2022年6月には12社が新規上場予定となっています。
今回は、ウェルネス・コミュニケーションズ(9228)をご紹介します。
※同社は6月23日に東証グロースに上場予定でしたが、上場延期となりました。
本記事では上場延期の理由も解説します。
ウェルネス・コミュニケーションズ株式会社は2006年に設立されたインターネット健康管理支援システムなどを用いたヘルスデータプラットフォームやソリューションを提供する企業です。
上場延期発表前の想定時価総額は約124.2億円でした。
上場延期の理由
6月7日、ウェルネス・コミュニケーションズは東証グロースへの上場を延期すると発表しました。
ウクライナ問題の影響で投資家心理が冷え込んでおり、十分な需要を獲得できないというのが主な理由です。
IPO市場ではウクライナ問題の影響を受け、不安定となっているため、他のIPO企業も上場延期となる可能性があります。
こういった時には、IPO投資以外の手法も検討してみましょう。
いろはに投資では、仮想通貨や投資信託など、様々な投資方法についてご紹介しています。
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企業概要
事業内容
同社は、人々の生活を支える上で重要な経済を牽引する企業や、その原動力となる従業員に対し、「企業と人を元気にする」ことで、より豊かな社会の創出を目指しています。
また、同社の事業は以下の2つに分けることができます。
- ネットワーク健診事業
企業や健康保険組合において健康診断実施上の課題を解決 - 健康管理クラウド事業
健康管理に欠かせない健康診断結果など各種診断データを一括管理
それぞれの特徴を見ていきましょう。
①ネットワーク健診事業
ネットワーク健診事業では、『i-Wellness』というサービスサイトを運営しています。
受診者向けには健康診断・人間ドック等の予約手配、顧客担当者向けには健康診断結果確認やデータ管理等の機能がサービスとして提供されています。
② 健康管理クラウド事業
健康管理クラウド事業では、健康診断結果・ストレスチェックデータ・就労データ・各種面談記録の4つの情報を一括管理することが可能となっています。
加えて、健康診断後の報告書作成や産業医との面談スケジュール管理等の機能を備えた『HSS(ヘルスサポートシステム)』を提供しています。
2つのサービスを連携させることで一貫したサービスが利用可能になるんだね!
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決算情報
続いて、同社の業績を見てみましょう。
売上高は上昇傾向にあり、今期はこのまま行くと、過去最高を更新する見込みです。
売上高の伸びもここ数年では拡大しており、この伸びを継続していけるかが注目です。
資産額が拡大しているのは、ネットワーク健診事業での健康診断の受診が下期に偏重していることが影響しています。
純利益や経常利益共に2021年12月期の最高益を更新する見込みです。
今期は、変異株等による感染拡大や緊急事態宣言及びまん延防止等重点措置の発令があったものの、健康・予防に対する意識の高まりが市場回復の追い風となりました。
経営陣
同社の役員は7名おり、その中から抜粋で役員の経歴を紹介します。
松田 泰秀 代表取締役社長
1998年4月 伊藤忠商事㈱ 入社
2006年7月 当社出向取締役
2012年4月 当社 取締役就任
2016年4月 当社 代表取締役社長(現任)
加納 昌明 取締役
1997年4月 日産火災海上保険㈱(現 損害保険ジャパン㈱) 入社
2014年4月 NKSJホールディングス㈱(現SOMPOホールディングス㈱)入社
2021年4月 SOMPOヘルスサポート㈱ 取締役就任(現任)、㈱インテグリティ・ヘルスケア社外取締役就任(現任)、当社取締役就任
2021年10月 当社社外取締役就任(現任)
IPO概要・初値予想(上場延期決定)
ウェルネス・コミュニケーションズの上場延期が発表されましたが、参考として、初値予想およびIPO概要について以下の4つを解説していきます。
- IPO評価・初値予想
- 取り扱い証券
- 日程・価格
- 株主構成
再度上場が発表される場合がありますので、ご確認ください。
IPO評価・初値予想(参考)
IPO評価:C(予想レンジ1.0~1.3倍)
人気のあるインターネットでアプリを提供するASP関連ではあるものの、同日に4社も上場予定で買いが集まりにくく、大きく上昇することは厳しいと考えられます。
これらの点から、IPO評価:C、予想初値レンジ: 1.0~1.3倍 と判断しました。
※IPO評価、初値予想は過去のデータを元に編集部が予想したものであり、結果を確約、投資を推奨するものではございません。
詳しい評価項目を知りたい方はこちら(クリックで開きます)
- 発行済み株式数:想定時価総額を計算。
- オファリングレシオ:小さい方が投資家からの人気が高い。市場に出回る株式数が少なくなることを意味するため。
- 公募割合:大きい方が投資家からの人気が高い。企業に資金が多く入ることを意味するため。
- 上場市場:グロースに上場する企業は人気が高くなりやすい。
- 事業のトレンド性:成長市場に位置し、トレンド性が高い企業は人気になりやすい。
- VC保有比率:VCが多くいる企業は事業のトレンド性が高く・成長企業であることが多いが、ロックアップがない場合はIPO後の需給が悪化しやすい
- 売上高成長率・経常利益率:大きい方が人気。過去の業績が良い。
- 前後2週間のIPO数:少ない方が投資家からの人気が高くなりやすい。
- 過去1ヶ月の日経平均リターン:高い方が人気。投資家心理に影響。
取り扱い証券(参考)
同社のIPO株を取り扱う証券会社は以下の通りです。
日程・価格(参考)
IPOの日程は以下のようになっていました。
抽選申込期間 | 6月8日(水)~6月13日(月) |
当選発表日 | 6月14日(火) |
購入申込期間 | 6月15日(水)~6月20日(月) |
上場日 | 6月23日(木) |
続いて、価格は以下のようになっていました。
仮条件 | 6月7日(火)発表 |
公募価格 | 6月14日(火)発表 |
初値 | 6月23日(木)発表 |
大株主(参考)
株主の状況は以下のようになっていました。
株主名 | 比率 |
---|---|
SOMPOホールディングス(株) | 42.69% |
伊藤忠商事(株) | 41.01% |
(株)シグマクシス・インベストメント | 4.65% |
(株)アドバンテッジ リスク マネジメント | 4.65% |
松田 泰秀(社長) | 1.02% |
佐々木 雅之 | 0.51% |
有岡 昌輝 | 0.51% |
中澤 大輔 | 0.51% |
佐藤 友昭 | 0.51% |
菅原 尚紀 | 0.17% |
※本記事は2022年6月9日時点の情報を元に作成されています。
※本記事内で紹介されている意見は個人的なものであり、記事の作成者その他紹介企業等の意見を代表するものではありません。
※本記事は情報提供を目的としており、特定の商品や手法を推奨するものではありません。投資に関する意志決定はご自身の判断にてお願い致します。