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エキサイトホールディングス(5571)のIPO初値予想と上場概要紹介・IPOインタビュー

今回はIPO企業の中から、4月19日に東証スタンダードに上場予定のエキサイトホールディングス(5571)をご紹介します。

エキサイトホールディングスは、プラットフォーム事業やブロードバンド事業、SaaS・DX事業を行う企業です。

2004年に東証JASDAQへ上場するも、業績が低迷しTOB(株式公開買い付け)を行い、2018年に上場廃止となりました。

しかしながら、わずか4か月で経営黒字化に成功し、復活の再上場に注目が集まります。

想定時価総額は64.3億円で、情報・通信業のIPOとなっています。

監修者:曽根原 大介
監修者:曽根原 大介

上智大学 外国語学部卒業。在学中に米 San Diego State University ファイナンス学部に留学。FP3級保持。
2019年より株式会社インベストメントブリッジにて投資家向けWebサイトの運営や上場企業のIRコンサルティングを手掛け、現在は社長室 室長。
学生・新卒向けの金融教育活動も実施。日本株やアメリカ株、NISAの投信積立、仮想通貨などに7年以上投資している。

企業からのメッセージ

4月7日(金)、エキサイトホールディングス株式会社の西條社長にインタビューを実施しました。

インタビューでは上場までの道のりや、個人投資家へのメッセージなどを伺いました。

西條晋一代表取締役社長

代表取締役社長CEO
西條 晋一氏

伊藤忠商事株式会社を経て、2000年に株式会社サイバーエージェント入社。2004年取締役就任。2008年専務取締役COO就任。2013年WiL共同創業者ジェネラルパートナー就任。その後、2018年1月にXTech株式会社、XTech Ventures株式会社の2社を創業。2018年7月に当社を設立し、代表取締役社長CEOに就任。TOBによりエキサイト株式会社全株式を取得し2018年11月に完全子会社化。

創業の経緯

当社の始まりは、2018年に設立したXTech株式会社です。

当初は様々な事業を始めようと考えていましたが、エキサイト(当時JASDAQにて上場済)の業績が悪化しているとの話を聞き、買収を決意しました

確かに業績は落ちていたものの売上は50億円ほどあり、上手く経営すれば必ず黒字化できると考えました。

また当時のエキサイトは従業員も200名程度おり、会社の基盤はしっかりしていました。

サイバーエージェント取締役やVCでの経験から、これは必ず成長できる会社だと判断し、買収へと至りました

様々な会社の経営に携わった経験が活きているんだね!

市場環境

当社はプラットフォーム事業を主力事業としています。

エキサイトの祖業はメディア事業であり、そこから様々な事業に派生してきた経緯があります。

メディア市場は成長しており、特に当社のウーマンエキサイトはかつての10倍以上のPV数を記録しています。

また、当社は長年のメディア運営を通じたユーザー理解もあるため、それを活用してカウンセリング事業にも力を入れています

カウンセリング事業って?

カウンセリング事業では、主に占いサービスとお悩み相談サービスを提供しています。

近年はお悩み相談サービスの成長が顕著であり、恋愛・結婚、健康・メンタル、家庭・家族、仕事・キャリア等さまざまなジャンルのカウンセリングを行っています。

今後はリスキリングやコーチングなど、カウンセリングサービスの関連事業の展開も考えています。

成長戦略

既存ビジネスに関しては、カウンセリングサービスを軸としてプラットフォーム事業を伸ばしていく方針です。

新規のビジネスでは、TOB後に開始したSaaS事業を花開かせるべく取り組んでいます。

また今回のIPOで12億円ほど資金調達ができるため、M&A等も成長戦略として考えています。

同社は2018年のMBO後、約10個もの新規事業を立ち上げてきたワン!

株主還元

短期的には株価を上げるという形で株主様へ還元したいと考えています。

直近での配当は考えておらず、事業への投資を行い株価向上に努めます

かつて上場していた時は配当を出していたこともあり、長期的にはどこかのタイミングで配当を出したいと考えています。

また、自社株買いや株主優待といった形での還元も考えています。

個人投資家へのメッセージ

当社経営陣は経営経験の豊富な人材が揃っており、ボラティリティの小さな安定した経営を行ってまいります。

流行りのテクノロジー銘柄のように短期売買する銘柄ではなく、中長期で投資して頂ければ嬉しいです。

投資家の皆様の期待を裏切らないようしっかりと経営していきますので、応援よろしくお願いいたします。

エキサイトホールディングスのIPO基本情報

ここでは上場日や、いろはに投資独自の初値予想を見てみましょう。

上場日4月19日(水)
いろはに投資独自の初値予想C(1.0倍~1.3倍)
※想定価格の1,340円~1,608円
企業Webサイトhttps://www.excite-holdings.co.jp/
取り扱い証券大和証券SBI証券楽天証券SMBC日興証券松井証券など

IPO取り扱い数No.1のSBI証券が取り扱っているね!

