・個人年金保険ってどんな制度?
・個人年金には入るなって言われたけどなんでなの?
このようなお悩みを解決します。
この記事の結論
- 個人年金保険は年金制度の3階部分として公的年金を補完する
- 一定の年齢まで保険料を積み立て、その後は積立金をもとに年金をもらう
- 資産形成をするならiDeCoやつみたてNISAの活用がおすすめ
人生100年時代、80歳、90歳まで長生きすることは珍しくなくなってきました。
ただ、長生きすることで、公的年金と自分の貯蓄では老後の生活をまかなえないと不安に思い、個人年金保険について興味を持っている方もいるでしょう。
そこで今回は、公的年金以外に自分で年金制度を作れる「個人年金保険」について解説します。
メリット・デメリットや選び方、どんな方におすすめなのかについてもご紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
保険の相談については「【危険?】ファイナンシャルプランナー(FP)相談の注意点は?」の記事も読んでみましょう。
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個人年金保険とは【特徴】
個人年金保険とは、契約時の内容をもとに保険の支払いを行い、満期を迎えると一定期間or亡くなるまで年金を受け取れる保険のことです。
保険として毎月一定額を支払うことで、公的年金の不足分や年金受給開始までに必要な生活費をカバーできます。
老後の生活が不安な人に適しているね!
民間の保険会社の商品の1つで、国民年金とは違い必ずしも加入しなければならないものではなく、加入するかどうかは個人で判断することとなります。
個人年金保険の種類
個人年金保険は大きく分けると、確定年金・有期年金・終身年金の3種類があります。
それぞれどう違うの?
各保険の特徴を表でまとめたので、確認してみましょう。
個人年金の種類 | 年金の受取期間 | 被保険者が死亡した場合 |
---|---|---|
確定年金 | 契約時に決めた一定期間だけ年金を受け取れる | 相続人が残りの受取期間の年金相当額を一時金または年金として受け取れる |
有期年金 | 契約時に決めた一定期間だけ年金を受け取れる | 年金の支払いは終了する。そのため、早期に亡くなると、元本割れや、返戻率が低くなるリスクあり |
終身年金 | 加入者が亡くなるまで一生涯保険金を受け取れる | 年金の支払いは終了する。そのため、早期に亡くなると、元本割れや、返戻率が低くなるリスクあり |
どの種類を選ぶかによって、将来保険金をもらえる期間が異なるんだね!
個人年金保険に入るなと言われる理由
個人年金保険について調べると、入らない方が良いって見たけどなんで?
ここからは、個人年金保険に入るなと言われる理由について、ご紹介します。
順に解説します。
① インフレに対応できないため
日本はデフレの波が来ていますが、政府の物価成長率は2%を目指しています。
また、2022年8月現在では、長引くウクライナ情勢やアメリカのインフレを背景に円安が発生し、日本でもインフレが発生しています。
たしかに、モノの値段が高くなったよね…
しかし、多くの個人年金保険では、契約時に将来受け取れる金額を決定します。
数十年前の高金利時代であれば、メリットとなりますが、現代は超低金利時代です。
契約したときの金利は低く、今後数十年間のインフレ率の方が高ければ、お金の価値は減少してしまいます。
確かに、価値が目減りしてたら意味ないな…
将来に向けてお金を増やしたい場合は、保険ではなくつみたてNISAやiDeCoなどを積極的に活用してみてはいかがでしょうか?
② 途中解約のリスクがあるため
ライフスタイルの変化により、保険の支払いが難しくなることもあるでしょう。
個人年金保険は途中で解約することもでき、そのときはこれまで支払ってきたお金の一部が返ってきます。
お金がほとんど返ってこない保険もあるみたいだから安心ね!
しかし、支払った保険料の合計よりも戻ってくる解約返戻金のほうが少なくなる可能性が高く、特に契約してからの年数が短いほど元本割れの可能性は高くなります。
契約前に満期まで保険料を支払い続けられるのかキチンと確認しておこうワン!
以下の記事を参考に、節約できるところは節約してお金を貯めておきましょう。
個人年金保険に入るメリット
うーん、個人年金保険は入らない方が良いのかな?
ここまでは個人年金保険に入らない方が良い理由について解説しましたが、もちろん個人年金保険に入るメリットもあります。
順に解説します。
老後の資金を貯められる
自分で生活費をやりくりし、余った分を銀行口座で貯蓄している方もいるでしょう。
ただ、つい無駄遣いをしてしまったり、急な出費を賄うため貯蓄分から捻出したりした経験はありませんか?
同じ銀行口座にあるとつい使ってしまうよね…
個人年金保険は、一度契約すると保険料払込期間が終了するまでは引き出すことができません。
つまり、貯蓄が苦手な方でも、将来の生活資金を無理なく貯められるのです。
また、もし解約してしまうと支払った保険料の総額より返ってくる額の方が少なくなるなど、解約に対して一定のハードルがあるため、安易に解約できない点も貯蓄ができない人にとってメリットだといえるでしょう。
節税できる
個人年金保険は、保険料控除の対象となるため、節税効果が期待できます。
どれくらい安くなるの?
