サロン開催報告

2002年のサロン開催報告

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第10回ブリッジサロンが開催されました

2月2日(土)、2002年最初のブリッジサロンを首都圏以外で初めて名古屋で開催しました。
参加企業は(7630)壱番屋、(7649)スギ薬局、(6914)オプテックスの3社でした。14時より、各社約30分のプレゼンテーションを行いました。


説明会の様子

初めての名古屋での開催、また3社中2社が愛知県の企業ということもあり、集まった約60名の個人投資家の皆さんは説明会、交流会ともに熱く、真剣に社長、担当者のお話に耳を傾けていました。


壱番屋:浜島副社長

スギ薬局:杉浦社長

オプテックス:小林社長

「これからも名古屋でやってほしい」とのうれしいご意見をいただくことができました。


交流会の様子

 

プレゼンテーションの要約

(7630)壱番屋

  1. 概要
    日本全国756店舗を展開する「カレー専門店チェーン」。
    中部地方が売上の約34%。 (関東 20%、関西 18%)
    業界では2位 40店舗、3位 23店舗とダントツの1位。
  2. 特徴
    ①家庭的で飽きのこない味と圧倒的なメニューバリエーション
    4種類のカレーソース、30種類のトッピングメニュー。ご飯の量、辛さも自由。
    リピート動機へ:月3回以上利用の顧客が40%以上。
    ②接客サービスのレベルの高さ
    社是は「ニコニコ・キビキビ・ハキハキ」。
    月3万件のアンケートはがきをトップが全て目を通す。
    ③小商圏(約3万人)でも成立する店舗フォーマット
    出店余地大。客回転の高さによる高い収益性。
    ④社員独立制度による着実なFC展開
    本部とFCの結びつきが多く、トラブル皆無。
    ⑤工場などインフラ充実
    栃木工場完成(2000年末)で1200店舗体制整備。全国14箇所に物流拠点配置。
  3. 今期見通し
    売上高
    298億円(前年比+1.6%)
    経常利益
    22億円(前年比+6.5%)
    EPS
    71.7円
    <トピックス>
    ・立地別、規模別、商圏特性別対応を進める。
    ・営業時間延長の推進
    ・宅配事業への取り組み強化
    ・コストコントロールに留意
    ・本部経費の抑制
    ・中期経営計画遂行のための体制作り
  4. 中期経営計画
    <基本テーマ>
    チェーン全体の収益力と成長力の再構築
    <経営目標>
    2004年12月末までに1000店舗達成
    連結営業利益の伸び率30%以上(2002年5月期比)
    新業態の開発
    <重点課題>
    ①チェーン全体の収益力強化
    「FC店舗の収益力再構築:卸価格の低減など」、「仕入れ、製造原価の低減」、「出店原価の低減」など
    ②長期成長のための足場作り
    「新業態の開発:2004年末まで」、「PB商品の外販」
    ③組織の活性化
    「人事体制の変革」、「本部機能の強化」

(7649)スギ薬局

  1. 特徴
    ①ドラッグストア業界トップクラスの成長性
    ②健全な財務内容。無借金経営。
    ③調剤併設型ドラッグストアが地域医療の担い手に。
  2. 医薬分業の急進。それが21世紀ドラッグストア業界の成長要因
    ・厚生労働省のすすめる「かかりつけ薬局」制度などを背景に急速に進展する医薬分業。2000年度全国分業率 39.5%
    ・東京、神奈川は50%超に対し、愛知県はその約半分。潜在マーケット大。
  3. 医療制度改革は追い風となるか?
    ・急速に進む日本の高齢化。
    65歳以上人口比率が7%から14%までになる年数
    フランス 115年、アメリカ 70年、イギリス 45年、日本 25年
    ・65歳以上の高齢者の医療費は65歳未満の約5倍。
    15―44歳 92千円、45-64歳 242千円、65歳以上 730千円
    ・国民医療費 309,337億円。このうち65歳以上の医療費50%、154,798億円 ・医療制度改革により国民の自己負担は増加方向へ。セルフメディケーションを加速
    ・軽症のケガ、病気では、病院ではなくドラッグストアでの一般薬購入が促進(?)
    ・病気になったら薬を飲むだけでなく、栄養補助食品、特定保健用食品、栄養機能食品などの健康食品で病気予防の動き。
    カウンセリング機能を持つ専門性の高いドラッグストアのニーズ高まる。
  4. 第3四半期決算概要
    ・新規出店23店舗に加え、既存店伸び率5.7%アップ。
    ・専門性が高く、利益率の高い調剤、ヘルスケア、ビューティケアの伸びが、全体の伸び率 を上回る。
    ・出店は、「三河地区ドミナントの強化」、「名古屋地区ドミナントの推進」、「繁華街への出店本格化」、「名古屋周辺都市における市民病院の分業の受け皿作り」などを志向。
    ・2002年2月期第三四半期末のバランス・シート 現預金 95億円、流動比率 174.1%、自己資本比率 55.5%、無借金
  5. 中期事業計画
    ① 営業方針:薬局としての専門性、信頼性で他社との差別化を図る
    ・カウンセリング部門の更なる売上拡大
    ・医薬分業の高度化に対応できる体制作り
    ・PB商品の開発により売上利益の確保
    ②人材教育方針:グローバルレベルの専門性を身に付ける
    ・衛星回線でのTV教育
    ・集合教育、通信講座
    ・より高度な薬剤師教育実施と新薬、副作用、相互作用などの薬学情報を発信し、各店舗のレベルアップを図るために薬事研修センター、薬事情報センターを設置。
    ③出店計画(新規出店数)
    2002年2月期 35店、2003年2月期 40店、2004年2月期 55店
    ④売上・経常利益
    2003年2月期 売上 670億円、経常利益 46億円
    2004年2月期 売上 870億円、経常利益 58億円
    ⑤中期ビジョン
    2005年2月期  店舗数: 300店舗、売上高 1000億円
    2010年2月期  店舗数:1000店舗、売上高 3500億円
  6. 顧客株主主義
    ・平成13年7月2日に単位株を1000株から100株に引き下げ
    ・年間2回の株主優待

