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【2024】ECB利上げのユーロ/円への影響は?理事会日程や今後の見通しを解説

・ECBの利上げは為替市場にどのような影響があるの?
・2023年以降のECBの見通しは?

このような悩みを解決します。


この記事の結論

  • ECBの利上げは円安や日経平均株価の下落につながりやすい
  • ECBは2023年以降も利上げを継続する方針を発表している
  • 利上げ終了は2025年以降と専門家は予想している

ECBの利上げに関する情報はテレビやSNSでも度々出ており、見聞きする機会は多いはずです。

とはいえECBの決定が、為替市場にどのような影響を及ぼしているのか分かっていない方も多いでしょう。

事実、ECBが行う利上げなどの発表は重要な経済指標として位置づけられており、世界中の投資家が注目しています。

この記事では、ECB利上げによる為替市場への影響から2024年以降の見通しまでをわかりやすく解説します。

ECB理事会の最新日程も紹介するから、トレードの参考にしてほしいワン!

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ECBとは?利上げによる為替市場への影響

ECBとは?利上げによる影響

ECBって何のこと?相場にどんなを影響与えるんだろう?

ECBとは、1998年に設立されたEuropean Central Bank(欧州中央銀行)の略称です。

約6週間に1回の頻度で開催される理事会は、統一通貨のユーロやインフレの安定化を目的とした金融政策を決定します。

ECBの理事会は計25人で構成され、具体的に参加する人物としては以下のとおり。

  • ECB総裁
  • ECB副総裁
  • ECB理事(4人)
  • ユーロ圏加盟国の中央銀行総裁(19人)

ここからはECBによる利上げによって、円や株式相場にどのような影響を与えるかを解説していきます。

そもそも利上げは、各国の中央銀行がインフレ抑制ために政策金利を上げることだワン!

円相場に与える影響

ECBによる利上げは、円相場に大きな影響を与える可能性が高いです。

利上げによってユーロ圏の金利が上がるとユーロ高になり、相対的に金利の低い日本円が安くなります。

金利の安い通貨を売り、金利の高い通貨を買う動きが強くなるため、一般的に下記表のような値動きをする場合が多いです。

ユーロ圏金利利上げ利下げ
日本円円安円高
ユーロユーロ高ユーロ安

ECBは利上げ、日本は金融緩和(マイナス金利)を実施中で金利差が開いているから、ユーロ高・円安の状態が続いているワン!

株式相場に与える影響

ECB利上げは、世界各国と輸出入を行っている日本の株式市場に大きな影響を与えます。

ECBの政策金利と株式相場は、以下のような関係となっています。

ユーロ圏金利利上げ利下げ
日経平均株価下落上昇
欧州株式市場下落上昇

利上げでユーロ圏の金利が高くなると、住宅ローン金利や物価も上昇します。

その結果、経済活動の動きが悪くなって株価も下落するのです。

でも、どうしてヨーロッパの決定が日本に影響を及ぼすの?

欧州株式市場の株価が下落すると、欧州への投資リスクを埋め合わせるべく日本の株式を売りに出す投資家が増加します。

そのため、日経平均株価にも間接的に影響を与える可能性が高まるのです。

【2024】ECB理事会の開催日程(日本時間)

ECB理事会の日程

ECB理事会はいつ開催されるの?

2024年に開催されるECB理事会の日程は、下記の表のとおりです。

開催回数開催日
第1回1月25日
第2回3月7日
第3回4月11日
第4回6月6日
第5回7月18日
第6回9月12日
第7回10月17日
第8回12月12日

政策金利などアメリカの金融政策を決定する会合であるFOMCと同じく年8回、約6週間ごとに開催されています。

ECB理事会やFOMCが開催される時は、相場が大きく動く可能性もあるワン!

会合終了後に記者会見が開かれる

ECBはFOMCと違って1日で会合が終了し、当日中に金融政策の方針が発表されます。

金融政策発表・記者会見時間(日本時間)

  • 金融政策判断の発表:9時15分
  • 総裁会見:9時45分

※フランクフルト時間との時差7時間

会合の議事録は一切公開されないため、世界中の投資家が記者会見に注目します。

為替市場の変動が大きくなるような発表が多いので、資金管理を徹底し過度なレバレッジをかけたポジションは、記者会見前に整理しましょう。

ECB過去の結果とユーロ/円の価格推移【2022年のデータ】

ECB理事会での過去結果

ECB利上げでユーロ/円の価格はどのように推移するの?

新型コロナやロシア軍によるウクライナ侵攻が影響し、2022年3月までのユーロ/円は一時期125円台まで落ち込みましたが、6月までで140円台まで回復しました。

ここでは2022年に開催されたECBのうち、以下3回分の会合をピックアップして解説します。

今後の見通しを判断する際の参考にもなるので、投資家は要チェックです。

①【2022年7月】ECBの内容と値動き

2022年7月チャート
出典:TradingView

2022年7月21日に開催されたECBの決定内容は、以下のとおりです。

  • 前回会合(6月9日)で示唆した政策金利より大幅に利上げ
  • ECBによる利上げは11年ぶり
  • 2014年6月以来8年間続いていたマイナス金利政策の解除

ECBは、政策金利を0.5%に引き上げることを発表しました。

2022年6月9日に金融市場への影響を考慮して示唆した0.25%から一転、2倍の0.5%を政策金利として提示したワン!

