ブリッジレポート
(8275) 株式会社フォーバル

スタンダード

ブリッジレポート:(8275)フォーバル vol.25

(8275:JASDAQ) フォーバル 企業HP
大久保 秀夫 社長
大久保 秀夫 社長

【ブリッジレポート vol.25】2009年3月期第3四半期業績レポート
取材概要「通期の業績予想を達成するには、第4四半期に5億円弱の利益を上げなければならない。四半期毎の利益の推移を考えると、ハードルが高いように感じ・・・」続きは本文をご覧ください。
2009年3月10日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社フォーバル
会長兼社長
大久保 秀夫
所在地
東京都渋谷区神宮前 5-52-2 青山オーバルビル
決算期
3月
業種
卸売業(商業)
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2008年3月 34,323 -970 -1,263 -530
2007年3月 26,216 -1,918 -2,010 -1,387
2006年3月 27,500 3 14 1,063
2005年3月 40,089 1,962 1,962 1,174
2004年3月 32,981 1,446 1,360 660
2003年3月 37,402 1,522 1,334 443
2002年3月 44,411 -860 -1,027 -4,756
2001年3月 52,045 1,026 699 86
2000年3月 54,668 1,278 1,281 1,122
株式情報(3/2現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
161円 13,764,342株 2,216百万円 - 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
12.5円 7.8% 21.80円 7.4倍 389.37円 0.4倍
※株価は3/2終値。発行済株式数は直近期末の発行済株式数から自己株式を控除。
 
フォーバルの2009年3月期第3四半期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
都心部の中堅・中小法人を対象に、電話機や複写機等のオフィス向け情報通信機器の開発・販売・設置・保守サービスの他、携帯電話端末の販売、光ファイバーを利用したIP 電話サービス(商品名FTフォン)、更にはセキュリティサービス等、様々なサービスを「ワンストップ」で提供している。事業セグメントは、電話機、複写機、パソコン等の販売を主とする機器関連事業と通信ネットワークやセキュリティ関連等のネットワーク関連事業に分かれ、08/3期の売上構成比は、前者が29.5%、後者が70.5%。

現在、中小・中堅企業に対するNo.1の「総合ブロードバンドソリューションカンパニー集団」となるべく、総合ITコンサルティングサービス「アイコン」を通して顧客との関係強化に取り組んでいる。1980年に設立され電話機販売からスタートした同社だが、その後、ナローバンド、ブロードバンド、そしてモバイルと、時代のニーズに即した分野で様々なサービスを開発してきた。そして、今、新たなサービスの開発と企業改革に取り組む事で、更なる進化を目指している。

尚、社名のFORVAL(フォーバル)は、「For Social Value」を語源とし、「社会価値創出企業をめざす」という経営理念が込められている。
 
2009年3月期第3四半期決算
 
 
前年同期比5.3%の増収、58百万円の経常損失(前年同期は1,084百万円の損失)。
(株)フォーバルクリエーティブ(現インスパイアー(株))の連結除外に伴いセキュリティ関連が減少したものの、07年7月に子会社化した携帯販売の(株)リンクアップが期初から寄与した事や、08年4月に子会社化した商業印刷物の企画・編集・製作を手掛けるタクトシステム(株)の寄与、更には(株)フォーバルテレコムが手掛ける新通信サービス事業が伸びた事で売上高は25,640百万円と同5.3%増加した。利益面では、増収による売上総利益の増加と固定費の圧縮による販管費の減少で経常損失が大幅に減少した。四半期純損失の額が大きいのは、投資有価証券評価損(258百万円)、貸倒引当金繰入(161百万円)、減損損失(250百万円)など特別損失762百万円を計上したため。
 
 
機器関連事業      売上高:7,441百万円(前年同期比1.3%減)
電話機は同2.8%の微減。数量ベースで堅調に推移したものの、比較的低価格な商品の比率が高まった。また、複写機等も減少したものの、業界全体が大きく落ち込む中で業界トップクラスのカラー化率を維持した結果、同2.5%の微減にとどまった。一方、データのバックアップ需要を取り込んでサーバーの販売が伸びた情報機器関連が同12.7%増加した。
 
ネットワーク関連事業  売上高:18,199百万円(前年同期比8.2%増)
子会社の連結除外でセキュリティ関連が同52.4%、人員を減少させたWeb関連が同33.0%、それぞれ減少した。一方、(株)リンクアップが期初から寄与した事や、(株)フォーバルテレコムの新通信サービス事業が順調に推移した事で、通信ネットワークが同16.6%増加。タクトシステム(株)の寄与により、その他の売上も同32.7%増加した。
 
 
前年同期比9.1%の減収、164百万円の経常損失(前年同期は444百万円の損失)。内部統制上の手続きの増加やリース契約における手続きに以前よりも時間を要した事で売上が伸びず、コストを吸収できなかった。
 
 
第3四半期末の総資産は、前期末比2,268百万円減の15,621百万円。借り方では、売上債権の回収が進んだ他、株価下落により投資有価証券が減少した。一方、貸し方では、仕入債務、株主資本、及びその他有価証券評価差額金が減少した。
 
 
バランスシートのスリム化を反映して、キャッシュ・フローが大幅に改善。前年同期は1,314百万円のマイナスだったフリーCFが875百万円の黒字となった。
 
2009年3月期業績予想
 
 
通期の業績予想に変更は無く、前期比2.0%の増収、400百万円の経常利益予想。
オフィスの統廃合による固定費の削減等でフォーバル(個別)を中心に大幅な損益の改善が見込まれる。
 
 
取材を終えて
通期の業績予想を達成するには、第4四半期に5億円弱の利益を上げなければならない。四半期毎の利益の推移を考えると、ハードルが高いように感じるが、限界利益率の面から考えた場合、想定通りの売上を確保できれば達成は可能である。このため、売上高がポイントとなるが、売上高の進捗率は、前年同期の71.0%に対して、今期は73.3%と進捗しており、また、第4四半期も前年同期比6.1%の減収で通期予想を達成できる。ただ、第3四半期のGDP成長率が12%を超えるマイナスとなったように景気の落ち込みはつるべ落とし。不安が無いわけではない。