IPO日程と価格

IPOの日程は次のようになっています。

※発表次第更新しています。

ブックビルディング期間4月3日(月)~4月7日(金)
仮条件1,220~1,340円
当選発表日4月10日(月)
公開価格1,340円
申込期間4月11日(火)~4月14日(金)
上場日4月19日(水)
初値1,700円

エキサイトホールディングスのIPO初値予想

SaaS事業を取り扱っている点業績を改善させた点から注目が集まります。

一方で、オファリングレシオや吸収金額は初値にプラスではあるもののそこまで大きな影響はないと予想されます。

また、人気の出にくいスタンダード市場に上場すること、再上場案件であることが懸念点です。

これらの点から、IPO評価: C(予想レンジ1.0倍~1.3倍=想定価格の1,340円~1,608円 と判断しました。

※IPO評価、初値予想は過去のデータを元に編集部が予想したものであり、結果を確約、投資を推奨するものではございません。

初値予想アンケート

想定価格:1,340円

アンケート期間終了

詳しい評価項目を知りたい方はこちら(クリックで開きます)
  • 発行済み株式数:想定時価総額を計算。
  • オファリングレシオ:小さい方が投資家からの人気が高い。市場に出回る株式数が少なくなることを意味するため。
  • 公募割合:大きい方が投資家からの人気が高い。企業に資金が多く入ることを意味するため。
  • 上場市場:グロースに上場する企業は人気が高くなりやすい。
  • 事業のトレンド性:成長市場に位置し、トレンド性が高い企業は人気になりやすい。
  • VC保有比率:VCが多くいる企業は事業のトレンド性が高く・成長企業であることが多いが、ロックアップがない場合はIPO後の需給が悪化しやすい
  • 売上高成長率・経常利益率:大きい方が人気。過去の業績が良い。
  • 前後2週間のIPO数:少ない方が投資家からの人気が高くなりやすい。
  • 過去1ヶ月の日経平均リターン:高い方が人気。投資家心理に影響。

初値予想方法については、「【IPO初値予想】IPOの評価方法を初心者向けにやさしく解説!過去の事例も」の記事で解説しています。

また、IPO初値・騰落率結果一覧では直近のIPOデータを掲載しています。

エキサイトホールディングスの主幹事・幹事証券

同社のIPO株を取り扱う証券会社は、次のようになっています。

証券会社名割当率割当株数
みずほ証券 (主幹事)66.09%684,000株
大和証券 28.70%297,000株
SBI証券 1.74%18,000株
楽天証券1.74%18,000株
SMBC日興証券0.87%9,000株
松井証券0.87%9,000株

IPO取り扱い数No.1

>>IPO投資におすすめの証券会社ランキングを見る

大株主情報

大株主は以下のようになっています。

「西條 晋一」氏はエキサイトホールディングスの社長であり、筆頭株主のCASK株式会社も同氏の資産管理会社となっています。

株主名比率
CASK株式会社49.15%
西條 晋一21.88%
ユナイテッド株式会社12.91%
株式会社DGベンチャーズ3.23%
みずほ成長支援第2号投資事業有限責任組合3.23%
石井 雅也2.46%
XTech1号投資事業有限責任組合1.61%
秋吉 正樹0.82%
宮崎 貴士0.28%
藤田 毅0.28%
上位10名を記載

エキサイトホールディングスの業績情報

エキサイトホールディングス業績
決算期2018年3月2019年3月2020年3月2021年3月2022年3月
売上高6,2935,6785,7356,8287,131
成長率-9.8%+1.0%+19.1%+4.4%
経常利益-256-320368424407
成長率+15.2%-4.0%
経常利益率6.4%6.2%5.7%
当期純利益-516-833406487346
成長率+20.0%-29.0%
EPS-8.18-13.20104.42125.1489.04
BPS81.0869.01-200.53-9.3653.55
目論見書を元に、いろはに投資作成
※2022年12月9日付で普通株式1株につき10株の割合で株式分割を実施。

売上高と純資産はともにTOB後は右肩上がりで推移しています

2018年のTOB後に抜本的な改革を行ったこともあり、売上高や収益性が改善されてきています。

また、最近の売上高の増加にはリモートワークや巣ごもり需要が強く影響しています。

中でもSaaSサービスのニーズは一層高まっており、(株)富士キメラ総研「2022デジタルトランスフォーメーション市場の将来展望市場編/ベンダー戦略編(2022年3月15日公表)」によると、2022年度の国内市場規模は1兆3,821億円であり、2030年度には3.8倍の5兆1,957億円と予測されています。

SaaS・DX事業の成長が期待できそうね!

