今回は9月28日に札証アンビシャスに上場予定のキットアライブ(5039)をご紹介します。
株式会社キットアライブは、Salesforce導入支援及び製品開発支援を行っている企業です。
想定時価総額は17.7億円で、札証アンビシャスに上場します。
札証アンビシャスへの新規上場案件は3年ぶりとなっています。
IPO概要・初値予想
まず、キットアライブの初値予想、およびIPO概要について次の4つを解説していきます。
同社を購入検討している方は、ご確認ください。
IPO評価・初値予想
IPO評価:B(予想レンジ1.3倍~1.5倍)
吸収金額4.4億円という低さが初値に上昇の影響を与えそうです。
推定時価総額も17.7億円という小型の案件であり、初値上昇に期待できます。
また業績面では、売上高の推移は右肩上がりと堅調な動きを見せています。
しかし、9月下旬〜10月上旬にかけて新規上場が多いため、初値上昇が一定程度に抑えられると予測しました。
これらの点から、IPO評価: B(予想レンジ1.3倍~1.5倍)と判断しました。
※IPO評価、初値予想は過去のデータを元に編集部が予想したものであり、結果を確約、投資を推奨するものではございません。
詳しい評価項目を知りたい方はこちら(クリックで開きます)
- 発行済み株式数:想定時価総額を計算。
- オファリングレシオ:小さい方が投資家からの人気が高い。市場に出回る株式数が少なくなることを意味するため。
- 公募割合:大きい方が投資家からの人気が高い。企業に資金が多く入ることを意味するため。
- 上場市場:グロースに上場する企業は人気が高くなりやすい。
- 事業のトレンド性:成長市場に位置し、トレンド性が高い企業は人気になりやすい。
- VC保有比率:VCが多くいる企業は事業のトレンド性が高く・成長企業であることが多いが、ロックアップがない場合はIPO後の需給が悪化しやすい
- 売上高成長率・経常利益率:大きい方が人気。過去の業績が良い。
- 前後2週間のIPO数:少ない方が投資家からの人気が高くなりやすい。
- 過去1ヶ月の日経平均リターン:高い方が人気。投資家心理に影響。
初値予想の方法については、「【IPO初値予想】IPOの評価方法を初心者向けにやさしく解説!過去の事例も」の記事をご覧ください。
取り扱い証券
同社のIPO株を取り扱う証券会社は次の通りです。
証券会社名 | 割当率 | 割当株数 |
---|---|---|
アイザワ證券(主) | 84.12% | 265,900株 |
SBI証券 | 3.48% | 11,000株 |
岡三証券 | 3.48% | 11,000株 |
北洋証券 | 2.97% | 9,400株 |
東洋証券 | 2.97% | 9,400株 |
マネックス証券 | 2.97% | 9,400株 |
\ IPO取扱数No.1証券はこちら!/
どの証券会社が良いのか詳しく知りたい方は「IPO投資におすすめの証券会社ランキング」をご覧ください!
日程・価格
IPOの日程は次のようになっています。
抽選申込期間 | 9月7日(水)~9月13日(火) |
当選発表日 | 9月14日(水) |
購入申込期間 | 9月16日(金)~9月22日(木) |
上場日 | 9月28日(水) |
続いて、価格は次のようになります。
仮条件 | 1,230円~1,410円 |
公募価格 | 1,410円 |
初値 | 1,666円 |
IPO企業の初値や騰落率に関しては、「IPO初値・騰落率結果【2022年】」をご覧ください。
大株主
株主の状況は以下のようになっています。
株主名 | 比率 |
---|---|
株式会社 テラスカイ | 48.21% |
嘉屋 雄大 | 27.55% |
Salesforce Ventures LLC. | 11.71% |
株式会社 ウイン・コンサル | 6.89% |
北洋SDGs推進投資事業有限責任組合 | 2.27% |
関 崇匡 | 1.72% |
内田 みさと | 0.69% |
菅野 大輔 | 0.14% |
中島 菜緒子 | 0.14% |
藤谷 修平 | 0.14% |
企業概要
事業内容
キットアライブは、「北海道から日本のクラウドビジネスを支える」を経営理念に、Salesforceを用いたシステム開発を通じて企業のDXを推進する会社です。
同社はクラウドソリューション事業を単一セグメントとしていますが、Salesforceの導入支援と製品開発支援の2つのサービスを展開しています。
それぞれ、詳しく見ていきましょう。
Salesforce導入支援
同サービスでは、顧客企業へのSalesforceの導入とシステム開発の支援を行っています。
Salesforceは世界No.1の CRM(顧客管理システム)/SFA(営業支援)ツールで、多くの企業で利用されています。
導入実績は右肩上がりで上昇しており、中小企業を中心に導入を支援しています。
同社の強みとして、以下の3点が挙げられます。
- 設計から運用までのシステム開発の全工程を一貫して支援が可能
- アジャイル開発を主な開発方法に
- 顧客企業と上流工程から直接取引が可能
アジャイル開発って?
