今回はIPO企業の中から、4月18日に東証グロースに上場予定のジェノバ(5570)をご紹介します。
株式会社ジェノバ は、GNSS補正情報配信サービスを提供している企業です。
想定時価総額は63.9億円で、情報・通信業(業種)のIPOとなっています。
※上場後、企業様へインタビューを実施できた際に、企業からのメッセージを掲載致します。
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IPO概要・初値予想
まず、ジェノバの初値予想やIPO概要など、次の4つについて解説していきます。
同社を購入検討している方は、ご確認ください。
IPO評価・初値予想
人気の高い情報・通信業のIPOで、業績も堅調です。
時価総額が63.9億円、吸収金額も4.1億円と小さくなっています。
加えて、公募比率が100%と高く、需給の関係からみても初値は上昇しやすいと考えています。
IPOラッシュが続いていますが、投資家の資金分散の影響は限定的と思われます。
これらの点から、IPO評価: S(予想レンジ1.7倍以上)と判断しました。
※IPO評価、初値予想は過去のデータを元に編集部が予想したものであり、結果を確約、投資を推奨するものではございません。
詳しい評価項目を知りたい方はこちら(クリックで開きます)
- 発行済み株式数:想定時価総額を計算。
- オファリングレシオ:小さい方が投資家からの人気が高い。市場に出回る株式数が少なくなることを意味するため。
- 公募割合:大きい方が投資家からの人気が高い。企業に資金が多く入ることを意味するため。
- 上場市場:グロースに上場する企業は人気が高くなりやすい。
- 事業のトレンド性:成長市場に位置し、トレンド性が高い企業は人気になりやすい。
- VC保有比率:VCが多くいる企業は事業のトレンド性が高く・成長企業であることが多いが、ロックアップがない場合はIPO後の需給が悪化しやすい
- 売上高成長率・経常利益率:大きい方が人気。過去の業績が良い。
- 前後2週間のIPO数:少ない方が投資家からの人気が高くなりやすい。
- 過去1ヶ月の日経平均リターン:高い方が人気。投資家心理に影響。
初値予想の方法についはコチラ
取り扱い証券
同社のIPO株を取り扱う証券会社は、次のようになっています。
証券会社名 | 割当率 | 割当株数 |
---|---|---|
大和証券(主) | 93.91% | 864,000株 |
SBI証券 | 0.87% | 8,000株 |
松井証券 | 0.87% | 8,000株 |
水戸証券 | 0.87% | 8,000株 |
極東証券 | 0.87% | 8,000株 |
香川証券 | 0.87% | 8,000株 |
東洋証券 | 0.87% | 8,000株 |
岩井コスモ証券 | 0.87% | 8,000株 |
IPOに投資におすすめの証券会社はコチラ
日程・価格
IPOの日程は次のようになっています。
ブックビルディング期間 | 4月3日(月)~4月7日(金) |
当選発表日 | 4月10日(月) |
申込期間 | 4月11日(火)~4月14日(金) |
上場日 | 4月18日(火) |
続いて、価格は以下のようになります。
仮条件 | 450~470円 |
公開価格 | 470円 |
初値 | 2,106円 |
過去IPO企業の初値や騰落率についてはコチラ
大株主
株主名 | 比率 |
---|---|
南 安子 | 17.40% |
南 尚子 | 17.40% |
株式会社トプコン | 9.99% |
株式会社日立産機システム | 6.66% |
株式会社パスコ | 5.83% |
戸上 敏 | 4.48% |
河野 芳道 | 3.74% |
小松 哲郎 | 2.62% |
細谷 素之 | 2.24% |
菅原 光一 | 2.15% |
企業概要
次に、同社の事業内容や直近の業績推移を確認していきましょう。
事業内容
ジェノバは、「高品質な位置情報の提供により安心・安全な社会づくりに貢献する」をミッションとして、GNSS補正情報配信サービスなどを営んでいます。
GNSSとは?
Global Navigation Satellite Systemの略語
GPS(米国)、QZSS(日本)、GLONASS(ロシア)、Galileo(EU)など各国の衛星測位システムのこと
GNSS衛星だけを用いて位置情報を取得すると、どうしてもメートル級の誤差が生じてしまいます。
そこで、より正確な位置情報などを表示するために誤差を修正する作業が必要なわけです。
最近ではGPSの利用が当たり前になってきているから、高精度の位置情報があれば便利になるサービスがたくさんあるよね!
同社が提供するデータ配信には2種類の配信サービスがあります。
- リアルタイムデータ配信
ユーザーが現在の位置を正確に把握するためにリアルタイムに補正データを提供する - 後処理データ配信
ドローンなどで取得した観測記録を元に観測時の移動状況を後日分析の上、補正データを提供する
前者には「従量プラン」「定額プラン」「年間契約プラン」、後者には「後処理専用プラン」が設けられているという料金体系で運営されています。
また、サービスには初回登録料がかかり、通信機器の販売なども行っています。
通信機器は、購入してすぐに同社データセンターと接続を開始して補正データを受信するから、簡単に使用できる環境が整っているんだワン!
