ブリッジレポート:(7866)アトラス vol.1
(7866:JASDAQ) アトラス |
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企業名 |
株式会社アトラス |
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社長 |
猪狩 茂 |
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所在地 |
東京都新宿区神楽坂4-8 |
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決算期 |
7月 末日 |
業種 |
その他製品(製造業) |
項目決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 当期純利益 |
2008年7月 | 23,305 | 1,401 | 1,636 | 587 |
2007年7月 | 7,984 | 258 | 300 | -844 |
2007年3月 | 21,340 | 759 | 785 | 425 |
2006年3月 | 16,730 | 327 | 285 | -2,764 |
2005年3月 | 17,846 | 30 | 147 | -23 |
2004年3月 | 17,160 | 189 | 497 | 37 |
2003年3月 | 16,290 | 151 | 496 | 256 |
2002年3月 | 17,850 | 782 | 1,114 | 480 |
株式情報(10/7現在データ) |
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今回のポイント |
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会社概要 |
<沿革>
1986年4月、コンピュータゲームソフトの開発等を目的に設立。92年10月にはヒット作となった「真・女神転生」をスーパーファミコン向けに開発・発売を開始し、また、業務用アミューズメント機器の企画・開発・製造・販売、アミューズメント施設の運営も行なっている。同社の業容を一気に拡大させたのが、95年7月に販売を開始した業務用オリジナルシール印刷機「プリント倶楽部」(通称「プリクラ」)。プリクラの大ヒットを受けて、97年10月に株式を店頭公開(ジャスダック証券取引所上場)。プリクラの需要は一巡したものの、家庭用ゲーム関連事業をけん引役に業績拡大が続いている。
主な家庭用ゲームソフト(同社Webサイトより)
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2008年7月期決算 |
(1)連結業績
家庭用ゲーム関連事業において、国内新作ゲームソフト「世界樹の迷宮Ⅱ 諸王の聖杯」(ニンテンドーDS:08年2月発売)、「ペルソナ4」(PS2:08年7月発売)が当初計画を大幅に上回る販売本数を達成。子会社が運営するオンラインゲームも好調に推移した。 利益面では、主に家庭用ゲーム関連事業において、国内新作ゲームソフトの販売本数が当初計画を上回った事で売上原価率が低下、販管費の伸びを抑えて営業利益は1,401百万円となった。匿名組合投資利益の計上等で為替差損を吸収して営業外損益が改善したものの、特別損失867百万円を計上したため、当期純利益は587百万円にとどまった。 特別損失の主なもの
固定資産除却損(内装設備等の廃棄) 90百万円 固定資産減損損失 (アミューズメント施設の減損処理) 261百万円 店舗解約損失 (転貸していた所有アミューズメント施設の閉鎖に伴う) 56百万円 子会社整理損 (連結子会社のATLUS ENTERTAINMENT PTE LTD.の解散処理等) 33百万円 貸倒引当金の繰入 316百万円 (2)セグメント別動向
家庭用ゲーム関連事業
このうちパッケージソフト事業は、国内売上高が同6.8%増の3,340百万円。新作ゲームソフトとして「カドゥケウス NEW BLOOD」(Wii:08年1月発売)、「世界樹の迷宮Ⅱ 諸王の聖杯」(ニンテンドーDS)、「ペルソナ4」(PS2)の3タイトルを発売、08年7月には「救急救命 カドゥケウス2」(ニンテンドーDS:08年8月発売)の出荷を開始した。「ペルソナ4」が前作を大幅に上回る販売実績を上げた事に加え、アニメ放送効果で過去の「ペルソナ」シリーズのリピートも増加した。
「世界樹の迷宮Ⅱ 諸王の聖杯」(ニンテンドーDS) 約17万本(計画10万本)
「ペルソナ4」(PS2) 約30万本(同 18万本)
「Persona3」 約 7.4万本(計画6万本)
「Persona3 FES」 約11.5万本(同 5万本) 業務用ゲーム関連事業
プライズ機では業界初の-25℃の冷凍環境を実現した「トリプルキャッチャーアイス」を08年6月に発売し1,200台を超える販売実績をあげた他、景品のアイスクリーム販売も今夏目標の約4,000万円を達成した。 アミューズメント施設関連事業
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中期経営計画(09/7期~11/7期) |
(1)中期経営計画
11/7期にかけての中期経営計画では、損失の発生を抑えながらアミューズメント関連事業(業務用ゲーム関連事業及びアミューズメント施設関連事業)において構造改革を進める一方、コンテンツ関連事業(家庭用ゲーム関連事業)において積極的に投資を行う事で、クオリティの高い「ATLUS IP(知的財産)」を世界へ広げる。具体的には、この3年間において、アミューズメント関連事業の資産圧縮に取り組む一方、コンテンツ関連分野での積極投資を行い、資産効率を重視した経営スタイルへの転換を図り収益性を高める。IPとはIntellectual Propertyの略で、例えば、ゲームキャラクターの映画化等、マルチユースを促進する観点から「コンテンツ」と言わず「IP」としている。
(2)数値計画
コンテンツ関連
オリジナルコンテンツ開発の強化を行い、特に海外市場を見据えたコンテンツの開発に注力する。また、コンテンツのマルチユースにも積極的に取り組んでいく考えで、この一環として10月1日付けでメディア事業部を新設した。連結子会社(株)シーアンドシーメディアが展開するオンラインゲーム事業においては、運営タイトルを増やす。現在、クローズドβテスト中の「LEGEND OF CHUSEN -誅仙-」が11月から課金を開始する他、新規タイトル獲得に向けて交渉を進めている。
アミューズメント関連
損失の拡大を抑えながら、資産の圧縮を進める。具体的には、非効率店舗の売却・閉鎖、マシン投資の厳格化、業務用ゲーム関連資産(在庫)の圧縮を図る。 |
2009年7月期業績予想 |
国内外で厳しさを増す事業環境を踏まえ、売上・利益の拡大よりも事業構造の再構築を優先する。主力のコンテンツ関連事業では、国内で6~9タイトル・50万本、北米で25タイトル・100万本のパッケージソフトの出荷を計画しており、国内外共に前期実績をわずかに下回る。オンラインゲームの拡大でセグメント売上高は増加するものの、チャレンジタイトルが多い事及びオンライン展開など北米での先行投資が負担となり、セグメント営業利益は減少する見込み。資産効率と収益性の改善を念頭に資産の圧縮を進めるアミューズメント関連事業も減収・減益が避けられず、連結営業利益は同25.8%の減少を見込む。匿名組合投資利益の計上がなくなり営業外での上乗せが減少する事に加え、特別損失として株式の評価損や店舗関連の減損損失を見込んでいる他、子会社の税負担増加及び少数株主利益の増加等もあり、当期純利益は100百万円にとどまる見込み。 |
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