開発にはウォーターフォール開発とアジャイル開発の2つが存在しています。
前者は大規模投資を前提としているのに対し、後者は小単位で設計とテストを繰り返して開発を進めていきます。
そのため、アジャイル開発は従来に比べて開発期間が大きく短縮されるというメリットがあります。
様々な業種・業態への導入支援が可能になっているんだワン!
Salesforce製品開発支援
同サービスでは、Salesforce上で新たなSaaS型製品の構築・販売を考えている企業向けの製品開発支援サービスを提供しています。
このサービスはSalesforceの技術ノウハウがない顧客でも、開発した製品の運用を同社が行うことで事業展開が可能となります。
製品の開発後の運用も支援してくれるんだね!
この製品開発の際に使用するのが、「AppExchange」と呼ばれるビジネスアプリのマーケットプレイスです。
ここでは、営業からサービス、ERP向けまであらゆる業務のアプリを入手することができます。
バリエーションに加えて、全てのアプリケーションがSalesforceと連携しているため、販売とマーケティングもAppExchange上で実施することが可能です。
決算情報
続いて、同社の決算情報を見ていきましょう。
売上高・資産ともに右肩上がりで成長しています。
過去5年の売上高CAGRは29.8%と、非常に高い成長率となっています。
利益や一株当たり指標もうなぎ登りとなっています。
業績の特徴として、高い利益率が上げられます。
売上高総利益率は2020年に40.7%、2021年に42.5%、2022年第2四半期時点で48.8%となっています。
理由として、若手社員育成による高い顧客への提供価値と生産性があげられます。
顧客との接する機会を増やしたり、下流だけでなく上流工程の業務も担当させているからだワン!
バリュエーション面では、前期実績を元にするとPERは約22倍となっています。
銘柄名(銘柄コード) | PER |
---|---|
Sharing Innovations(4178) | 22.7倍 |
BeeX(4270) | 21.6倍 |
サークレイス(5029) | 20.9倍 |
日本ビジネスシステムズ(5036) | 23.1倍 |
しかし、翌半期もこの調子で推移すれば、PERは約17倍程度と競合と比較して割安な水準となります。
同社の一貫したサポートや中小企業への強みを考慮すると、より割安な水準とも言えるかもしれません。
企業からのメッセージ
上場後、企業様へインタビューを実施できた際に掲載致します。
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経営陣
同社の役員は8名おり、その中から抜粋で役員の経歴を紹介します。
代表取締役社長 嘉屋 雄大
2000年12月 株式会社 ウイン・コンサル 入社
2016年8月 同社設立 代表取締役社長就任(現任)
最後に、他の企業の上場スケジュールについて知りたい方は以下のページもご覧下さい。
※本記事は2022年9月5日時点の情報を元に作成されています。
※本記事内で紹介されている意見は個人的なものであり、記事の作成者その他紹介企業等の意見を代表するものではありません。
※本記事は情報提供を目的としており、特定の商品や手法を推奨するものではありません。投資に関する意志決定はご自身の判断にてお願い致します。