ブリッジレポート:(8275)フォーバル vol.42
(8275:JASDAQ) フォーバル |
|
||||||||
|
企業名 |
株式会社フォーバル |
||
会長 |
大久保 秀夫 |
||
社長 |
中島 將典 |
||
所在地 |
東京都渋谷区神宮前 5-52-2 青山オーバルビル |
||
決算期 |
3月 |
業種 |
卸売業(商業) |
項目決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期純利益 |
2012年3月 | 34,695 | 843 | 846 | 587 |
2011年3月 | 32,287 | 681 | 665 | 464 |
2010年3月 | 32,206 | 523 | 478 | 449 |
2009年3月 | 34,358 | 112 | 17 | -1,879 |
2008年3月 | 34,323 | -933 | -1,264 | -532 |
2007年3月 | 26,216 | -1,878 | -2,012 | -1,390 |
2006年3月 | 27,500 | 3 | 14 | 1,063 |
2005年3月 | 40,089 | 1,962 | 1,962 | 1,174 |
2004年3月 | 32,981 | 1,446 | 1,360 | 660 |
2003年3月 | 37,402 | 1,522 | 1,334 | 443 |
2002年3月 | 44,411 | -860 | -1,027 | -4,756 |
2001年3月 | 52,045 | 1,026 | 699 | 86 |
2000年3月 | 54,668 | 1,278 | 1,281 | 1,122 |
株式情報(6/5現在データ) |
|
|
今回のポイント |
|
会社概要 |
【沿革】
1980年9月、新日本工販として設立され、電気通信機器やコンピュータ等の販売、及び設置工事、保守管理のサービスを開始。以来、一貫して情報通信分野における「新しいあたりまえ」創りに挑戦を続けている。同社の提案する「新しいあたりまえ」とは、商品・サービスを提供する大手メーカーやキャリアではなく、これらを実際に利用するユーザーの立場から情報通信業界が抱える矛盾、問題点を打破するために考えた新しいビジネスモデル。88年11月に株式を店頭登録した(現ジャスダック上場)。その後は、OA・ネットワーク機器のリース販売を中心に事業が拡大し、91年10月に現商号の(株)フォーバルに商号を変更。95年4月には(株)フォーバルテレコムを設立し電話サービス事業に参入し、03年10月にサービスを開始したIP電話&ブロードバンドサービスの「FTフォン」の拡大でフォーバルグループの業容も拡大した。 ただ、近年のハード販売における付加価値の低下を踏まえ、現在、差別化が可能で付加価値も高いコンサルティングサービスへのシフトを進めており、08年4月にサービスを開始したITコンサルティングサービス「アイコン」がその中核となっている。また、コンサルティングサービスの一環として、中小企業の情報化の支援やASEAN展開の支援にも取り組んでおり、前者ではIP統合ソリューションを展開。後者では、10年5月にFORVAL(CAMBODIA)CO.,LTD.(カンボジア・プノンペン)を設立し、以後、11年7月のPT FORVAL INDONESIA(インドネシア・ジャカルタ)及び同年8月のFORVAL VIETNAM CO., LTD.(ベトナム・ホーチミン)の設立、更には12年3月のミャンマー駐在員事務所(ミャンマー・ヤンゴン)の開設とネットワークの拡充を進めている。 【事業内容】
事業は、(株)フォーバルを中心に、中小法人向けOA・ネットワーク機器の販売、サービスの取次、コンサルティングサービス等を手掛けるフォーバルビジネスグループ、(株)フォーバルテレコムを中心に、VoIP・モバイル等の通信サービス、インターネット関連サービス、普通印刷、及び保険サービス等を手掛けるフォーバルテレコムビジネスグループ、(株)リンクアップを中心にモバイルショップにおいて携帯端末の取次等を手掛けるモバイルショップビジネスグループ、の3セグメントに分かれる。 売上高・営業利益10年間の推移(2005/3~2014/3) |
成長戦略 |
企業経営そのものを支援する。「アイコン」においては様々なサービスを提供しているが、特に情報通信分野の知識・技術を駆使した経営コンサルとASEAN地域への進出ノウハウを活用した経営コンサルに経営資源を投入して行く。 (1)情報通信の知識・技術を駆使した経営コンサルの拡大
「アイコンサービス」開始以降、利用する顧客数やアイコン関連の売上高は順調に拡大している。また、よろず経営相談の件数も増加しており、情報通信コンサルタントとしての同社の認知度も高まっている。アイコンサービスの増加は、よろず経営相談の増加につながり、更には、本格的な経営コンサルの増加へつながり、差別化、顧客囲い込み、高付加価値化などにつながる可能性が高い。そのため、同社では、アイコン事業の更なる拡大・強化のため、今期からパートナー展開を積極化する予定である。情報通信コンサルタント業界の拡大に向け協力してくれる企業へ「アイコンサービス」のビジネスモデルを提供したり、大手通信キャリアやメーカーへの働きかけを強め「アイコンサービス」の更なる充実を行う。