まずは控除額を知るために、以下の表を見てみましょう。
年間の支払保険料等 | 控除額 |
---|---|
20,000円以下 | 支払保険料等の全額 |
20,000円超 40,000円以下 | 支払保険料等×1/2+10,000円 |
40,000円超 80,000円以下 | 支払保険料等×1/4+20,000円 |
80,000円超 | 一律40,000円 |
仮に控除額が4万円だとして、収入によって変わる所得税率が20%だとすると、4万円×20%=8,000円も安くなります。
8,000円も変わるんだ!結構大きいね。
1回限りでなく、保険料を支払っている限りは今後もずっと節税できるので、累計すると数十万円ほど変わることもありますよ。
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個人年金保険をおすすめできる人・おすすめできない人
結局、どんな人に個人年金保険はおすすめなの?
個人年金保険がおすすめな人の特徴は、以下の通りです。
- 自分だけだと貯蓄できない人
- 老後資金を貯めつつ、節税したい人
- iDeCoのように自分で投資商品を選べない人
僕は自分だけで貯蓄できないから個人年金保険も検討してみようかな!
反対に、個人年金保険をおすすめしない人は以下の通りです。
- 公的年金と預貯金だけで生活費をまかなえる人
- 公的年金以外にも収入の柱がある人
- 自分で資産形成できる人
公的年金で足りない部分を補うのが個人年金保険の役目です。
そのため、公的年金以外にも老後の収入があり、十分に暮らしていける人は、個人年金保険は不要です。
例えば不動産投資で毎月家賃を10万~20万円程度受け取れる方、また株式投資の配当金で年間100万円ほど受け取れる方などは個人年金保険の必要性は低いといえるでしょう。
将来もらえそうな収入と支出を洗い出して確認しておくんだワン!
個人年金保険の選び方【チェックポイント】
個人年金保険を選ぶときのコツを教えてほしい!
ここからは、老後の生活のため個人年金保険が必要だと考えている方に向けて、個人年金保険の選び方についてご紹介します。
順に解説します。
①保険料の支払方法
個人年金保険の支払方法は一般的に以下の4通りです。
- 一括払い
- 年払い
- 半年払い
- 月払い
上から順番に、総額の保険料や返戻率が大きくなる傾向にあります。
そのため、現時点である程度家計に余裕がある場合は、まとめて支払うのも良いでしょう。
②給付を開始する年齢や給付期間
個人年金保険では、年金を受け取りたい年齢で選択できます。
仮に60歳で定年退職し、公的年金を65歳から受給できるとすると、5年間は無収入です。
退職金等があれば生活できなくはないですが、少し心許ないでしょう。
退職金はどんどん減ってきているって言うしね…
そのような方は、60歳から給付してもらえる保険を選ぶのが一般的です。
また、はじめに紹介したように、個人年金保険には主に「確定年金」「有期年金」「終身年金」があります。
給付期間と被保険者が亡くなったときの給付についてが違うんだよね!
パートナーやお子さんなどに資金を残したいから確定年金を選ぶなど、家族の状況によって年金の種類を決めるのも良いでしょう。
③運用する通貨
変額個人年金保険には、日本円で運用する円建て保険と米ドル・ユーロ・豪ドルなどで運用する外貨建て保険があります。
円建て保険は為替が変動するリスクがない分安定していますが、一般的に外貨に比べて利率が低いです。
ローリスクローリターンってことね!
対して外貨建て保険は為替変動リスクがあります。
保険金受け取り時に円安になれば返戻率が上がりますが、円高になれば損が生じてしまう可能性があるのです。
安定を取るか利率を取るかは人によって異なると思いますので、よく考えて個人年金保険を選びましょう。
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個人年金保険以外にも老後の生活費を用意する方法はある
個人年金保険は、老後の生活費を用意する方法として利用できますが、実は他にも選択肢はあります。
例えば、iDeCoは1,000円から積立額を設定でき、運用時の利益は非課税になる私的年金です。
iDeCoに拠出する掛金は「所得控除」の対象なので、その年の所得税や翌年の住民税が安くなります。
個人年金保険と似ているけど、自分で運用するんだよね…
以下の記事で、iDeCoのおすすめ商品をご紹介しているので、迷っている方はこちらを参考にしてください。
【まとめ】個人年金保険
自分に適した保険や投資を探す必要があるんだね!
個人年金保険の基本情報を中心に、選び方のコツやiDeCoとの違いもわかりやすく解説してきました。
最後に、本記事の重要なポイントを3つにまとめます。
- 個人年金保険は年金制度の3階部分として公的年金を補完する
- 一定の年齢まで保険料を積み立て、その後は積立金をもとに年金をもらう
- 資産形成をするならiDeCoやつみたてNISAの活用がおすすめ
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とはいえ、資産形成であればiDeCoやつみたてNISAを使ってみるのもいいでしょう。
どちらも運用益は非課税で、iDeCoに関しては掛け金は控除の対象になるなどメリット大です。
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