サービスの強み
同社サービスには、いくつかの強みがあります。
- 国土地理院の電子基準点全点を活用
国土地理院によって全国に設置された約1,300点の電子基準点網(GEONET)を活用していて、高精度で安定した補正データを提供 - 仮想点方式による配信処理
物理的な基準局の施設や設備が不要となり、設置コストだけでなく管理コストも不要で、雨風の影響もうけない - 補正結果は国家座標に整合
独自の特許技術により、国家基準点に準拠した高精度の補正情報を生成することで、地殻変動の影響も加味 - 用途に応じた配信サービス
2つの配信サービスにそれぞれ2つずつの方式 - 電子基準点で対応しているすべての衛星システムに対応
米国の「GPS」をはじめ、ロシアの「GLONASS」、日本の「QZSS」、EUの「Galileo」など複数のGNSS信号を常に安定した数で受信可能 - 観測支援ツールの提供
スマートフォン・Webアプリ「J-View」や衛星飛来予測ツールなど、観測支援ツールを提供 - 補正情報の品質チェック・配信システムの冗長化
電子基準点のデータを24時間365日監視し、補正データなどの品質をチェックすることで、安定して品質の高いサービスを提供
サービスの利用事例
同社サービスは、様々な分野で活用されています。
例えば、日本の農業におけるICT技術(スマート農業)に活用されています。
ドローンによる農薬散布や育成管理、作業機械の自動操舵システムなんかに使われているんだって!
また、建設現場における測量・設計・施工・管理など全プロセスにおいても活用されています。
こっちもドローンによる測量や、重機のマシンコントロールに使われているんだね!
決算情報
続いて同社の決算情報を見てみましょう。
売上高と純資産はともに右肩上がりで推移しています。
衛星測位分野において、ビジネスの多様化・競争は一層活発化してきており、世界的な半導体不足の影響による測量機器の調達に若干影響が残っています。
しかし、2023年9月期においては新規顧客件数やストック収益である定額性サービスのユーザーは順調に増加しています。
情報化施工分野においても、国土交通省が推進する情報化施工推進戦略による拡大傾向が続いています。
大手携帯キャリアの参入や豪雪・寒波の影響は不安が残りますが、レンタル会社向けについてはユーザー数や利用時間ともに拡大傾向です。
2023年9月期の業績予想では、売上高は前年同期比5.8%の12.3億円となっているワン!
利益についても右肩上がりで推移しています。
2023年9月期の業績予想では、経常利益が前年同期比1.7%増の6億円、当期純利益が0.1%増の4.1億円となっています。
グロース市場に上場するにしては、物足りない成長率だね…
キャッシュフローを見てみると、前期において営業CFはプラスで推移しており、投資CFはマイナスとなっています。
また、配当金の支払いや自己株式の取得などにより財務CFはマイナスに転じています。
グロース市場には珍しく配当金を出しており、2023年9月期でも1株当たり3円を配当するようです。
予想配当性向は9.46%となっており、自社株買いや配当など株主還元には積極的な印象だワン!
経営陣
同社の役員は9名おり、その中から抜粋で役員の経歴を紹介します。
代表取締役社長 河野 芳道
1990年4月 キヤノン販売株式会社入社
1999年10月 カイカジオシステムズ株式会社入社
2015年1月 同社 キーアカウント開発営業部長
2017年3月 株式会社ジェノバ入社 経営企画室部長
2018年12月 同社 取締役営業部長 兼 経営企画室長
2019年12月 同社 代表取締役社長(現任)
最後に、他の企業の上場スケジュールについて知りたい方は「IPOスケジュール」もご覧下さい。
IPO投資をするなら開いておきたい証券口座
- SBI証券
公式サイト:https://www.sbisec.co.jp/
2021年のIPO取扱数No.1。IPO投資をするなら必ず持っておきたい証券会社です。 - マネックス証券
公式サイト:https://www.monex.co.jp/
IPOが完全平等抽選制なので、初めてのIPO投資でも平等に抽選に参加できます。 - SMBC日興証券
公式サイト:https://www.smbcnikko.co.jp/
主幹事になることが多いので、IPOの割当率が高い証券会社です。
※本記事は2023年4月3日時点の情報を元に作成されています。
※本記事内で紹介されている意見は個人的なものであり、記事の作成者その他紹介企業等の意見を代表するものではありません。
※本記事は情報提供を目的としており、特定の商品や手法を推奨するものではありません。投資に関する意志決定はご自身の判断にてお願い致します。