KeepEyeや他社製品を用いてEDR監視を行い、ウイルスなどの被害を抑えます。
コンサルティングサービス
- インシデント対応
サイバーセキュリティ事故が発生した際の対応を支援。
一口にサイバーセキュリティといっても、様々なサービスがあるんだワン！
直近IPOの初期予想と騰落結果
直近の10月、11月にIPOした企業の初値予想と結果は以下の通りです。
| 企業名 | 上場日 | 初値予想 | 初値騰落結果 |
|---|---|---|---|
| DAIWA CYCLE | 11/8 | B（1.3~1.5倍） | 1.12倍 |
| ドリーム・アーツ | 10/27 | B（1.3~1.5倍） | 1.13倍 |
| 笑美面 | 10/26 | C（1.0~1.3倍） | 1.45倍 |
| 全保連 | 10/25 | D（1.0倍未満） | 0.97倍 |
| KOKUSAI ELECTRIC | 10/25 | C（1.0~1.3倍） | 1.15倍 |
日経平均が足踏みしている中、初値が公開価格を下回ったIPO銘柄もありました。
ですが、条件の良い銘柄はしっかりと強い上昇を見せています。
最後に、他の企業の上場スケジュールについて知りたい方は「IPOスケジュール」もご覧下さい。
IPO投資におすすめのネット証券3選
- SBI証券
公式サイト：https://www.sbisec.co.jp/
2021年のIPO取扱数No.1。IPO投資をするなら必ず持っておきたい証券会社です。 - マネックス証券
公式サイト：https://www.monex.co.jp/
IPOが完全平等抽選制なので、初めてのIPO投資でも平等に抽選に参加できます。 - SMBC日興証券
公式サイト：https://www.smbcnikko.co.jp/
主幹事になることが多いので、IPOの割当率が高い証券会社です。