(6914)オプテックス

  1. コア技術「赤外線」とは?
    物体は内部分子の動きが活発になるにつれ、エネルギーの一部を放射。これが赤外線。このうち、可視光から遠く波長が長いものが遠赤外線。この遠赤外線は人体はもちろん、氷や机など温度の低いものからも放射されている。この遠赤外線を感知するのが「遠赤外線センサー」。同社はまずこれを利用して、1980年に世界初の「遠赤外線利用自動ドアセンサー」を開発。
  2. 特色
    ・赤外線技術をセンサに応用し、ニッチ分野へ特化して強い競争力を保有。
    ・セキュリティセンサ、自動ドア用センサで世界トップシェア
    ・ 生産・物流はアウトソーシングし、企画開発・マーケティングに専念する創造性重視型企業
    ・輸出比率が高く連結子会社も大半を海外販社が占めていることから、生産・資材調達・マーケティングなどグローバル経営に注力。連結売上高のうち65%が海外向け
    ・強固な財務体質
    ・分野別売上高は、セキュリティ用 50%、自動ドア用 23%、産業用 26%、環境監視用 1%
  3. セキュリティ市場について
    ・同社の事業領域は「ホームセキュリティ」、「事業所のセキュリティ」
    ・機械警備市場は、一般家庭普及率 米国15%に対し、日本ではまだ0.5%と潜在マーケット大。
    ・社会動向を見ると、「外国人犯罪」、「ピッキング」、「ストーカー」、「自動車盗難」など多様に変化し、セキュリティ関連の新聞・雑誌記事急増。また、侵入盗の検挙率は1996年 80%近くだったが2000年には40%以下へと急速に低下!
    ・大手警備会社のホームセキュリティが比較的高価で、事件発生後に駆けつけるタイプなのに対し、同社のホームセキュリティは「比較的低価で自分で設置可能」であり、屋外での抑止、威嚇、証拠取りというように、自己防衛(侵入させない)タイプ。
    ・ホームセキュリティにおける注力商品
    「センサライト:侵入者を光で威嚇」、「ワイヤレスセキュリティ:侵入者、異常事態を検知しアラームで知らせる」、「セキュリティテレビドアホン:屋外の来訪者、不審者、侵入者を撮影」
    ・5年後(2006年)の一般家庭普及率を「2000万世帯、5%」と予測
    ・事業所のセキュリティにおける注力商品
    「デジタル監視カメラシステム WonderTrack:デジタル技術を利用して、「待機状態から作動状態」へのタイムラグを無くして、侵入の瞬間を撮り逃すことをなくすとともに、繰り返し録画しても高画質を維持し、テープやヘッドの交換も不要として、ランニングコストを大幅に削減。」
  4. その他事業内容
    ・遠赤外線センサを利用した自動ドア用製品(売上高構成比 22%)
    ・光電センサ、非接触型温度計など産業機器用製品(売上高構成比 28%)
    ・ 水の透明度センサなど環境関連製品(売上高構成比 1%)
  5. 中期の見通し(いずれも予測)
    2001年12月期 売上高
    116億円
    経常利益
    11.4億円
    2002年12月期 売上高
    129億円
    経常利益
    13.5億円
    2003年12月期 売上高
    153億円
    経常利益
    20.9億円