(2)独自の海外進出ノウハウによる経営コンサルの強化
同社の大久保会長は、十分な教育の機会が無いカンボジアにおいて、自らが設立し理事長を務める公益財団法人CIESF(シーセフ)を通して、教育インフラの構築から人材教育に至る広範な支援活動に取り組んできた。ASEAN進出支援事業は、このCIESFの活動を通じて培った経験や人脈が活きている。「同社グループ及び顧客である中堅・中小企業の事業の成長を考える上で、アジア地域の成長を取り込む事が重要」と言う考えの下、既に、カンボジア(10年5月)、インドネシア(11年7月)、及びベトナム(11年8月)に現地法人を設立しており、12年3月にはミャンマーに駐在員事務所を開設した。中でも、最も早期に進出したカンボジアでは、同社グループのメンバーが150人以上働いている。 |
2013年3月期決算 |
前期比1.4%の増収、同43.7%の経常増益
売上高は前期比1.4%増の351億円。一部事業を譲渡した影響等でフォーバルテレコムビジネスグループの売上が減少したものの、ITコンサルティングサービス「アイコン」の拡大とそれに伴うセキュリティ関連商品の売上増でフォーバルビジネスグループの売上が増加した他、スマートフォン関連をけん引役にモバイルショップビジネスグループの売上も増加した。利益面では、売上の増加と「アイコン」の拡大等による売上総利益率の改善で売上総利益が同4.4%増加。事業拡大に伴い人件費が増加したものの、事務所再編等による地代家賃の減少や通信費や交通費などの抑制等で販管費は同1.2%増と小幅な増加にとどまり、営業利益は11.6億円と同38.0%増加した。また、経常利益は、金融収支や持分法投資損益の改善で同43.7%増加。当期純利益は、投資有価証券売却益205百万円を計上したものの、訴訟関連損失の計上や法人税負担増加などにより同32.9%の増加となった。 1株当たり期末配当金は、期初予定の15円から17.5円へ上方修正された(前期比2.5円の増配)。 (1)フォーバルビジネスグループ
利益率の高いアイコン事業の拡大により増収増益。社内システムの活用により営業員の時間効率が向上したことも利益率改善に寄与。 (2)フォーバルテレコムビジネスグループ
通信サービスの新規獲得の鈍化や一部事業譲渡の影響で減収も、不採算事業の改善でセグメント利益が大幅に増加。 (3)モバイルショップビジネスグループ
スマートフォンを中心に携帯販売台数が増加したことから増収増益 (2)財政状態及びキャッシュ・フロー(CF)
期末の総資産は前期末比4.5億円増の166.7億円。フリーCFを活用し有利子負債の削減を進めたものの、利益の増加を受け、未払法人税や純資産が増加。期末の自己資本比率は、34.7%に上昇し財務体質が向上。CFの面では、たな卸資産の増加などから、営業CFのプラス幅が縮小したものの、投資有価証券の売却などで投資CFのマイナス幅が縮小し、フリーCFのプラス幅はわずかながら拡大した。期末の有利子負債は、前期末の15.0億円から8.7億円へ大幅に減少した。同社は、無借金かつ自己資本比率50%を目標に、財務体質の強化を進めている。 |
2014年3月期業績予想 |
前期比2.3%の増収、同15.1%の経常増益予想
企業経営を支援する「情報通信コンサルタント」集団として、IP統合商品の更なる普及促進、ビックデータ活用による新サービスの創出、スマートフォンなどの情報通信の活用促進の提案や東南アジア諸国の進出支援を通じて、売上の拡大を目指す。ITコンサルティングサービス「アイコン」を中心に引き続きフォーバルビジネスグループの売上が増加する見込み。業績予想を開示しているフォーバルテレコム(9445)は、前期比ほぼ横ばいを計画。 利益面でも、利益率の高い「アイコン」の売上構成比が上昇することに加え、更なる効率化による販売管理費抑制から営業利益率が改善する計画。営業利益は13.7億円と同17.6%増加する見込み。当期純利益が減少するのは、前期に有価証券売却益(205百万円)を計上した反動。 1株当たり期末配当金は、前期と同額の17.5円を予定。 |
|
本レポートは情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。また、本レポートに記載されている情報及び見解は当社が公表されたデータに基づいて作成したものです。本レポートに掲載された情報は、当社が信頼できると判断した情報源から入手したものですが、その正確性・完全性を全面的に保証するものではありません。当該情報や見解の正確性、完全性もしくは妥当性についても保証するものではなく、また責任を負うものではありません。 本レポートに関する一切の権利は(株)インベストメントブリッジにあり、本レポートの内容等につきましては今後予告無く変更される場合があります。 投資にあたっての決定は、ご自身の判断でなされますようお願い申しあげます。 Copyright(C) 2024 Investment Bridge Co.,Ltd. All Rights Reserved. |