ラガルドECB総裁は記者会見にて、今回の大幅な利上げについてロシア・ウクライナ戦争によるインフレを抑えることが優先とし、以下のように発言しました。

「大きな一歩(大幅な利上げ)を踏み出すことが適切だと判断した。ウクライナ危機などにより経済活動は減速している。」

これを受けユーロ/円の相場は、140円台から135円台まで下落しています。

②【2022年9月】ECBの内容と値動き

2022年9月チャート
出典:TradingView

2022年9月8日に開催されたECBの決定内容は、以下のとおりです。

  • 政策金利を0.75%利上げ
  • 今後さらなる利上げを行う見通しであることを示唆

ECBは、前回の会合に続き政策金利を0.75%利上げすると発表。

ラガルドECB総裁は記者会見にて、「インフレ率は中長期にわたり政策目標を上回る可能性が高い。今後数回の会合で更なる利上げを行う見通しだ。」と発言しました。

これは今後ユーロ圏のインフレが、政策目標を上回り続けることを示唆しています。

前回会合の利上げが11年ぶりということもあり、今回の利上げでは前回に比べインパクトが少なく、ユーロ/円相場は大きく変動しなかったワン!

③【2022年10月】ECBの内容と値動き

2022年10月チャート
出典:TradingView

2022年10月27日に開催されたECBの決定内容は、以下の通りです。

  • 3会合連続の利上げ(0.75%)
  • TLTRO Ⅲ*の適用金利調整

*「Targeted longer-term refinancing operations」の略

TLTRO Ⅲは貸し出し条件付き長期資金供給オペレーションのことで、ユーロ圏の銀行による融資を促すために低金利で資金を貸し出しすることだワン!

ECBは前回の会合と同じく政策金利を0.75%利上げすると発表し、3会合連続の利上げとなりました。

インフレ率の急激な上昇により、新型コロナウィルス感染拡大時に価格安定に貢献したTLTRO Ⅲの適用金利を調整することも合わせて発表しています。

前回会合で利上げをあらかじめ示唆したこともあり、ユーロ/円相場は大きく変動しませんでした。

ECB利上げの背景と理由

ECB利上げの背景

ECBはどうして利上げをするの?

ECB利上げの背景には以下の2つがあります。

  • ユーロ圏消費者物価指数の上振れ
  • アメリカと金利差拡大の観測によるユーロ安

新型コロナウィルスやロシア・ウクライナ問題によるエネルギー危機により、インフレ率が大きく上昇しました。

2022年5月のユーロ圏消費者物価指数の伸び率は、前年同月比8.1%と過去最高を更新しています。

2022年6月には、FRB(Federal Reserve Board:米連邦準備制度理事会)が0.75%の利上げを決めました。

アメリカの利上げにより、ドル/ユーロ間の金利差拡大を懸念した投資家を中心に、ユーロが売り込まれたことも影響しています。

【2024】ECB利上げの見通し

ECB利上げの見通し

今後のECB利上げの見通しが知りたいな。

ECBの今後の利上げの見通しとして、以下の情報をもとに分析していきます。

ECBの今後の利上げについて、下記2社の金融見通しと最新の会合結果を紹介します。

【2023年12月】2会合連続で主要政策金利を据え置き

2023年2月2日に開催されたECBの決定内容は、以下の通りです。

  • 2会合連続の据え置き

2023年10月に開催された前回会合に続き、2会合連続の据え置きとなることを発表しました。

ラガルドECB総裁は記者会見にて「次回会合にて0.5%の追加利上げを行う方針」という趣旨の声明文を発表し、タカ派の姿勢を崩しませんでした。

タカ派とは、物価の安定を重要視した利上げ賛成派のことだワン!反対派ハト派というワン!

三井住友DSアセットマネジメントの見通し

三井住友DSアセットマネジメントの見通しです。

欧州中央銀行(ECB)は、高止まりしているコアインフレを抑制するため、現状の政策金利(預金ファシリティ金利4.00%など)を24年1-3月期までは据え置くと予想しています。欧州景気が停滞していることから、ECBも24年4-6月期に利下げに転じ、以降四半期ごとに0.25%の利下げを行うとみています。

引用元:三井住友DSアセットマネジメント

三井住友DSアセットマネジメントの見通しでは、2024年の4月から利下げに転じると予想しています。

野村アセットマネジメントの見通し

野村アセットマネジメントの見通しです。

今後のユーロ相場を見る上では、欧米の景気・物価動向を受けた米欧の金利政策の動向が注目される。FRBとECBの利上げ到達点や利下げ開始時期に関する市場予想に変化が生じれば、ユーロ相場影響を及ぼし得る。

引用元:野村アセットマネジメント

三井住友DSアセットマネジメントと同じく野村アセットマネジメントの見通しでも、欧米の景気や物価動向に利下げが開始すると予想をしています。

ECBの見通しは専門家でも判断が難しいため、会合の動向を必ずチェックしておくワン!