利益も直近3年間で順調に推移していますが、経常利益率が減少傾向な点には注意が必要です。

エキサイトホールディングスPER
EPSは左軸、BPSは右軸

EPS・BPSはプラス傾向にあります。

今後、どれほどのペースでEPSを伸ばしていけるかが注目ポイントです。

2023年3月期の業績予想では、経常利益が前年同期比44.9%増の5億91百万円、当期純利益は28.8%増の4億47百万円となっているワン!

エキサイトホールディングスの事業内容

同社は、「デジタルネイティブ発想で心躍る未来を創る。」をミッションとして、既存事業としてプラットフォーム事業、ブロードハンド事業、新規事業としてSaaS・DX事業を展開しています。

SaaSとは?

供給者が、クラウド上でソフトウェアのサービスを作成し、利用者に提供されるものです。

利用者は、インターネット環境と各ツールのアカウントを持っていれば、どこにいてもサービスを使用することができます。

サブスクリプション型サービスが普及したことやソフトウェアを導入する必要がないことなどから現在注目されています。

同社の事業は、以下3つに分類されます。

それぞれ見ていきましょう。

プラットフォーム事業

同社は、長年のサービス運営により蓄積されたデータを基に、女性向けのカウンセリングサービスとメディアサービスを提供しています。

カウンセリングサービス

カウンセリングサービスは、人気の高い良質な占い師・カウンセラーによるカウンセリングを提供しています。

また、女性向けのサービスということもあり、ユーザーの約80%が女性となっています。

ターゲットを絞って個別のニーズにこたえているんだね!

メディアサービス

メディアサービスでは、子育て・暮らし・健康などに関する自社制作コンテンツなどのウェブ記事を提供しています。

現在は、同サービスのユーザー基盤を活かして、女性向けヘルスケア関連の商材販売であるD2Cサービスの利用拡大を図っています。

カウンセリングサービスはTOB前比で約2倍の売上高、メディアサービスはTOB前比で約8倍の1.9億PVと、大きく成長を遂げています。

ブロードバンド事業

ブロードバンド事業では、光回線や格安SIMのサービスを提供しています。

「BBエキサイト」「エキサイトモバイル」などのインターネット接続サービスを業界最安値の価格にて提供してることが強みです

回線契約に多い契約期間の縛りや違約金がなく、シンプルでわかりやすい料金体系となっています。

現在格安SIM業界において、大手3キャリア(NTTドコモ、au、ソフトバンク)や楽天等の各社が低料金プランのサービスを開始し競争が激化しています。

どうやって差別化を図っているのかな?

同社は新たな段階料金制プラン「Fit」、定額料金制プラン「Flat」の提供を開始し、ユーザーニーズに対応したサービスプランを開発し差別化を図っています。

さらに、コールセンターを活用することで、ユーザーからの問い合わせに迅速に対応しています。

今後も会員数拡大に向けて、自社サイトの改善、多種多様なユーザーニーズに即した商品プランを提供していく予定です。

SaaS・DX事業

SaaS・DX事業では、主に法人向けにソフトの提供やコンサルティングを行っています。

SaaSサービスでは、株式会社エキサイトを事業再生した手法を活かした経営管理ソフト「KUROTEN.」や、業務効率化を実現するウェビナーPDCAソフト「FanGrowth」を新規事業としてリリースしています。

また、DX分野として、企業の経営改善を行う「KUROTEN.経営改善コンサルティング」や見込み客の獲得・育成を目的とした「ウェビナーコンサルティング」も開始しており、今後の事業拡大に向けて取り組んでいます。

事業内でSaaSとDXのシナジーが生まれているワン!

直近IPOの初値予想と騰落結果

直近の12月~2月にIPOした企業の初値予想と結果は以下の通りです。

企業名上場日初値予想初値騰落結果
プライム・ストラテジー2/22B(1.3~1.5倍)2.25倍
テクノロジーズ1/26A(1.5~1.7倍)3.65倍
スマサポ12/29A(1.5~1.7倍)2.81倍
BTM12/27B(1.3~1.5倍)1.41倍
アルファパーチェス12/26D(1倍未満)0.98倍

最後に、他の企業の上場スケジュールについて知りたい方は「IPOスケジュール」もご覧下さい。

IPO投資におすすめのネット証券3選

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