ECBに関わる経済指標

ECBに関わる経済指標

数ある経済指標のなかで、ECBに関わる重要なものって何があるの?

ECBに関わる経済指標には、以下3つのようなものがあります。

順に解説していきます。

①消費者物価調和指数(HICP)

消費者物価調和指数(HICP: Harmonized Indices of Consumer Prices)とは、EUの経済及び政治統合を目的とするマーストリヒト条約の基準に基づく物価指数のことです。

マーストリヒト条約とは、欧州連合(EU)の創設に関する基本条約だワン!

消費者物価調和指数は、前年度との物価価格との差を表しており、高いほど物価上昇幅が大きいことを意味します。

ECBでは、毎年2%を下回る物価上昇率を目標としています。

②マネーサプライ

マネーサプライとは、金融機関及び中央政府を除いた経済市場に出回っている通貨供給量のことで、マネーストックとも言われています。

ECBは金融政策を決定する際に、通貨供給量とインフレ予測の2つを参考にしているため、マネーサプライはECBに関わる重要な経済指標です。

③他国の経済指標

他国の経済指標も、ECB利上げに大きな影響を及ぼします。

アメリカや日本など他国の金利が上がると、金利差が開き相対的にユーロ圏の金利が低くなります。

アメリカだとFOMC、日本では金融政策決定会合があるワン!

金利が低いと通貨を売りに出されやすいので、ユーロ安になることが多いです。

ユーロ安を防ぐためにも、ECBは他国の経済指標に合わせて政策金利などを調整する必要があります。

ECB後の値動きが激しい時におすすめFX会社3選

ECB理事会おすすめのFX会社

実際にユーロ/円に投資しようと思うけど、おすすめのFX会社ってないの?

ECBなど重要指標の発表後は大幅な値動きになることが多いため、短期トレードや少額資金での取引がおすすめです。

スプレッド幅が狭く、少額資金で取引できるFX会社は以下の3つです。

順に特徴を解説していきます。

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ECB利上げに関するよくある質問

ECBの利上げに関する質問

もう少しECB利上げについて聞きたいことがあるんだけど…。

ECB利上げに関するよくある質問を3つに答えていきます。

モヤモヤしていた悩みも、ここで解消していきましょう。

①ECBの利上げはいつから開始された?

ECBの利上げは2008年に開始され、その後の2011年と併せて過去2回行われました。

  • 2008年:インフレ率が目標の2倍に達していたため、抑制するために利上げ
  • 2011年:欧州債務危機脱出を目指して利上げ

2008年6月、インフレ抑制を目的に政策金利を4.25%まで利上げしましたが、リーマンショックや資源価格の暴落により、同年10月から8ヵ月間をかけて1%まで引き下げられました。

EU加盟国ギリシャ債務問題への懸念があるにもかかわらず、2011年4月と7月には政策金利を各0.25%利上げしましたが、同年11月から引き下げられています。

②日本にとってECB利上げはどのような影響がある?

ECB利上げによりユーロ圏の金利が上昇すると、日本企業が欧州から借入できなくなる可能性があります。

また、ECB利上げによってユーロの価値が上昇すると、相対的に円の価値が下がり円安になります。

円安になると、海外で日本の製品が安くなることで日本の輸出企業の業績が上がります。

③ロシア・ウクライナ問題はECB利上げに影響を与えている?

ロシア軍によるウクライナ侵攻は、ユーロ圏の景気に大きな影響を与えている可能性が高いです。

原油や小麦などの供給不安から、ECBは想定以上のインフレと景気後退が同時に起こる「スタグフレーション」状態も視野に入れています。

そのため、ECBはユーロ圏の利上げによる2023年の成長率を2.1%と見込んでいますが、最悪のシナリオとして-1.7%まで想定しています。

【ECB利上げまとめ】投資をするなら要チェック

ECBの利上げまとめ

ECBの発表は相場に大きな影響を与えるんだね!重要指標の前はリスク管理を徹底するね!

本記事では、ECBの基本情報や日程だけでなく、今後の見通しについて解説してきました。

最後に本記事のポイントを3つまとめます。

  • ECB利上げは円安や日経平均株価の下落につながりやすい
  • ECBは2023年以降も利上げを継続する方針を発表している
  • 利上げ終了は2025年以降と専門家は予想している

ECBによる利上げは、2022年7月から5会合連続で行われており、投資運用会社の見通しでは2024年も続くとされます。

重要指標の予想は専門家でも難しいため、投資をするならばリスク管理を徹底し、ECBなどの重要指標はよく確認しましょう。

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